緊張型頭痛

内容監修

駒井 翼 

KOMAI TSUBASA

駒井 翼 

KOMAI TSUBASA

医師/日本内科学会 認定内科医 /日本心血管インターベンション治療学会 認定医 /心電図検定1級

循環器救急医療の最前線で若手医師として奮闘して参りました。救急車で運ばれてきた患者さんが無事に社会復帰できた瞬間に「猛烈なやりがい」を感じる一方、助けられなかった「生活習慣病の成れの果て」も多く経験しました。 「そうなる前になんとかしたい」と、「友達のように気軽に相談できる」かかりつけ医を目指します。日本人の医療リテラシー向上のため医学教育にも関わっています。

緊張型頭痛とはなにか

緊張性頭痛はズキズキする痛みとは異なる、締め付けられるような頭痛が特徴で、時々症状が出る「反復性緊張性頭痛」と、ほぼ毎日起こる「慢性緊張性頭痛」の2つに分類されます。

反復性緊張性頭痛

肩こりなど肩や首の後ろ、頭の筋肉の緊張が原因で起こることが多いとされています。パソコン作業など長時間同じ姿勢で作業を続けていると首・肩周りの筋肉が緊張し、頭痛が起こりやすくなります。

慢性緊張性頭痛

首・肩の筋緊張に加え、精神的なストレスなどが関与し、脳が痛みに対して過敏になっていると考えられています。こちらのタイプは男性より女性のほうが1.5倍程度多い割合で生じます。

緊張型頭痛の症状とその特徴

頭全体または首の後ろのあたりに鈍い締め付け感、圧迫感のある頭痛が出現します。患者さんによっては「はちまきや帽子で頭が締め付けられている」と訴える人もいます。頭痛のほかに、めまいやふらつき、肩こりなどを伴うこともあります。

緊張型頭痛の治療と注意点

頭痛発作時の痛みを軽減する治療と、頭痛頻度を軽減させる予防療法の二本立てで治療を行います。頭痛発作時には、一般的な市販薬の鎮痛剤を使用します。鎮痛剤の使用により頭痛は軽減しますが、鎮痛剤の使い過ぎには注意が必要です。頭痛発作が年に数回の軽症の人は、頭痛時の鎮痛剤治療だけで良いでしょう。

頭痛が頻繁に起こる場合は、予防療法という選択肢もあります。首・肩の筋肉の緊張をときほぐすための筋弛緩薬を服用したり、肩こりを予防する運動を行ったりすることで、緊張型頭痛を予防することができます。

慢性緊張型頭痛とは

慢性緊張性頭痛は、前述のとおり頭痛がほぼ毎日くりかえされるものを指します。原因としては首・肩の筋緊張に加え、精神的なストレスなどが関与しているとされていて、脳が痛みに対して過敏になっていると考えられています。そのため、鎮痛剤や筋弛緩薬等の通常の治療に加えて、精神的なストレスをやわらげるために抗うつ剤が使用されることがあります。

まとめ

  • 緊張性頭痛はしめつけられるような頭痛が特徴で、めまいやふらつき、肩こりなどを伴うこともある。
  • 頭痛発作時の痛みを軽減する治療と、頭痛頻度を軽減させる予防療法の二本立てで治療を行う。

医師コメント

片頭痛と並んで頭痛の原因で多く見られます。片頭痛だと思っているものでも実は緊張型頭痛のこともあります。
治療は大きくは変わりませんが、ストレスの軽減なども有効です。しっかりと休息をとるように心がけましょう。

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