黄疸(肌の黄染)

内容監修

石黒 剛

GO ISHIGURO

石黒 剛

GO ISHIGURO

医師

大学在学時から現在の病院中心の医療システムに疑問を持ち、 日常生活に医療を提供するシステム作りをミッションに掲げる。 2019年、訪問診療専門の「いしぐろ在宅診療所」を兄と二人で開業。 クリニックTENでは、働く世代に焦点を当て、生活に溶け込む医療機関の実現を目指す。

黄疸(肌の黄染)とはどのような症状か

 黄疸とは皮膚や眼が黄色くなった状態を言います。これは、血液の中の赤血球が分解されることで生じるビリルビンという物質が体の中で増えることによって起こります。原因として、肝臓そのものの不調や、赤血球が沢山分解されること、肝臓で作られる胆汁という消化液の通り道である胆管が詰まることなどがあります。ビリルビンには、直接ビリルビンと間接ビリルビンという2種類があり、血液検査でどちらが多くなっているかを調べることで、原因の病気をしぼることができます。

黄疸(肌の黄染)があるときに心がけること

 黄疸の原因には様々なものが考えられるので、基本的には病院を受診して検査を受けることをおすすめします。たいていの場合は皮膚や白目の部分が黄色くなるだけで、痛みなどの自覚症状が無く、なかなか病院に行こうという気になりにくいと思います。しかし他に症状が無くても、黄疸の症状が出た時には既に病気が進んでいるということもあります。そのため、なるべく早めに医師の診察を受けましょう。特に、熱がある、お腹が痛い、吐き気があるなど、黄疸以外の症状がある場合は、すぐに病院を受診してください。

黄疸(肌の黄染)の原因として考えうる疾患

黄疸の主な原因としては、急性肝炎や胆石症があります。

急性肝炎は、肝臓に炎症が起きてビリルビンを処理する力が低下し、体内にたまってしまい黄疸が生じます。

胆石症は、肝臓が作る胆汁の通り道が胆石によって塞がれて、ビリルビンを身体の外に出せなくなるため、急性肝炎と同じく体内にたまってしまいます。

 

黄疸(肌の黄染)を伴う、緊急度の高い疾患

 黄疸の原因として最も心配なものはがんです。がんによって胆汁の通り道のどこかが塞がれると、胆石症と同じ原理でビリルビンが増加し、黄疸となる場合があります。他に症状が無く黄疸が出て病院を受診したら、既に進行したがんだったということも少なくありません。黄疸がみられたら原因が何なのかをしっかりと確認することが大切なので、なるべく早めに医療機関で検査を受けましょう。

まとめ

  • 黄疸は、血液中にビリルビンという物質が増加することで、皮膚や眼が黄色くなった状態を指します。
  • 黄疸の主な原因としては、急性肝炎や胆石症があげられます。
  • 症状の有無にかかわらず、黄疸がみられたら基本的に病院を受診するようにしてください。