息切れ・だるさ

内容監修

石黒 剛

GO ISHIGURO

石黒 剛

GO ISHIGURO

医師

大学在学時から現在の病院中心の医療システムに疑問を持ち、 日常生活に医療を提供するシステム作りをミッションに掲げる。 2019年、訪問診療専門の「いしぐろ在宅診療所」を兄と二人で開業。 クリニックTENでは、働く世代に焦点を当て、生活に溶け込む医療機関の実現を目指す。

息切れ・だるさとはどのような症状か

息切れは「頑張らないと呼吸ができない、呼吸すると不快感がある」と言った状況のことを指す言葉です。医学的には「呼吸困難」と言われますが、患者さんの訴えとしては

  • 息がつまる
  • 胸が圧迫される
  • 呼吸が浅い・早い
  • 十分に息が吐けない

など、様々な表現で表されます。

もちろん、激しい運動後に息切れをするのは当たり前のことで異常ではありません。しかし、今まで問題がなかった程度の運動で息が切れる、あるいは安静にしていても息切れがあるような場合は、何らかの病気が隠れている可能性があります。

だるさは、倦怠感という言葉と同じ意味で用いられ、いつも通りの生活がおっくうになるほど疲れたような感覚のことを言います。睡眠不足や生活習慣の乱れ、運動後などに起きるだるさは、ほとんどの場合休養や生活習慣の改善などで改善します。しかし、病気のときはなかなか改善しないことがあります。

息切れ・だるさがあるときに心がけること

だるさは、身体の酷使、睡眠不足や生活習慣によっても起きます。まずは無理をせず、休養をしっかりとりましょう。それでも症状が続く場合には何かしらの問題があるかもしれません。早めに医療機関に相談しましょう。

また、息切れやだるさには、重大な病気が隠れていることがあります。胸やのどの痛み、嘔吐、冷や汗や唇や指先が青色になる、などの症状がある場合には、今すぐに医療機関に相談しましょう。

息切れ・だるさの原因として考えうる疾患

息切れ、だるさは様々な疾患で起こるため、自分で原因となる病気を見分けるのは難しいとされています。しかし、症状などからある程度病気を絞ることはできます。

貧血

症状が出てきたのがゆっくりであったり、めまいや頭痛、味覚の異常を伴う場合には、鉄分の不足による貧血が考えられます。

喘息

アトピーを持っている、昔持っていたことがあるという方は、喘息のハイリスク群として知られています。夜~明け方に、咳を伴う息切れがあったり、呼吸時にゼーゼー音がするような場合には喘息が疑われます。

心不全

これまでに心臓の病気や異常を指摘されたことがある方は、心不全が引き金となって息切れが起きている場合があります。心不全は、寝ている時に特に症状がひどくなることが特徴で気です。心不全が悪化すると歩くことすらつらくなり、長期間放置すると死亡の原因になることもあるので、一度医療機関を受診することをおすすめします。

肺炎

熱がある場合、もしくは周りに同じような症状の人がいる時には、肺炎が考えられます。原因は様々で、細菌・ウイルスによるものに加え、高齢者では、異物が気管に入っても上手くむせこめず、肺が炎症を引き起こす「誤嚥性肺炎」の場合もあります。詳しく調べて治療につなげることが必要になります。

COPD・間質性肺炎

タバコを吸っている方、もしくは以前吸っていた方で、呼吸のときになんとなく内をすぼめてしまう場合には、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、間質性肺炎などが考えられます。これらは肺の病気で、タバコを吸う人に多く見られます。

このように、症状の現れ方や、息切れ・だるさ以外のの症状によってある程度疾患を絞ることができますが、思わぬ重大な疾患が隠れていることもあります。症状が強くてつらかったり、心配な場合はすぐに医療機関に相談しましょう。加えて、身体のどこにも問題がなくても、精神的な問題やホルモンバランスから生じる息切れやだるさもあります。

>男性ホルモンのとこに飛ばす

息切れ・だるさを伴う、緊急度の高い疾患

息切れや呼吸の苦しさを感じる場合に、すぐに救急車を呼ぶなどの対応を取るべき状況がいくつかあります。こういった場合には、様子を見るのではなく、すぐに行動を取ることが大切です。

食後や、薬を飲んだ直後に起きた場合や、虫(特にハチ)に刺された直後に起きた息切れでは、アナフィラキシーショックが疑われます。日ごろからエピペンと呼ばれる注射器を持ち歩くよう医師からいわれている方もいらっしゃいますが、そうでない場合には救急要請が推奨されます。

長時間同じ姿勢をとった後に症状が表れ、かつ胸の痛みなどを感じる場合には、肺塞栓症が疑われます。こちらも非常に緊急度が高く、命に関わる疾患ですので一秒でも早い対応が必要です。

このような特徴がなくても、意識がはっきりしない場合などは緊急度が高いと判断をするべきです。

まとめ

  • 息切れ、だるさは、特に病気がない場合でも起きるが、重大な病気が隠れていることもある。
  • 場合によってはすぐに治療しなければならないこともある。

閲覧した文献

参考文献

なし