淋菌感染症とは?症状を含め医師が解説

淋菌感染症とは?症状を含め医師が解説

淋菌感染症とは?症状を含め医師が解説

石黒 剛

GO ISHIGURO

石黒 剛

GO ISHIGURO

医師

大学在学時から現在の病院中心の医療システムに疑問を持ち、 日常生活に医療を提供するシステム作りをミッションに掲げる。 2019年、訪問診療専門の「いしぐろ在宅診療所」を兄と二人で開業。 クリニックTENでは、働く世代に焦点を当て、生活に溶け込む医療機関の実現を目指す。

淋菌感染症とは

性感染症

淋菌感染症はグラム陰性双球菌である淋菌が引き起こす性感染症です。20代に多い疾患です1)。淋菌は主に性行為によって感染します。そのため、治療ではパートナーの治療も必要です。

 淋菌に感染すると、潜伏期間は2-7日で男性は尿道炎、女性は子宮頚管炎を引き起こします2)。また、性行為の多様化に伴い、咽頭や直腸感染などの性器外の感染が増加しています2)

診断方法

淋菌感染症ではクラミジアとの混合感染が認められたり、淋菌感染症でみられる症状が性器クラミジア感染症でみられる症状と一致するため、淋菌とクラミジアを同時検査することが望ましいです2)。 淋菌感染症は検査を行い、淋菌を検出すると診断できます。検査方法には尿道分泌物グラム染色標本の顕微鏡検査や分泌物培養検査、尿・分泌物の遺伝子増幅検査があります2)。遺伝子増幅検査ではPCR法やSDA法、TMA法などがあり、淋菌のDNAやRNAを増幅して検出します。

治療方法

淋菌は細菌です。抗菌薬で治療します。ニューキノロン系薬やテトラサイクリン系薬に対する耐性菌が多く、あまり使用されません2)。セフトリアキソンなどのセフェム系薬、スペクチノマイシンなどのアミノグリコシド系薬を使用します2)。また、クラミジアなど非淋菌性尿道炎を引き起こす微生物との混合感染も認められることもあり、その場合は有効な抗菌薬が使われます。淋菌感染症は性感染症です。パートナーの治療も同時に行いましょう。

淋菌感染症の症状

男性の症状

男性では主に尿道炎を引き起こします。排尿初期に強い排尿痛を感じたり、排尿時の尿道灼熱感がみられます。また、多量の膿性分泌物もみられます。

 尿道炎が治療されず重症化すると逆行性感染を引き起こし、精巣上体炎などを生じることがあります2)。精巣上体炎では陰嚢の有痛性腫脹や発熱などがみられます。治療後に無精子症を生じることがあり、不妊症の原因になります2)

女性の症状

女性では主に子宮頚管炎を引き起こします。帯下の増量や不正出血がみられます。男性に比べると症状は軽度で自覚症状が乏しいことも多いです。

 また、子宮頚管から逆行性感染を起こし、骨盤内炎症性疾患を引き起こすこともあります2)。卵管炎や卵巣炎、骨盤腹膜炎などがあります。帯下異常や性交時出血、下腹部痛、右上腹部痛、発熱などがみられます。不妊症の原因となるため早期に発見し、治療することが大切です2)

 さらに、骨盤内感染が重症化すると炎症が上腹部まで達し、肝周囲炎を引き起こします2)。肝臓周囲の癒着を来し、右脇腹の上部あたりに痛みを生じます。クラミジアによる肝周囲炎も同様の症状を呈します2)

早期発見、早期治療が大切

男性の場合も女性の場合も淋菌感染症を放置すると不妊症の原因になります。また、女性の場合、自覚症状が乏しいので知らず知らずのうちに感染していたり、感染させていることがあります。したがって、少しでも不安に感じたら検査をすることが大切です。医療機関を受診しましょう。

 クリニックTENは渋谷ヒカリエのそばにある便利で安心なクリニックです。平日は21:30、土日祝は17:30まで受け付けています。平日の仕事帰りに受診したり、平日の受診が厳しい場合は土日祝に受診することができます。所要時間1分で事前ウェブ予約をしたり、事前ウェブ問診を受けられるので待ち時間はほぼ0分です。クラミジアと淋菌を即日検査でき、専門医による治療を受けられます。産婦人科と泌尿器科のどちらも診療可能であるのでパートナーの治療も安心して受けられます。

参考文献

  1. 厚生労働省.性感染症報告数(2004年〜2020年).https://www.mhlw.go.jp/topics/2005/04/tp0411-1.html
  2. 日本性感染症学会. 性感染症診断・治療ガイドライン2016. http://jssti.umin.jp/pdf/guideline-2016.pdf