内容監修
石黒 剛
GO ISHIGURO
石黒 剛
GO ISHIGURO
医師
大学在学時から現在の病院中心の医療システムに疑問を持ち、 日常生活に医療を提供するシステム作りをミッションに掲げる。 2019年、訪問診療専門の「いしぐろ在宅診療所」を兄と二人で開業。 クリニックTENでは、働く世代に焦点を当て、生活に溶け込む医療機関の実現を目指す。
金属アレルギーとはなにか
金属アレルギーとは、肌に触れた金属が身体から「異物」と認識されることによってアレルギー反応が起こり、皮膚に炎症が起きることを言います。金属アレルギーには大きく分けて2種類あり、ネックレス、ピアス、指輪のような、金属からなるアクセサリーの接触によっておこる接触皮膚炎、歯科金属や食品に含まれる金属を体内に取り込むことにより全身に金属アレルギーが起こる全身性金属皮膚炎と呼ばれています。
金属アレルギーの症状とその特徴
接触皮膚炎では、金属が直接触れた部位やその周辺に赤みやかゆみ、水ぶくれがみられます。つまり指輪では指に、ネックレスでは首や胸元に症状が現れます。
全身性金属皮膚炎の症状は様々で、手足に膿が出たり水ぶくれができたりします。これらは、掌蹠膿疱症や汗疱状湿疹と呼ばれます。また抜け毛の症状によって金属アレルギーがみつかる場合もあります。
金属アレルギーの治療と注意点
金属アレルギーの症状をおさえるためには、まず原因となる物質に触れない、身体にいれないということが基本です。
接触性皮膚炎の場合、原因金属を含むアクセサリー類を避けることが必要です。皮膚科でパッチテストを行い、どんな物質がアレルギーを引き起こしているのかを調べましょう。
全身性金属皮膚炎の原因が歯科金属である場合には、まず歯科医に相談しましょう。虫歯の治療を行う際、金属アレルギーを起こしにくい素材を用いて治療を行うことができる場合があります。
また、アレルギーを引き起こす金属の成分が比較的多く含まれている食品も避ける方が良いとされています。金属アレルギーと診断されたら、食事の内容についても医師に相談することをおすすめします。
まとめ
- 金属アレルギーとは、種々の金属に接触によってアレルギーが起こり、皮膚に炎症が起きることをいう。
- パッチテストで原因金属を突き止め、それらを避けることが重要である。
さらに詳しい譲歩
- Thyssen JP, Menné T. Metal allergy–a review on exposures, penetration, genetics, prevalence, and clinical implications. Chem Res Toxicol. 2010;23(2):309-318. doi:10.1021/tx9002726
- Mowad CM, Anderson B, Scheinman P, Pootongkam S, Nedorost S, Brod B. Allergic contact dermatitis: Patient management and education. J Am Acad Dermatol. 2016;74(6):1043-1054. doi:10.1016/j.jaad.2015.02.1144
- 歯科金属アレルギーの現状と展望