多汗症

内容監修

荘子 万可

MARK SOSHI

荘子 万可

MARK SOSHI

医師/日本泌尿器科学会認定専門医

泌尿器科、血液透析科を専門領域として研鑽を積む中で、健康寿命を延ばしより良く生きる (well-being) ことに興味を持ち、男性機能やアンチエイジングに関して造詣を深める。 クリニックTEN では、一般内科外来や健診の他、メンズヘルス外来を担当する

手や足、脇などから汗が止まらないという方、いらっしゃると思います。

緊張や暑さでは説明できないほど日常生活で汗が止まらずお困りの方、

それは多汗症という病気かもしれません。

多汗症は、友人や家族に理解されないことから心理的苦痛を感じたり、日常生活に支障が生じたりする手強い病気です。

多汗症の症状や原因・治療法について医師が解説いたします。

ぜひ最後までご覧ください

この記事を書いた医師

荘子 万可

MARK SOSHI

荘子 万可

MARK SOSHI

医師/日本泌尿器科学会認定専門医

泌尿器科、血液透析科を専門領域として研鑽を積む中で、健康寿命を延ばしより良く生きる (well-being) ことに興味を持ち、男性機能やアンチエイジングに関して造詣を深める。 クリニックTEN では、一般内科外来や健診の他、メンズヘルス外来を担当する

多汗症とは?

『汗の多さ』でお悩みの方、実は『多汗症』という病気かもしれません。

多汗症には、全身の汗で困る『全身性多汗症』と、

手/足/ワキなど局所的な汗で困る『局所多汗症』があります。


また、甲状腺の異常等に起因する『続発性多汗症』が存在する一方で、体質的な『原発性多汗症』という病気も有ります。

多汗症の種類

汗の量が異常に増加してしまう病気を多汗症と呼びます。

多汗症には「全身性多汗症」と「局所性多汗症」の2種類があります:

全身性多汗症:

その名の通り、全身で汗をかきすぎる状態です。特段原因のない特発性もありますが、原因として甲状腺機能亢進症や糖尿病、低血糖などの疾患を有する場合や薬剤性、妊娠、肥満などによっても多汗になる場合があります。

局所性多汗症:

全身ではなく、体の一部分のみで汗を非常にかきやすい状態です。

多汗症がみられる部位

全身性多汗症の場合は、全身に症状が現れます。全身でとにかく大量の汗が出てしまいます。

一方、局所性多汗症の場合は、

・手の平

・足の裏

・顔

腋(わき)

といった部分で特に汗をかきます。

局所性多汗症の場合は、症状が現れる場所が決まっているので特別な名前をつけられている場合があります。

例えば、

・手のひらだけで汗をかきやすい: 手掌多汗症(しゅしょうたかんしょう)

・ワキだけ汗をかきやすい: 腋窩多汗症(えきかたかんしょう)

・足の裏だけ汗をかきやすい: 足蹠多汗症(そくせきたかんしょう)

多汗症になってしまう原因は?

多汗症には精神的ストレスが関係していると言われています。

例えば、大勢の人の前に出て緊張している時や、「失敗してはいけない」と不安を覚えた時などに汗をかきやすいですよね。

しかし、多汗症は必ずしもストレスだけが原因ではありません。

リラックスしても多量の汗をかいたり、起床後すぐ汗をかき始めるケースもあります。

このように、多汗症は必ずしも精神的ストレスが原因で発症する病気ではないため、ご自身がなぜ多汗症になっているのかを理解することが大切です。

ストレス・緊張・不安による多汗症

汗には交感神経の働きが関与していると言われています。

なので精神的な緊張を受けることで汗をかきやすくなります。

交感神経が敏感な方ほど、多汗症になりやすいといわれています。

病気による多汗症

多汗症ではない病気を患っている影響で、間接的に多汗症の症状が現れることがあります。

その場合、手のひらだけ、ワキだけ、などの局所的な症状だけになることは少なく、

全身性多汗症になることが多いとされています。

多汗症を引き起こす病気としては次のようなものが知られています:

代謝の異常:糖尿病 肥満症

甲状腺の異常(バセドー病など)

感染症による異常:結核 全身への細菌感染(敗血症)

ホルモンバランスの乱れによる多汗症

ホルモンバランスの乱れも多汗症に関係があると言われています。

交感神経とホルモン分泌のコントロールが脳の同じ場所(視床下部)で行われているからです。ホルモンの分泌が乱れると脳が勘違いを起こし、交感神経のバランスまで乱れると考えられています。

汗には交感神経の働きが関与しているので、交感神経のバランスの乱れが多汗症につながっていきます。

月経や妊娠・更年期といったイベントを抱えている女性は特にホルモンバランスの影響を受けやすいとされています。

食生活の乱れによる多汗症

食生活の乱れも多汗症の原因の1つではないかと考えられています。

辛いものを食べすぎたり、熱いものを食べすぎたりすると、交感神経に刺激が伝わります。

この刺激によって汗がたくさん出てきます。

例えば、唐辛子をたくさん食べると唐辛子に含まれる化学物質(カプサイシン)が神経を刺激することで、普段より多めに汗をかきます。みなさんも辛めのカレーを食べて似たようなご経験をなさっていると思います。

また肥満の方は、多汗症になりやすいので、バランスのとれた食生活がとても大切です。たばこやコーヒーの過剰な摂取も多汗症に繋がると考えられているので注意しましょう。

多汗症に当てはまる人とは?セルフチェックリスト

症状から「自分は多汗症ではないのか」「洋服にいつも汗でシミができて困る」「臭いで周囲に迷惑をかけているかもと思うと不安」などとご相談をいただくことも多いです。

自分自身が多汗症なのか、単に “汗かき” なのかがよく分からない方のために、

ご自分で簡単に判断できるようチェックリストを用意いたしました。


もしも2つ以上当てはまったら、多汗症の症状である可能性が高いと考えられます。

2つ以上当てはまった方は、皮膚科へご相談なさることをお勧めします。

多汗症の治療にはどんなものがある?

飲み薬での治療

飲み薬の場合、抗コリン薬というお薬を使っていただきます。

飲み薬によって神経の働きを抑えます。それによって分泌される汗の量を抑えることができます。

ただし副作用として

・喉が渇く

・便秘

・頭痛

が起きやすいことが知られています。

医師や薬剤師にご相談いただいた上で飲み薬をお選びください。

ボトックス注射による脇多汗症の治療

飲み薬は毎日頑張り続ける必要があります。これ、意外と大変です。

面倒なことは嫌、といった方にはボトックス注射がおすすめです。

脇の下にボトックスを打つと、神経の働きを抑えることができます。

これによって過剰な発汗を抑えることが可能です。

注射後数日で汗の量が減りはじめ、効果は半年程度持続します(効果には個人差があります)。治療に伴う副作用としては、

・注射による痛み

・注射部分の筋力の一時的な低下

が挙げられます。

汗が特に気になる季節にだけピンポイントで受けることも出来ますし、効果が薄くなってきたタイミングで再びボトックス注射を受けることで、持続的な効果を保つこともできます。

医師の診察により「症状が重い」と診断された方の場合、健康保険を使ってボトックスをご利用いただくことも可能です。

塗り薬での治療

多汗症の治療として、飲み薬やボトックス注射そして手術(汗の分泌に関わる神経を切断する)がこれまで行われてきました。

しかし、

・飲み薬には全身への副作用の恐れがあること

・ボトックス治療は高額な上に注射の痛みがあること

・手術では患者さんへの負担が大きいこと

などから新しい治療法が期待されていました。

塗り薬での治療

多汗症の治療として、飲み薬やボトックス注射そして手術(汗の分泌に関わる神経を切断する)がこれまで行われてきました。

しかし、

・飲み薬には全身への副作用の恐れがあること

・ボトックス治療は高額な上に注射の痛みがあること

・手術では患者さんへの負担が大きいこと

などから新しい治療法が期待されていました。

そして最近、新しい治療薬(新しい塗り薬)がついに開発されて売り出されました。

それが「エクロックゲル」と「ラピフォート ワイプ」です。

「エクロックゲル」と「ラピフォート ワイプ」はどちらも

・どちらもワキ汗に対する治療薬であること

・健康保険が使えること

・塗り薬なので手軽に使えて痛みもないこと

という大きな特徴があります。


*エクロックゲルについて

エクロックゲルは、日本で初めての健康保険が使える多汗症(ワキ汗)用塗り薬です。

エクロックゲルが登場するまで、一般的なクリニックで健康保険を使って多汗症の塗り薬を処方することはできませんでした。

エクロックゲルは、神経からの「汗を出せ!」という指令を途中でブロックします。

それによって、過剰な発汗を抑える効果が期待できます。

エクロックゲルを使うことで80%の方で汗が抑えられ、60%の方は日常生活に支障が無くなる程度まで、症状が改善したという研究結果も報告されています。

エクロックゲルを使い始めてから効果が出るまでおよそ2週間ほどです。

使い始めてから6週間ほど経ってから効果判定をします。効果があれば使用を継続いただきます。

*緑内障や前立腺肥大症の方、わきに傷や湿疹・皮膚炎などがある方、妊娠中や授乳中の方は、あらかじめ医師・薬剤師に伝えてください。

そのほか、気になる症状があらわれたときは、医師にご相談ください。

*皮膚炎や紅斑、かゆみ、湿疹、あせも、口の渇き

尿が出にくい、尿が近い、光をまぶしく感じる といった副作用が見られることがあります。これらの症状が出た場合は、医師へすぐにご相談ください。

*ラピフォートワイプについて

こちらが今年発売されたばかりの新薬「ラピフォートワイプ」です。

最大の特徴は「1回使い切りの不織布」であることです。

エクロックゲルは「液体」で持ち運びも面倒でした。

ラピフォートワイプの場合、1枚ずつ職場や外出先に持ち運んで簡単に使えます。

また使い切りなので清潔です。

*以下の項目に該当する方は、ラピフォートワイプをご利用なさる前に必ず事前にご相談ください:

・薬や食べ物でアレルギー症状が出たことがある

・閉塞隅角(へいそくぐうかく)緑内障、前立腺肥大症がある

・皮膚に傷や湿疹・皮膚炎などがある

・妊娠または授乳中である

・他に薬などを使っている

*主な副作用として、まぶしい、瞳孔の拡大、眼がかすむ、眼が乾く、尿が出にくい、尿の回数が多い、口が乾く、接触皮膚炎、湿疹などが報告されています。

このような症状に気づいたら、医師または薬剤師に必ずご相談ください。

多汗症は皮膚科で扱う病気ですから、お困りの方は気軽に弊院までご相談ください。

クリニックTENでの治療の流れ

診療科の選択

診療科の選択

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当院は完全 WEB 予約制となっています。 予約ページより皮膚科を選択ください

初診・再診の選択

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初診・再診いずれかを選択ください

予約日時を選択

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診療科目を選択し予約可能な枠からご希望の時間帯をお選びください。予約後は問診にお答えいただきます。

web問診への回答

web問診への回答

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web問診にお答えいただきます。これによって、診察開始前から医師が患者様の状態を把握することができるようになり、クリニック到着後すぐに診察をすることが可能になります。

ご来院 / 受診

ご来院 / 受診

ご来院 / 受診

受付でクレジットカード・保険証を提出いただきます。医師がいる部屋に患者さまが入る、そのような通常のクリニックとは逆転の発想で患者さまにお部屋の枠を予約していただいてそのまま直接診療室にご案内し、そこに医師がお伺いします。問診表を記入したり、待合室で待つ必要はありません。

持ち物

保険証

クレジットカード

事後決済

事後決済

事後決済

事後決済 診察終了後にお会計を待つ必要はありません。決済については、来院時に登録したクレジットカードから引き落としをおこないます。初回来院時に登録したカード情報をその後も利用可能です。

アフターフォロー

アフターフォロー

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診察後には、医師からのコメントを添えた診察内容のまとめを LINE からお送りします。診断病名や、医師のアドバイス、もう一度受診が必要な状況などをいつでも見返すことが可能です。

また、LINE で友達登録をしておけば病院からの連絡、患者さまからの質問と双方向にコミュニケーションをとることができます。

PAYMENT

お支払い方法

当院は完全キャッシュレスでクレジットカードによる支払いのみ対応しております。

まとめ

「手や足・脇などから汗が止まらない」、「日常生活で汗を多くかいて困っている」

このような症状でお悩みなら、まずは当院にお越し下さい。
医師が親切・丁寧に診察させていただきます。

多汗症は当院をご受診ください

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