禁煙外来

正しい方法で、我慢しない禁煙へ

禁煙が健康にいいことは理解しているが、どうしても吸いたくなってしまう。一度は禁煙に挑戦してみようと思って試しに本数を減らしてみたものの、すぐ元に戻ってしまった。こういった経験がある方も多いのではないでしょうか。

禁煙は、医療の助けを借りることで、できるだけ我慢せずに続けることができます。

飲み薬を用いた禁煙治療は、タバコが「吸いたくなくなる」治療です。クリニックに通い始めたその日から禁煙する必要はありません。薬の効果があらわれてくると、タバコを吸っても気分良く感じなく(タバコをまずいと感じるように)なります。

禁煙治療は、手順を守って適切に

禁煙治療は、具体的にはチャンピックスというお薬を飲んでいただくものです。ここだけを切り取ると、どこのクリニックを利用しても、海外通販サイト等で薬を購入しても同じなのではないか?と思われるかもしれません。

当院では、日本循環器学会 禁煙推進委員会発行の「禁煙のための標準手順書」(ガイドライン)に基づいて治療を行います。エビデンスに基づいて作成されたガイドラインに則った診療を行うことで高い効果が期待できますし、条件を満たせば保険適応も可能です。クリニックTENではガイドラインに則り、12週(3か月間)の間に5回の診察を行うプログラムを提供しております。

禁煙は、難しい。

禁煙に挑戦しても、気持ちだけでそれを達成できる人はあまり多くありません。しかし、それは、意思が弱いからでも、やる気が足りていないからでもありません。タバコに含まれるニコチンに依存性があるためです。タバコをやめるとイライラしたり、集中力が保てなくなってしまう、指が震えるといった症状は、ニコチンの依存性によるものです。

タバコをやめられないのは、決してあなたのせいだけではありません。ニコチンの依存性を考えれば、禁煙が難しいのは当たり前なのです。

禁煙のメリット

禁煙は難しい。では諦めていいかというと、決してそういう訳ではありません。そもそもタバコは「百害あって一利なし」の嗜好品と言われています。

タバコにはニコチンやタールをはじめ、50種類以上の発がん性物質が含まれています。喫煙者の方は非喫煙者の方に比べ、肺がんのリスクが約4倍、心筋梗塞などの虚血性心疾患のリスクが約3倍と、日本人の死因の上位にある疾患に罹りやすいとされています。他の疾患に関しても、病院にかかるとまず飲酒と喫煙の状況について質問された覚えがある方も多いのではないでしょうか。それほど喫煙は多くの病気の危険因子とされています。

そしてタバコの害は、喫煙者ご本人だけにとどまりません。喫煙者の近くで生活している方も、タバコから出る副流煙に含まれる物質によって悪影響を受けます。これを受動喫煙といいます。特に小さいお子さんは、乳幼児突然死症候群やぜんそくの危険性が高くなります。

煙は家に入れないようにしている、タバコはベランダで吸っているなどの場合でも、喫煙者と一緒に生活をしているだけで、長時間に渡って発がん性物質を吸い込んでしまうことになります。

これらの問題に対する、最も簡単な解決方法は禁煙です。禁煙をすれば、自分の身体はもちろん、大切な人の命を脅かすことがなくなります。

残念ながら、世の中の喫煙者に対する風当たりは年々強くなっています。年々高くなっていくタバコの値段を考えると、なるべく早くに禁煙をすれば経済的な面から利益も大きいと考えられます。ちょっと考えてみようかな、と言うくらいでも構いませんので、まず禁煙への一歩を踏み出すことが重要です。

禁煙治療の進めかた

初回

まずは今のタバコとの付き合い方や、どのくらい禁煙を強く望んでいるかについて問診を行い、同時に喫煙によって起こっている症状がどれくらいあるかの診察もします。そしてニコチンにどれくらい依存しているかのテストも実施します。また対面診療の場合、吐いた息にどれくらい一酸化炭素が含まれているかを測定し、喫煙の程度の指標にします。

自分がどの程度ニコチンに依存しているのかは、なかなか自分では分かりづらいと思います。上記の診察の結果は、具体的な数値を用いてお伝えしますので、自分の喫煙者としての重症度を明確にすることができます。

これらの問診や診察から、すぐに禁煙しようと考えている、ニコチン依存症と判断された、などのチェック項目を満たした場合に、禁煙治療プログラムを始めることができます。プログラムを始めることになった場合、その場で禁煙を開始する日を決めます。今すぐに治療を始めたいという方が多いですが、そうは言っても本当に禁煙できるのか、途中で挫折してしまわないか不安に思うこともあると思います。治療を行う上での問題点について医師と相談し、その解決策を一緒に考えましょう。うまく禁煙を行うためのアドバイスもいたします。

治療薬としてはチャンピックスという飲み薬、もしくは身体に貼って使うニコチンパッチのどちらかを使用します。副作用や効果などをお伝えし、一どちらを用いるかを話し合って決定します。最後に、約2週間後を目安に次の診察日を決め、初回の診察はおしまいになります。

二回目以降

まずは前回の診察以降、禁煙できていたか、ニコチンをやめたことによる辛い症状(イライラする、不安を感じるなど)はなかったかなど問診をいたします。

また、初回診断と同様、吐いた息に含まれる一酸化炭素の量を測定します。前回よりも数値が下がっていれば、禁煙治療はうまく進んでいるということになります。ただし、加熱式タバコのみを使っている場合、そもそも初回診断の時点で数値が悪くないと言う場合もあります。そのため、基本的には医師による問診と合わせて喫煙状況を判断します。

また、治療に用いている薬の効果や副作用についても確認します。体質に合わない場合には薬の変更も可能です。

禁煙してある程度経過しても、まだタバコを吸いたいと言う強い気持ちが残っている場合があります。不安なことがあれば都度診察の時に医師に相談しましょう。

初回診察から2,4,8,12週間後に診察を行い、最後の再診で禁煙が継続されていることが確認できれば、禁煙治療は成功したということになります。根気強く続けることが重要です。

禁煙治療に用いる薬

治療には、チャンピックスという飲み薬と、ニコチンパッチという貼り薬のどちらかを用います。効果としてはチャンピックスの方が高いとされていますが、一方でバレニクリンには吐き気などの副作用もあります。

一方、やや効果が弱いニコチンパッチの副作用は、貼り薬のため肌が弱い人はかぶれが起こることがあったり、眠りが浅くなったりする程度です。

効果が現れやすいチャンピックスを基本的には用いますが、体質との相性や副作用の程度によっては、ニコチンパッチの方が合っているという場合もあります。不安なことがあればすぐに医師に相談することが大切です。

あなたの禁煙を支える味方です

禁煙はただ身体的な病気の治療ではありませんので、薬を飲んで終わり、という訳にはいきません。どうしてもタバコを吸いたいという思いや、タバコをやめたことの症状の辛さに負けそうになったり、いつになったら禁煙ができるのかと途方に暮れたりすることもあるかもしれません。そんな時、私たちがあなたの一番の味方になります。辛い気持ちを吐き出せる場所があるだけでも、心はずいぶん軽くなるものです。禁煙が完了するその日まで、調子のいい時も挫けそうな時も、全力で禁煙をサポートします。

費用

保険診療の適応が可能な場合には、5回の通院と投薬で、3割負担の場合、2万円程度となります。

参照

喫煙の身体に与える影響に関して

  1. 喫煙の健康影響・禁煙の効果|禁煙推進委員会 – 日本循環器学会

禁煙治療で用いられる薬剤の適応・効果および副作用に関して

  1. Efficacy and Tolerability of Varenicline, an α4β2 Nicotinic Acetylcholine Receptor Partial Agonist, in a 12-Week, Randomized,
  2. Pharmacological interventions for smoking cessation: an overview and network meta-analysis

我が国における禁煙治療の進めかた、および注意事項について

  1. 禁煙治療のための標準手順書 第 7 版