内容監修
駒井 翼
KOMAI TSUBASA
駒井 翼
KOMAI TSUBASA
医師/日本内科学会 認定内科医 /日本心血管インターベンション治療学会 認定医 /心電図検定1級
循環器救急医療の最前線で若手医師として奮闘して参りました。救急車で運ばれてきた患者さんが無事に社会復帰できた瞬間に「猛烈なやりがい」を感じる一方、助けられなかった「生活習慣病の成れの果て」も多く経験しました。 「そうなる前になんとかしたい」と、「友達のように気軽に相談できる」かかりつけ医を目指します。日本人の医療リテラシー向上のため医学教育にも関わっています。
二次性頭痛とはなにか
頭痛の中でも、脳になんらかの異常があり、その結果としておきるものを二次性頭痛と呼びます。場合によっては非常に緊急性が高いため、適切な治療をしなければ命を落とす可能性もある、危険で怖い頭痛です。
二次性頭痛の症状とその特徴
二次性頭痛の症状は原因疾患によって様々ですが、くも膜下出血や脳出血が原因の場合、いままで経験したことのないような激痛が突然起こります。原因疾患によっては頭痛以外にも視野の欠損、嘔吐、発熱など様々な症状がみられます。
二次性頭痛の原因となる代表的な疾患
原因として特に緊急度が高い疾患には、くも膜下出血、脳出血、脳腫瘍、慢性硬膜下血腫、髄膜炎・脳炎などがあります。
くも膜下出血は動脈瘤が破裂しておきるもので、二次性頭痛の代表的なものです。脳出血は血圧が上昇し、脳の細い血管が切れて出血を起こします。脳腫瘍は、脳にできる腫瘍が頭蓋骨の中で成長し、脳を圧迫して頭蓋骨の内部の圧力が上がることで頭痛を起こします。慢性硬膜下血種は、軽い頭の外傷1-3か月の間に頭蓋骨と脳の間に血液が徐々にたまるものです。髄膜炎、脳炎は脳や脳脊髄液に細菌やウイルスが侵入し感染することが原因です。その他、側頭動脈炎や緑内障は早く治療しないと失明の恐れがあるため、注意が必要です。
二次性頭痛を疑ったら
以上のような原因のある二次性頭痛は、頭痛のそもそもの原因を治療しないと生命にかかわることがあります。いつもと明らかに様子の違う場合は、ためらわずに救急外来を受診してください。早期に必要な検査をおこない、診断、適切な治療を行う必要があります。
まとめ
- 二次性頭痛は、頭痛の中でも、脳に異常があり頭痛がおきる場合をいい、非常に緊急性が高く、治療をしなければ、死亡する可能性もあり危険な怖い頭痛である。
- 頭痛が心配な場合はためらわず受診するべきである。
医師コメント
二次性とは、何か明らかな原因があってその結果に起こるという意味です。意味としては二次災害と似ているかもしれません。つまりその頭痛には、対処すべき明らかな原因があるということです。見逃すわけにいかない病気が隠れているかもしれません。大丈夫だろうと見過ごさず、医師に相談するようにしましょう。





