薄毛治療

内容監修

荘子 万可

MARK SOSHI

荘子 万可

MARK SOSHI

医師/日本泌尿器科学会認定専門医

泌尿器科、血液透析科を専門領域として研鑽を積む中で、健康寿命を延ばしより良く生きる (well-being) ことに興味を持ち、男性機能やアンチエイジングに関して造詣を深める。 クリニックTEN では、一般内科外来や健診の他、メンズヘルス外来を担当する

薄毛は治療できる時代へ

薄毛は、加齢によるもの、遺伝によるもの、避けられないものといった印象を持たれがちです。ご自身の家系に薄毛の方が多く、自分も将来そうなるのではないかと心配されている方も多いかと思います。最近少し薄くなってきた、抜け毛が増えた気がするなどの不安はあるが、どのように対処したらいいのか分からないからと、そのままにしていませんか?

しかし実際には、薄毛の進行を遅らせたり、再び髪の毛が生えてくるように促す治療が存在します。いまや薄毛は予防でき、治療できる時代です。ぜひ一度医師にご相談ください。

クリニックTENの薄毛治療

クリニックTENの薄毛治療は、科学的根拠(=エビデンス)に基づいた丁寧な診療・治療が特徴です。治療内容の具体的な説明や副作用のリスクについての説明が十分になされないままに薬だけを処方するというクリニックが多く存在します。もちろん、決められた薬を飲んでいれば一定の効果は得られます。しかし、不安なことや、薬を使い始めてすぐの身体の変化について、それが副作用としてあり得るものなのかを医師に相談できない状態では、安心して治療を続けることはできません。

クリニックTENは治療の内容や料金、副作用についてしっかりと説明を行います。十分に納得いただいたうえでの治療開始をお約束します。

誰もが受けやすい薄毛治療

薄毛治療を扱うクリニックの多くが、中高年の男性をターゲットにしてきました。もちろん、それが薄毛の悩みを抱えやすい層であることは明らかです。一方で、20~30代の男性、および女性にとって薄毛を相談しづらいクリニックが多くあることも事実です。

クリニックTENは、一般の内科・皮膚科の診療も行っています。加えて、完全予約制で待合室での待機が発生しません。「薄毛治療のために通院している」という意識を感じさせず、かつ、プライバシーが保たれる環境をご用意しております。どなたでもお気軽にご相談ください。

薄毛の原因とその治療

薄毛の治療薬にはいくつか種類がありますが、ここではフィナステリド、デュタステリド、ミノキシジルの3種類についてご説明します。

薄毛のそもそもの原因は、ジヒドロテストステロン(以下, DHT)という物質で、男性ホルモンであるテストステロンが変化することでつくられます。DHTは性器の形成をはじめ、身体の正常な機能に欠かせない重要なホルモンですが、一方で毛根に存在する毛母細胞の働きを低下させてしまう作用をもっています。これが、男性型脱毛症(AGA)を引き起こすといわれています。 

最初に挙げたフィナステリド、デュタステリドの2つの薬は飲み薬で、テストステロンをDHTに変える酵素の働きを抑えることで男性の脱毛を予防します。デュタステリドの方がより広い範囲で男性ホルモンの働きを抑えられるため、効果も大きいという報告がなされており、そのため一般的にはデュタステリドを治療薬として用います。

飲み薬の他に、塗り薬であるミノキシジルも治療薬に用いられます。最近は薬局でもミノキシジル含有の外用薬が手に入るため、聞き覚えのある方もいらっしゃるかもしれません。この治療薬は男性だけでなく女性の脱毛症にも使用が可能です。

ミノキシジルは血管を広げる薬です。毛根にある毛包という部分に作用し、毛根の細胞の寿命を伸ばすことで脱毛を防ぐことができるとされています。ただし、治療をやめてしまうと数か月で再び脱毛が始まります。したがって、長期間治療をつづけていくことが必要となります。

薄毛治療の副作用

フィナステリド・デュタステリド使用時に起こりうる副作用

男性型脱毛症の治療薬であるフィナステリド、デュタステリドは、先述のとおりテストステロンをDHTに変える酵素の働きを抑制する薬です。DHTは男性の性機能にもかかわっているため、副作用として勃起能の低下や、乳房がふくらむなどの症状が出ることがあります。

また、薬そのものが肝臓で分解されるため、肝臓の機能障害などが起こることもあります。そのため、投薬を開始して2-4週間後に血液検査を行い、肝臓に異常が起きていないかを確認します。

他の副作用としては、前立腺がんの指標となるPSAという値が本来よりも低く出てしまうというものがあります。しかし、薬自体は少なくとも前立腺がんのリスクを上昇させることはなく、むしろ前立腺がんのリスクを下げる可能性があるという報告もあります。

ミノキシジル使用時に起こりうる副作用

ミノキシジルを始めてほどなくして、一定期間抜け毛が増えることがあり、これは初期脱毛と呼ばれます。なぜ脱毛を抑制する薬なのに全く正反対のことが起こるのか、不安に思う方もいらっしゃるかもしれません。これは、毛根の細胞が活性化され、新しい毛を生やそうとするため、既に生えていた髪の毛が抜け落ちることによる現象だと考えられています。

加えて、塗り薬であるミノキシジルは、薬剤に含まれている化学物質が皮膚にあわない場合があります。そのため一部の方では頭皮のかゆみ、かぶれが起こることがあります。

女性の場合には、ミノキシジルの作用が頭皮だけでなく全身に及ぶことがあり、この場合体毛が濃くなることがあります。

ミノキシジルの濃度が高いほどこれらの副作用が多いとされています。特に女性では多毛症の副作用を考え、なるべく低い濃度の薬から試してみることが重要です。

このように副作用についてご説明することで、治療に対して不安を抱えてしまう方もいらっしゃるかと思います。しかし、そのような説明をしっかりとしたうえで治療を進めることで、実際に副作用と思われる症状が出現した際にも落ち着いて対応が取ることが可能になります。実際には、投薬による身体への変化を定期的にモニタリングしていけば、大きな副作用が出ることはないと考えられています。

副作用の可能性を無視できないからこそ、市販の薬剤やインターネット通販で手に入る商品ではなく、医師と相談したうえで処方される薬の使用を強くお勧めします。

治療の進め方

初回の診察では、まずは現在の薄毛の進行状況を確認させていただきます。

男性は受診時にまず前立腺がんの指標となるPSAの値を測定し、特に問題がなければデュタステリドの内服を開始します。これは先述したとおり、デュタステリドがPSAの値を下げてしまい、今後の検診で正確な数字が分かりづらくなるため、前立腺がんのリスクがある方には処方が難しいためです。デュタステリドの副作用の一つである勃起能低下に関して不安があるようでしたら、別途勃起薬を処方することも可能です。

デュタステリド開始後数週間を目安に採血を行い、肝臓の機能などに支障をきたしていないか検査で確認します。

性機能低下が大きな懸念である場合には、塗り薬のミノキシジルを使うこともできます。ただし、ミノキシジルは長期的に使用することになりますので、時間・費用の面も含めて医師と話し合うことが重要になってきます。

女性の場合はミノキシジルを低濃度から開始します。多毛症などの副作用の心配がありますので、様子をみつつ副作用の心配がなければ濃度を上げていきます。

医師メッセージ

薄毛は男女関わらずボディイメージに直結し、自らの容姿だけでなく日常生活での自信・パフォーマンスにも大きく影響します。巷には色々な増毛治療が溢れていますが、当院では世界各国で数万人を対象に調査が行われ、極めて強いエビデンスが示されている治療のみを厳選して行っています。まずはどのような治療があるのか、話を聞いてみたいというだけでも歓迎いたしますので、どうぞお気軽にご来院ください。

当院における薄毛治療の費用(税込み)

初回

初診カウンセリング:2,750円
初回検査(PSA,肝機能,尿沈渣): 2,750円

2回目以降

再診料: 1,100円
フォローアップ検査(肝機能): 1,100円

処方薬

 参照

薄毛の原因となる物質と、その薬剤による抑制について

  1. Marked suppression of dihydrotestosterone in men with benign prostatic hyperplasia by dutasteride, a dual 5alpha-reductase inhibitor
  2. The importance of dual 5alpha-reductase inhibition in the treatment of male pattern hair loss: results of a randomized placebo-controlled study of dutasteride versus finasteride

薄毛の治療薬に関する効果や、その比較に関して

  1. A requirement for K+-channel activity in growth factor-mediated extracellular signal-regulated kinase activation in human myeloblastic leukemia ML-1 cells
  2. The effectiveness of treatments for androgenetic alopecia: A systematic review and meta-analysis
  3. A randomized clinical trial of 5% topical minoxidil versus 2% topical minoxidil and placebo in the treatment of androgenetic alopecia in men
  4. A multicenter, randomized, placebo-controlled, double-blind clinical trial of a novel formulation of 5% minoxidil topical foam versus placebo in the treatment of androgenetic alopecia in men
  5. The effects of minoxidil, 1% pyrithione zinc and a combination of both on hair density: a randomized controlled trial
  6. A randomized, placebo-controlled trial of 5% and 2% topical minoxidil solutions in the treatment of female pattern hair loss

薄毛の治療薬による副作用やそのリスクに関して

  1. Effect of Dutasteride on the Risk of Prostate Cancer | NEJM
  2. Risk of Prostate Cancer in Men Treated With 5α-Reductase Inhibitors—A Large Population-Based Prospective Study