血算検査

血算とは何か

 血算とは、「全血球計算」の略で、血液に含まれる赤血球や白血球、血小板などを測定するものです。それにより、貧血や白血病、出血しやすくなる病気などが無いかを確認することができます。

各検査値の読み方

 基準値については、施設ごとに異なります。本記事中のものはあくまでも参考値としてお考えください。

RBC

血液中に含まれる赤血球の数を示しています。男性と女性で基準値が異なります。男性は435~555(×104/μL)、女性は386~492(×104/μL)が基準値となっています。

少ない場合は貧血となります。貧血の評価に用いられますが、後述のHbやHct、MCVなどを総合して判断します。また、輸血の必要性の評価にも用いられることがあります。

多ければ多いほど良いという訳ではなく、赤血球が多すぎると血管の中でつまりやすくなってしまうという問題があり、脳梗塞や心筋梗塞につながります。

WBC

血液中に含まれる白血球の数を示しています。基準値は3.3~8.6(×103/μL)もしくは3300~8600(/μL)です。

白血球は免疫のはたらきを持った様々な種類の細胞の総称です。細菌やウイルスの感染を抑えるのに非常に重要なはたらきをしています。

白血球の数が少なければ、細菌やウイルスに感染しやすくなってしまいます。

白血球の数が多い場合は、細菌やウイルスに感染していてそれらと戦うために白血球が増えているか、異常に白血球が作られる白血病の可能性などが考えられます。

Hb

Hbとは「ヘモグロビン」のことで、赤血球の中に含まれていて酸素と結合するはたらきがあります。男性と女性で基準値が異なります。男性は13.1~16.3(g/dL)、女性は12.1~14.5(g/dL)が基準値となっています。

赤血球は酸素を全身に運ぶのが重要なはたらきです。酸素はこのヘモグロビンと結合しているので、赤血球自体の数が正常でもヘモグロビンが少なければ、運べる酸素が少ないので貧血と同じことになります。

Hct

Hctとは「ヘマトクリット」のことで、血液中に占める赤血球の容積の割合を示しています。男性と女性で基準値が異なります。男性は40.7~50.1(%)、女性は35.1~44.4(%)が基準値となっています。

MCV

MCVは「平均赤血球容積」(英語はMean Corpuscular Volume)のことで、赤血球1つ1つの大きさを示しています。基準値は83.6~98.2(fL)です。これは前述のRBCとHtを用いて計算によって求められた値になります。

貧血を考える上で、赤血球の大きさが重要になります。赤血球の大きさの変化に応じて「大球性」「小球性」と正常範囲の大きさである「正球性」の3種類に分類できます。

貧血といっても原因は様々です。それぞれの原因によって、この3種類のうちのどれになるかが大体分かっているので、たくさん考えられる貧血の原因を絞ることができます。貧血の診断や治療を行う上でとても参考になるものになっています。

Plt

血液中の血小板の数を示しています。基準値は14.5~32.9(×104/μL)です。

血小板は出血を止めるはたらきがあり、血小板が少なくなると血が止まりにくくなってしまいます。また、血小板も多すぎると血管が詰まってしまう原因となります。

参考