IPL

内容監修

荘子 万可

MARK SOSHI

荘子 万可

MARK SOSHI

医師/日本泌尿器科学会認定専門医

泌尿器科、血液透析科を専門領域として研鑽を積む中で、健康寿命を延ばしより良く生きる (well-being) ことに興味を持ち、男性機能やアンチエイジングに関して造詣を深める。 クリニックTEN では、一般内科外来や健診の他、メンズヘルス外来を担当する

はじめに

Intense Pulsed Light (IPL) 治療とは光エネルギーをごく短い時間に照射することによって皮膚の血管病変改善、色素沈着改善、肌の色調改善などを行う治療法です。

単一の周波数の光エネルギーしか用いることのできないレーザー治療と異なり、IPL は一度に3種類の異なる波長を照射することができるため一回の照射で複数のターゲットに治療を行うことができ、さらに波長の範囲を調整することによって様々な病変に対応できるのが大きな特徴です。(※1)

当院では IPL 治療にイスラエルの InMode 社製造の機器を用いています。今までの IPL でカバーが難しかった 500-700 nm の波長域でのエネルギーが強く、やけどなどの副作用の原因となる 950 nm 以上の波長域でのエネルギーが弱いという特徴があり、より少ない施術回数と副作用でより大きな効果が得られるのではないかと考えられます。

クリニックTEN 渋谷 ではむやみに IPL 治療を行うのではなく、そのメリット・デメリットをご理解いただき、きちんとした効果が得られると考えられた方だけに治療が行えるよう、皆様に事前のご説明と同意書の作成を必ず行うようにしています。

期待される効果

色素沈着

IPL 治療は顔の色素沈着に治療効果を発揮します。例えば肝斑という目元にできるシミに対しては 3週間の間隔をあけて4回治療を行うことで 77.5% の患者さんで改善が認められたと報告されています。(※2)

血管病変

IPL はその異なる波長域のエネルギーにより毛細血管拡張、酒さ、単純性血管腫、クモ状母斑、紅皮症といった、皮膚の近くにある血管によって起こる「赤いシミ」や「赤ら顔」の治療に効果的であったと報告されています。
例えば、単純性血管腫に対しては1回の IPL 治療で25-50% 程度症状が改善、(※1) 酒さに対しては3週間ごと4回の治療で半数の患者さんで症状が改善(※3)、紅皮症に対しては3週間ごと5回の治療で64.7%の患者さんで完全に症状が消失したと報告されています(※4)。
これらの治療後に一時的に青いシミのようにみえることがありますが、それは正常に原因血管が処置されているサインですのでご安心下さい。

スキン・リジュビネーション

Skin Rejuvenation とは皮膚の色調改善やしわ改善による肌の加齢性変化の抑制のことを指します。3-4週間の間隔で4回の IPL 治療を行うことで 91.4% の患者さんで肌質が改善し、89.5% の患者さんは自覚的に「肌質が改善した」「肌質がとても改善した」と感じたと報告されています(※5)。

治療による有害事象

有害事象とは正しく治療を行っていても起こりうる副作用のことを指します。
当院では IPL 治療による副作用が発生しないように細心の注意を払って診断・治療しますが、それでもある一定の確率で有害事象は発生しえます。

疼痛

疼痛とは治療に際して起こる「痛み」のことを指します。IPL 治療での疼痛は一般的にあまり強くはないですが (ゴムで弾かれるような痛みと形容されることが多いです) ほぼ全例で起こりますので、施術中にあまりに痛みが強いときはお知らせ下さい。

腫脹・紅斑

腫脹とは治療後に一時的に起こる顔の腫れ、紅斑とは顔の赤みのことを指します。IPL 治療直後から数日は顔が腫れたり、少し赤くなったりすることがあります。

水疱・痂皮形成

もともとの肌の色が濃かったり、肌が薄かったりすると火傷を起こしてしまい水疱 (水ぶくれ) が起こったり痂皮形成 (かさぶたができること) を引き起こす可能性があります。水疱ができた部位を引っ掻いたりすると細菌感染をきたしたりそれが跡を残したりすることがありますのでその際は必ず当院皮膚科の受診をお願いいたします。

色素沈着・色素脱落

もともとの肌の色が濃かったり、日焼けをしている人に IPL 治療を行うと色素が照射部位だけ抜けてしまう色素脱落が起こったり、逆に色素沈着が起こったりすることがあります。これは治療前に治療にあった皮膚質かをきちんと診断することで概ね防ぐことができます。

上記の副作用は一時的なものであることがほとんどですが、仮に起こってしまった場合は クリニックTEN 渋谷 の皮膚科の保険診療で最も適切と思われる治療を行います。

TENでの治療の流れ

①カウンセリング

施術前に、気になる症状や希望の治療内容などについて医師がお話を伺います。ご不明な点はお気軽にご質問ください。

②照射

治療する部分にジェルを塗り、光を照射します。施術は15-30分程度で終わります。ゴムでパチンと弾かれた程度の痛みです。
※原則麻酔は不要ですが、ご希望の方は事前問診に「麻酔希望」とご記入の上、予約時刻の30分前にご来院ください。

③施術後

ジェルを拭き取った後、お帰りいただけます。(※洗顔が可能な洗面所はございません)
施術直後でも効果は実感いただけますが、1~2週間経つとより効果を実感いただけます。3週間以上時間をあけて、再度治療をいただくとより効果的です。

④アフターケア

施術後に気になることがあれば、LINEでお気軽にご相談ください。ガウディスキン/トラネキサム酸もセットで併用するとより一層の効果が見込めます

施術後の注意事項

  • 治療終了後は日焼けをしやすくなりますので、できる限り日光を避け、日焼け止めを使用することを推奨します。
  • 反応したシミが一時的に濃くなってカサブタになります。
  • カサブタを無理に剥がさず、はがれ落ちることを待ってください。
  • 1〜2週間は着色が濃くなる場合があります。(治療後の正常な反応で血管が固まるため)
  • 治療した箇所が腫れたり赤くなったりする場合があります。
  • 治療したところは必ず日焼け止めを塗って紫外線対策を行なってください。
  • 副作用(痛み、赤み、色素沈着、紫斑など)が気になる場合は医師へすぐにご連絡ください。

治療期間・回数

治療期間 1〜5ヶ月

治療回数 1〜5回

標準的な費用(コース・期間によって金額は変動します)

費用の総計 13,200〜94,160円(税込)

料金(税込)

※当院では顔のみの照射とさせていただいております

  • 初診の場合  平日:13,200円 土日祝:14,960円(照射後パック付き)
    ※カウンセリングのみ(施術無し)の場合は、2,750円
  • 2回目以降(単回)  平日:17,600円 土日祝:19,800円(照射後パック付き)
    ※麻酔をご希望の場合は別途2,200円

受診(初診・再診)から1ヶ月以内のご来院(または決済)

  • 3回分チケット ¥49,500  ※通常価格より9,900円OFF
  • 5回分チケット ¥77,000   ※ 通常価格より22,000円OFF

※セットを使い終わった後、再度1ヶ月以内にご来院(または決済)いただければ何度でも割引での購入が可能です。

受診(初診・再診)から1ヶ月以降のご来院(または決済)

  • 3回分チケット ¥57,750  ※通常価格より1,650円OFF
  • 5回分チケット ¥93,500   ※通常価格より5,500円OFF

処方薬についての記載

(在庫状況により、製品や料金が異なる場合がございます。詳細はお問い合わせください。)

よくある質問

何回で効果を実感できますか?

A. シミに対しては1回で効果を感じて戴けることが多いです。その他の効果に関しても、2-3回の治療で効果をご実感される患者様がほとんどです。

Q. 痛みはありますか?

A. ゴムではじかれるような痛みがあります。個人差が大きいですが、患者様のお肌に合わせて光のパワーを調整いたします。治療中の痛みや違和感についてはご遠慮なくお申し付けください。

Q. 副作用はどのようなものがありますか?

A. 施術後の一時的な発赤の他、軽いやけどのようになることがありますが、それらの副作用に対しては当院皮膚科(保険診療)で対応致します。

Q. 自分のお肌の悩みにIPLは適しているでしょうか?

A. 当院は保険診療もおこなっております。医師が丁寧な問診・診察を行い症状をお調べいたします。症状に合わせて他の治療もご提案いたしますのでお気軽に受診ください。

Q. 他の美容施術を受けている場合は、どのくらい間隔を空けたほうがいいですか?

A. 3週間程度間隔を空けていただくことをお勧めします。施術されたクリニック・サロンにご確認ください。

Q. 照射時に麻酔をしてもらうことは可能ですか?

A. 別途2,200円(税込)で麻酔可能です。事前web問診で「麻酔希望」と記載の上、予約時刻の30分前にお越しください。

未承認機器の記載に関して

当院のIPL治療で使用しているLUMECCAは医薬品医療機器等法上の承認を得ていない未承認医療機器です。

入手経路

当院で使用しているLUMECCAは国内販売代理店経由でイスラエルの InMode 社で製造されたものを当院で輸入しております。

国内承認医薬品等の有無

国内においては同一の作用で承認されている医療機器はありません。IPLというカテゴリーにおいてはM22やノーリスなどの国内承認機が存在します。

諸外国における安全性等に係る情報

米国のFDA(アメリカ食品医薬品局」およびCEマークに承認されています。

副作用のリスクとしては局所的な痛み、紅肝、腫れ、皮膚が硬くなる、水ぶくれ、火傷などの皮膚のダメージ、色素沈着が報告されていますがLUMECCA特有の副作用というより、IPL治療における一般的なリスクとなります。

※掲載内容・料金はホームページ更新時点での情報の場合がございます。最新の料金や内容はLINEにてお問いせください。

参考文献一覧

1. Babilas P, Schreml S, Szeimies RM, Landthaler M. Intense pulsed light (IPL): a review. Lasers Surg Med. 2010;42(2):93-104.

2. Li YH, Chen JZ, Wei HC, Wu Y, Liu M, Xu YY, et al. Efficacy and safety of intense pulsed light in treatment of melasma in Chinese patients. Dermatol Surg. 2008;34(5):693-700; discussion -1.

3. Taub AF. Treatment of rosacea with intense pulsed light. J Drugs Dermatol. 2003;2(3):254-9.

4.  Madonna Terracina FS, Curinga G, Mazzocchi M, Onesti MG, Scuderi N. Utilization of intense pulsed light in the treatment of face and neck erythrosis. Acta Chir Plast. 2007;49(2):51-4.

5. Li YH, Wu Y, Chen JZ, Gao XH, Liu M, Shu CM, et al. Application of a new intense pulsed light device in the treatment of photoaging skin in Asian patients. Dermatol Surg. 2008;34(11):1459-64.