
内容監修
山東 典晃
Noriaki L. Santo
山東 典晃
Noriaki L. Santo
医師
筑波大学医学群医学類卒業。国立病院機構機構東京医療センター泌尿器科に入局、埼玉医科大学国際医療センター泌尿器科助教を経て、現在、東京医療センター臨床研究センター研究員。ハーバード大学 ICRT Program 修了。
施術概要
「針を使わない肌育注射、痛みとダウンタイムの少ない、ターゲットクール療法」

ターゲットクール療法はさまざまな薬液 (肌育製剤や発毛製剤など) を、肌育注射と比較して痛みとダウンタイムを少なく肌に導入できる治療です。
この治療は、ターゲットクールという機器を用いて炭酸ガス (CO₂) を冷却し、薬剤を極小の氷の粒にして高速で皮膚に噴射することで、針での注入を行わずに肌に浸透させる治療法です。
そのため、従来の肌育注射と比較して痛みが少なく、治療後の赤みや腫れといったダウンタイムも抑えられることが期待されます。
この治療法を用いることで、本来は注射でしか薬液を注入できなかった皮膚の深い層 (表皮深層から真皮中層) まで、薬液をしっかりと届けることができます。
当院の取り扱い薬剤
「ターゲットクール療法では使用する薬剤によって様々な効果を期待することができます。」
肌育治療

育毛治療 (男性 AGA/ 女性薄毛)

ターゲットクール療法ならクリニックTEN渋谷をご受診ください
使用薬剤概要
当院では以下の薬剤を使用することができます。

ジュベルック
ジュベルックは PDLLA (ポリ-DL-乳酸) を主成分にした薬剤です
PDLLA という成分を肌の中に注入すると、肌のコラーゲン生成が改善され、特に
・シワの改善
・たるみの改善
に強い効果が発揮されると考えられます。
例えば、PDLLA 製剤の効果に関する260人を対象にした比較試験では、ヒアルロン酸注入グループと比較して PDLAA 製剤を注入したグループで6週間後のシワの改善率が高く、67.6% の改善が見られました。また、この効果は比較的長く続き、特にコラーゲン産生効果は1-2年程度と長続きした*1と報告されています。

リジュラン
リジュランは PN (ポリヌクレオチド) を主成分にした薬剤です。
PN という成分を肌の中に注入すると、皮膚再生を改善させ、
・ 肌の弾力の向上
・質感の向上
・小じわの改善
が得られることが報告されています*2。
例えば146名を対象とした PN 製剤の試験では、肌弾力の改善、保湿レベルが向上した*2と報告されています。

ボトックス
ボトックスはボツリヌストキシンと呼ばれるボツリヌス菌が産生する筋収縮を抑制する成分です。
ボトックスを皮下に注入することで、汗腺の作用が抑制され、毛穴退縮、頬の赤みの改善などがはかれます。また、皮脂の分泌抑制から、肌のなめらかさ、オイリー肌の改善が得られることが報告されています*3。

ミノキシジル
ミノキシジルは、男女を問わず脱毛症の治療に有効で、主に頭皮への外用 (塗布) によって効果を発揮します。近年では、ミノキシジルを頭皮に注入する「メソセラピー」による発毛効果も報告されており*4、毛包 (毛の根元部分) におけるミノキシジル濃度を高めることでより高い効果と同時に全身への副作用を抑える可能性があるとされています。
例えば、54人を対象にしたランダム化比較試験では、ミノキシジルを使用した群で対照群と比較して毛量の増加、脱毛の減少が確認されています*4。

炭酸ガス
炭酸ガスを単独で皮膚に注入することでも様々な治療効果が報告されています。
例えば、炭酸ガスによるボーア効果での発毛作用が報告されており、円形脱毛症の改善、その他薬剤との併用で発毛したことが報告されています*5。
また、ニキビの改善効果も報告されており、週1回4週間の治療で赤色丘疹 (赤ニキビ) が 90% 退縮したことが報告されています*6。
FLOW
ターゲットクール療法の流れ
1 予約・WEB 問診回答

1 予約・WEB 問診回答
当院は完全 WEB 予約制です。 面倒な会員登録はなく、LINE と連携、友達登録することでたった1分で予約が完了します。 診療科目を選択し、予約可能な枠からご希望の時間帯をお選びください。
2 カウンセリング

2 カウンセリング
医師が肌状態を診察しターゲットクール療法が適切かを判断します。
持ち物
保険証
3 施術部位のメイクオフ

3 施術部位のメイクオフ
クレンジングは拭き取りシートのみご用意しています。 肌が弱い方は使い慣れたものをご持参ください。 洗顔スペースを設けていないため、施術当日はノーメイクでのご来院にご協力ください。
4 施術

4 施術
薬剤を機器を用いて極小の氷の粒にして肌に噴射します。治療範囲によって個人差がありますが、施術時間の目安は30分です。
ターゲットクール療法ならクリニックTEN渋谷をご受診ください
施術詳細
施術にかかる時間 | 30分程度 ※カウンセリングや施術内容によって個人差があります。 |
施術回数・期間・費用の目安 | 回数:1-3回 ※使用薬剤により異なります 期間:1-6ヶ月程度 費用:19,800円〜90,000円 |
入浴・洗顔 | 施術当日より可能 |
メイク | 施術後3〜4時間後より可能 ※ グリコール酸ピールを併用した際のみ、翌日からのメイク可となります。 |
治療後の注意点 | 施術直後は肌の刺激にならないよう、施術部位をこすったり、直接紫外線に当たったりしないようにしてください。 治療終了後3-4時間の間は化粧や日焼け止めを使用しないようにしてください。 施術直後の激しい運動やサウナ、入浴、過度な飲酒などの血流を促進する行動は避けてください。 |
ターゲットクール療法による有害事象 | 有害事象とは正しく治療を行っていても起こりうる副作用のことを指します。当院ではターゲットクール療法による有害事象が起こらないように細心の注意を払って診断、治療を行っており、一般的に有害事象は極めてまれですが、それでもある一定の確率で発生しえます。 [疼痛] 疼痛とは治療に際して起こる「痛み」のことを指します。ターゲットクール療法での疼痛は一般的にごくわずかですが、冷却された炭酸ガスによる痛みを感じることがありますので施術中に違和感がある時はお知らせ下さい。 [腫脹・紅斑] 腫脹とは治療後に一時的に起こる顔の腫れ、紅斑とは顔の赤みのことを指します。ターゲットクール療法での出現は稀ですが、およそ 8% 程度の方で一時的な赤みが出ると報告されています。 [創傷形成] 一般的にクライオセラピーという治療において、過度の冷却を行うことで肌に傷ができてしまう創傷形成を来す可能性が稀にありますが、ターゲットクール療法での出現は稀と考えられます。 [白斑症] 一般的にクライオセラピーという治療において、冷却で色素を生成するメラノサイトが抑制されてしまい皮膚がまだらに白くなる白斑症が起こる可能性がありますが、ターゲットクール療法での出現は稀と考えられます。 [色素沈着] 一般的にクライオセラピーという治療において、冷却刺激により炎症が惹起されそれによる炎症性色素沈着が起こる可能性がありますが、ターゲットクール療法での出現は稀と考えられます。 |
各種薬剤による有害事象 | ターゲットクール療法において、各薬剤に由来する有害事象が起こる可能性があります。 全ての薬剤に共通して起こりうる副作用としてアレルギー反応があります。特に重篤なアレルギーであるアナフィラキシーの可能性は低いものの全くのゼロではありません。治療後に噴射部位の強いかゆみや息苦しさなどの症状が出現した場合はすぐに受診するか救急要請を行なってください。 【ジュベルック・リジュランによる特異的な有害事象】 [しこり] ジュベルックやリジュランを始めとする PDLLA 製剤・PN 製剤を皮膚に注入した際に、ごく稀に強い反応が起こりそれによるしこりが起こる可能性があります。一般的にターゲットクール療法での投与ではこれらの副作用は頻度は低いと考えられています。 【ボトックスによる特異的な有害事象】 [筋萎縮] 大量のボトックスが皮膚の深い部位に注入されることで筋萎縮が起こる可能性がありますが、一般的に真皮層までの浸透であるターゲットクール療法での発生は極めて稀と考えられます。 [ボトックス抗体の生成による効果の低減] 一般的にボトックス治療を繰り返すことで神経筋接合部の破壊が促進され効果が増強されることが多いと報告されていますが、一方で多量のボトックスを投与することでボトックス抗体が生成され効果が低減する可能性が示唆されています。 しかし、一般的にターゲットクール療法で使用するボトックス量は抗体生成を起こす量よりも遥かに少なく、長期間の使用でも可能性は低いと報告されています。 【ミノキシジルによる特異的な有害事象】 [多毛] ミノキシジルによって治療部位の予想以上の多毛 (毛が多くなってしまうこと) が起こる可能性があります。 【有害事象が起った場合】 上記の副作用は一時的なものであることがほとんどですが、仮に起ってしまった場合は当院で最も適切と思われる治療を行いますので、ご連絡・ご予約をお願いいたします。 |
ターゲットクール療法ならクリニックTEN渋谷をご受診ください
参考文献一覧
*1. Magacho-Vieira FN, et al. Clin Cosmet Investig Dermatol. 2024 Dec 4;17:2755-2765. doi: 10.2147/CCID.S497691. PMID: 39654687; PMCID: PMC11626391.
*2. Cavallini M, et al. J Cosmet Dermatol. 2021 Mar;20(3):922-928. doi: 10.1111/jocd.13679. Epub 2020 Sep 21. PMID: 32799391; PMCID: PMC7984045.
*3. Fabi SG, et al. Aesthet Surg J. 2023 Aug 17;43(9):1015-1024. doi: 10.1093/asj/sjad044. PMID: 36857534; PMCID: PMC10481112
*4. Aledani EM, et al. Cureus. 2024 May 5;16(5):e59705. doi: 10.7759/cureus.59705. PMID: 38841017; PMCID: PMC1115236
5. Doghaim NN, et al. J Cosmet Dermatol. 2021 Mar;20(3):922-928. doi: 10.1111/jocd.13679. Epub 2020 Sep 21. PMID: 32799391; PMCID: PMC7984045.
6. Hong JY, et al. Skin Res Technol. 2024 Sep;30(9):e70045. doi: 10.1111/srt.70045. PMID: 39221850; PMCID: PMC11367662.
未承認医療機器・未承認医薬品等を用いた治療について
- 未承認医薬品・医療機器であることの明示
ターゲットクールは日本国内における医薬品医療機器等法上の承認を得ていない未承認医療機器です。(各国における医療機器承認番号:FDA510k K230599、CE MDD:2021-MDD QS-007、MFDS 21-69) ジュベルック、リジュランは医薬品医療機器等法上の承認を得ていない未承認医薬品です。 - 入手経路の明示
ターゲットクールは株式会社 INFIX を通じて韓国 RecensMedical, Inc. 社の製品を輸入しています。ジュベルックは株式会社 MedPlus を通じて韓国 VAIM Co. Ltd 社の製品を輸入しています。リジュランは株式会社 MedPlus を通じて韓国 Rejuran 社の製品を輸入しています。 - 国内の承認医薬品等の有無の明示
国内に同一の成分や性能を有する他の国内承認医薬品医療機器等はありません。 - 諸外国における安全性等に係る情報
諸外国において治療による重大な有害事象の報告はありません。 - 医薬品副作用被害救済制度について
万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。