いんきんたむし

内容監修

石黒 剛

GO ISHIGURO

石黒 剛

GO ISHIGURO

医師

大学在学時から現在の病院中心の医療システムに疑問を持ち、 日常生活に医療を提供するシステム作りをミッションに掲げる。 2019年、訪問診療専門の「いしぐろ在宅診療所」を兄と二人で開業。 クリニックTENでは、働く世代に焦点を当て、生活に溶け込む医療機関の実現を目指す。

いんきんたむしとはなにか

 全身の皮膚のどこかに白癬菌(はくせんきん)というカビの仲間が感染して皮膚に異常が起きたものをたむしと言います。そのうち、股間やその周り、股、お尻、太ももなどにできたものを「いんきんたむし」と言います。正式には股部白癬(こぶはくせん)と言います。

 この白癬菌というカビの仲間は、水虫の原因にもなるものです。白癬菌が原因となる皮膚の病気の中で、いんきんたむしは水虫の次に多いものになっています。

 患者さんは、思春期以降から20代30代の若い男女が多くなっています。

いんきんたむしの症状とその特徴

いんきんたむしの症状は、股間やその周りに丸く赤い小さな発疹が現れて、それが広がっていき、強いかゆみを伴います。また、痛みを感じる場合もあります。

皮膚のこすれが多い部分に起こりやすく、太ももの内側などによく起こります。

いんきんたむしの治療と注意点

 いんきんたむしは、白癬菌を顕微鏡で確認することで診断します。疑わしい症状があったら、病院を受診して確認してもらうようにしましょう。

 顕微鏡で白癬菌を確認できた患者さんには、カビに対する薬である抗真菌薬の塗り薬を使っていただきます。治療期間は1か月から4か月くらいかかります。いんきんたむしは再発しにくいと言われているので、しっかりと治療を続けることが大切です。

 股にできた場合は、こすれが原因の湿疹が同時に起こっていることもあり、一時的にステロイドの塗り薬も使うことがあります。

 皮膚が汚かったり、蒸れたり、こすれたりすると悪化します。下着は通気性の良いものにし、きつい洋服は避けるようにしましょう。

いんきんたむしは他人にうつりますか?

 いんきんたむしは人にうつります。水虫やいんきんたむしなど白癬菌に感染している人が家族にいると、その家族からうつることも多いです。自分がなった場合は、他の家族にうつさないようにしっかりと治療しましょう。家族以外からの感染としては、公衆浴場や街中の洋式トイレなどで感染することもあります。また、性行為で感染することもあります。

 家族にうつさないためには、しっかり治療を受けるほか、日常生活ではタオルの共有はしないように気をつけることなどが重要です。

まとめ – 167字

・いんきんたむしは、白癬菌というカビの仲間が股間のあたりに感染して起こり、股間やその周り、股、おしり、太ももなどに症状が出ます。
・丸く赤い発疹が出て、強いかゆみがあります。
・白癬菌が顕微鏡で確認された場合、抗真菌薬という薬を使います。
・治療には1か月から4か月くらいかかります。

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