月経移動

内容監修

草壁 広大

KODAI KUSAKABE

草壁 広大

KODAI KUSAKABE

医師/日本産科婦人科学会認定 産婦人科専門医

東京慈恵会医科大学医学部を卒業、国立病院機構 東京医療センターでの初期臨床研修を経て、東京慈恵会医科大学 産婦人科学講座に入局。産婦人科専門医を取得後、同講座の助教を経て、現在は千葉西総合病院産婦人科に勤務。当院では婦人科診療全般の監修および毎週火曜の婦人科外来を担当。

①月経移動とは

仕事や旅行、試験などの社会的理由や、女性アスリートの練習・試合のためのコンディショニング、他の疾患の治療に伴う出血を防ぐという医学的理由など、様々な場面で月経周期のコントロールが必要となることがあります。

月経周期は、性ホルモン薬を使用して調節することが可能です。

調節に使用する薬剤は大きく分けて2種類あり、中用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬 (EP配合薬)、経口避妊薬 (OC) があり、当院ですとプラノバールやマーベロンなどがそれに当たります。

EP 配合薬は不正出血の副作用は少ないですが嘔気や胃部不快感が出ることがあります。
一方、OCは不正出血の頻度がやや多いですが、消化器症状の出現は少ないです。

調節方法は下記の3通りがあります。

  1. 月経周期を短縮する場合
    生理の始まる3-5日目から EP配合薬または OCを10日間以上内服する。
  2. 卵胞期 (生理が終わって次の排卵があるまでの期間) に月経周期を延長する場合
    生理が始まってから7日目以内に EP 配合薬または OC を飲み始め、遅らせたい時期まで内服する。
  3. 黄体期 (排卵から次の生理が始まるまでの期間) に月経周期を延長する場合 (次回の生理が予測できる方)
    生理予定の3~7日前から EP 配合薬を飲み始め、遅らせたい時期まで内服する。

いずれの場合も、内服終了後2~5日後に消退出血 (性ホルモン薬による月経) が起こります。

一般に、月経周期を短縮する方法は開始できる時期が限られており月経移動の失敗が多いので、通常は延長する方法を選択することが多いです。

一方で、黄体期に延長を試みる場合、排卵後の服用開始となるため、常に妊娠の可能性に注意する必要があります。薬剤の選択や、調節方法につきましては、実際の診療の際に担当医とご相談ください。


②価格

月経移動は原則自費診療となります。使用する薬剤や用法用量により異なりますが、5,500~9,900円(税込)となります。詳細は受診時に医師にご相談ください。
なお再診料は1,100円(税込)となります。

③自費処方薬

薬剤名プラノバール配合錠マーベロン28
効果・効能
作用機序
排卵抑制作用を主作用とし、子宮内膜変化による舟床阻害作用及び頸管粘液変化による精子通過阻害作用等により月経発来を抑制する排卵抑制作用を主作用とし、子宮内膜変化による舟床阻害作用及び頸管粘液変化による精子通過阻害作用等により月経発来を抑制する
有効成分日局ノルゲストレル、日局エチニルエストラジオールデソゲストレル、日局エチニルエストラジオール
製造販売元あすか製薬オルガノン
処方価格
(税込み概ね1 回分)
4,400 円28錠4,400 円
服用方法 1日1錠を毎日一定の時刻に、医師の指示に従って内服
①月経周期を短縮する場合
生理の始まる3-5日目から10日間以上内服する。
②卵胞期 (生理が終わって次の排卵があるまでの期間) に月経周期を延長する場合
生理が始まってから7日目以内に飲み始め、遅らせたい時期まで内服する。
③黄体期 (排卵から次の生理が始まるまでの期間) に月経周期を延長する場合 (次回の生理が予測できる方)
生理予定の3~7日前から飲み始め、遅らせたい時期まで内服する。
1日1錠を毎日一定の時刻に、医師の指示に従って内服
①月経周期を短縮する場合
生理の始まる3-5日目から10日間以上内服する。
②卵胞期 (生理が終わって次の排卵があるまでの期間) に月経周期を延長する場合
生理が始まってから7日目以内に飲み始め、遅らせたい時期まで内服する。
服用の注意点・毎日一定の時刻に服用すること。
・飲み忘れ等がないよう服用方法を十分注意する。
・毎日一定の時刻に服用すること。
・飲み忘れ等がないよう服用方法を十分注意する。
効果が出る時間服用開始から1 週間程度服用開始から1 週間程度
標準的な治療期間1週間程度から症状や希望に応じて期間が変動する。1週間程度から症状や希望に応じて期間が変動する。
標準的な治療回数患者の状況により1回ごとに行う患者の状況により1回ごとに行う
標準的な費用の総計
(治療1回あたりの概算金額)
用法用量により異なるが、5,500~9,900円程度用法用量により異なるが、5,500~9,900円程度
併用注意薬副腎皮質ホルモン、三環系抗うつ剤、セレギリン塩酸塩、シクロスポリン、オメプラゾール、リファンピシン、バルビツール酸系製剤、ヒダントイン系製剤、カルバマゼピン、ボセンタン、モダフィニル、トビラマート、テトラサイクリン系抗生物質、ペニシリン系抗生物質、テルビナフィン塩酸塩、Gn-RH誘導体、血糖降下剤、ラモトリギン、モルヒネ、サリチル酸、HIVプロテアーゼ阻害剤」非ヌクレオンド系逆転写酵素阻害剤、フルコナゾール、ボリコナゾール、アセトアミノフェン、セイヨウオトギリンウ含有食品副腎皮質ホルモン、三環系抗うつ剤、セレギリン塩酸塩、シクロスポリン、オメプラゾール、テオフィリン、チザニジン塩酸塩、リファンピシン、バルビツール酸系製剤、ヒダントイン系製剤、カルバマゼピン、ボセンタン、モダフィニル、トビラマート、テトラサイクリン系抗生物質、ペニシリン系抗生物質、テルビナフィン塩酸塩、Gn-RH誘導体、血糖降下剤、ラモトリギン、モルヒネ、サリチル
酸、HIVプロテアーゼ阻害剤」非ヌクレオンド系逆転写酵素阻害剤、フルコナゾール、ボリコナゾール、アセトアミノフェン、セイヨウオトギリンウ含有食品
服用禁忌・本剤の成分に対し過敏性素因のある女性
・エストロゲン依存性悪性腫瘍(例えば、乳癌、子宮内膜症)、子宮頭症及びその疑いのある患者
・診断の確定していない異常性器出血のある患者
・血栓性静脈炎、肺塞栓症、脳血管障害、冠動脈疾患又はその既往歴のある恵者
・35歳以上で1日15本以上の喫煙者
・前兆(関輝暗点、星型閃光等)を伴う片頭痛の患者
・肺高血圧症又は心房細動を合併する心臓弁膜症の患者、亜急性細菌性心内膜炎の既往歴のある心臓弁膜症の患者
・血管病変を伴う糖尿病患者(糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症等)や、血栓性素因のある女性
•抗少>脂質抗体症候群の惠者
・手術前4週以内、術後2週以内、産後4週以内及び長期間安静状態の恵者
・重篤な肝障害、肝腫場、脂質代謝異常、高血圧のある患者(軽度の高血圧の患者を除く)
・耳硬化症の憲者
・妊娠中に黄疸、持続性そう症又は妊娠ヘルペスの既往歴のある患者
・妊婦又は妊娠している可能性のある、または授乳中の女性
・骨成長が終了していない可能性がある女性
・本剤の成分に対し過敏性素因のある女性
・エストロゲン依存性悪性腫瘍(例えば、乳癌、子宮内膜症)、子宮頭症及びその疑いのある患者
・診断の確定していない異常性器出血のある患者
・血栓性静脈炎、肺塞栓症、脳血管障害、冠動脈疾患又はその既往歴のある恵者
・35歳以上で1日15本以上の喫煙者
・前兆(関輝暗点、星型閃光等)を伴う片頭痛の患者
・肺高血圧症又は心房細動を合併する心臓弁膜症の患者、亜急性細菌性心内膜炎の既往歴のある心臓弁膜症の患者
・血管病変を伴う糖尿病患者(糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症等)や、血栓性素因のある女性
•抗少>脂質抗体症候群の惠者
・手術前4週以内、術後2週以内、産後4週以内及び長期間安静状態の恵者
・重篤な肝障害、肝腫場、脂質代謝異常、高血圧のある患者(軽度の高血圧の患者を除く)
・耳硬化症の憲者
・妊娠中に黄疸、持続性そう症又は妊娠ヘルペスの既往歴のある患者
・妊婦又は妊娠している可能性のある、または授乳中の女性
・骨成長が終了していない可能性がある女性
副作用血栓症、不正出血、乳房緊満感、発疹、浮腫、体重増加、悪心・嘔吐、食欲不振、胃痛、頭痛、眠気、倦怠感、ざ瘡、熱感、腰痛、肩こり、冷感血栓症、下腹部痛、乳房緊満感、悪心・嘔吐

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④受診の流れ

予約・WEB 問診回答

当院は完全 WEB 予約制となっています。 面倒な会員登録はなく、LINE と連携、友達登録することでたった1分で予約が完了します。 「婦人科」を選択し、予約可能な枠からご希望の時間帯をお選びください。予約後はそのまま問診にお答えいただきます。

来院 / 受診

受付でクレジットカード・保険証を提出いただきます。 医師がいる部屋に患者さまが入る、そのような通常のクリニックとは逆転の発想で患者さまにお部屋の枠を予約していただいてそのまま直接診療室にご案内し、そこに医師がお伺いします。問診表を記入したり、待合室で待つ必要はありません。

【持ち物】
・保険証
・クレジットカード

事後決済

事後決済 診察終了後にお会計を待つ必要はありません。決済については、来院時に登録したクレジットカードから引き落としをおこないます。初回来院時に登録したカード情報をその後も利用可能です。

アフターフォロー

診察後には、医師のコメントを添えた診察内容のまとめを LINE からお送りします。

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④リスク・副作用・合併症について

  • 月経移動に関する診察は全て自費診療となります。
  • 性ホルモン薬の内服により不正性器出血、嘔気、胃部不快感などの副作用が生じる可能性があります。
  • 妊娠中に性ホルモン薬を短期間服用した場合の母体及び胎児に対する影響は明らかになっていません。
  • 授乳中の方は乳汁分泌の減少と乳児の成長に影響を及ぼす可能性があるため、産褥6ヶ月までは使用できません。予定手術のために月経移動を行う場合は、血栓症のリスクが上昇するため、術前4週間は性ホルモン薬を使用せず、1周期前の月経を調節することになります。
  • 女性ホルモン依存性の悪性腫瘍、脳卒中、血栓症の既往がある方など、性ホルモン薬の処方が禁忌に該当する方は対応不可となります。

お問い合わせ先:support@clinicten.jp