急性膵炎

急性膵炎とはなにか

膵臓は食べ物を消化するのに必要な消化酵素を作っています。本来であれば、食べ物を消化するはずの消化酵素が、なんらかのきっかけで膵臓自体を消化して溶かしてしまう病気が急性膵炎です。アルコール(男性に多い)と胆石(女性に多い)が二大原因となっていますが、特発性といって検査をしても原因が分からない場合も頻繁にみられます。そのほか、消化液を腸に送るパイプである胆管や膵管をしらべる検査の合併症として起こったり、薬の副作用として起こったりする場合もあります。

急性膵炎の症状とその特徴

典型的にはみぞおちのあたりやお腹の上のほうの痛みがみられます。これは耐えられないほどの激痛でずっと続き、時間が経つにつれてどんどん悪くなることが多いです。この痛みは前かがみになると痛みがやわらぐ傾向があります。

お腹の痛みの他には、悪心・嘔吐が約20%、背中の痛みが約10%の患者さんにみられます。発熱や悪寒、食欲の低下、お腹が張る感じなどを訴える患者さんもいます。

急性膵炎の治療

急性膵炎と診断されたら、原則として入院が必要です。まずは、ごはんを食べないようにし(絶食)、膵臓から消化酵素が出ないようにして膵臓を休ませます。他には、点滴で水分補給をしたり、痛み止めを使って痛みをやわらげたりします。これらは初期治療と呼ばれ、急性膵炎の患者さんに対する基本的な治療になります。

初期治療の効果が不十分であったり、より重症な患者さんには、蛋白分解酵素阻害薬という、これ以上膵臓がダメージを受けないようにする薬や、ダメージを受けた膵臓に病原体が感染しないようにする抗生剤(抗生物質)を投与します。また、栄養をとるために腸管に直接栄養を送り込むような治療を検討する必要があります。他の臓器まで悪影響が及ぶことを予防するために、鼻や肛門から管を入れて消化管内の圧力を下げるという処置が行われることもあります。

まとめ

  • 急性膵炎は、膵臓の作る消化酵素が自分自身を消化してしまうことで起こる。
  • アルコールや胆石が二大原因である。原因不明のこともそれなりにある。
  • みぞおちのあたりやお腹の上のほうの痛みがあることが多い。
  • 悪心・嘔吐や背中の痛みを感じることもある。
  • 治療は、入院して絶食と点滴と痛み止めが基本である。

医師コメント

患者さんを見ていて、医療者の側までとても辛くなる病気の一つです。その度に飲み過ぎや食べ過ぎには気をつけようと思います…。

激烈な痛みを訴えることが多く、痛みで動けなくなり冷汗をかくこともあります。急激な腹痛がすべて急性膵炎、というわけではなく、腹痛にもさまざまな原因が考えられますが、経験したことのないような痛みがある場合には救急車を要請することも選択肢として持っておきましょう。

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