喘息

内容監修

石黒 剛

GO ISHIGURO

石黒 剛

GO ISHIGURO

医師

大学在学時から現在の病院中心の医療システムに疑問を持ち、 日常生活に医療を提供するシステム作りをミッションに掲げる。 2019年、訪問診療専門の「いしぐろ在宅診療所」を兄と二人で開業。 クリニックTENでは、働く世代に焦点を当て、生活に溶け込む医療機関の実現を目指す。

喘息とはなにか

喘息とは、気管支の慢性の炎症によって気道に狭窄が起こり、呼吸困難を来す疾患です。小児で約8~14%、成人で約9~10%の人が喘息を持っており、遺伝子やアレルギー歴、ウイルス性の呼吸器感染症など、さまざまな要因で発症することが知られています。

喘息の症状とその特徴

発作がないときは無症状ですが、風邪、ほこり、天候、疲労、ストレス、喫煙、ペットの接触など、何らかのきっかけがあれば症状が出現し、発作が起こってしまいます。発作の初期症状として、のどのイガイガ、咳、痰が出現し、段々と増悪します。徐々に息を吐いた時にゼーゼー、ヒューヒューという音が出現し、呼吸が困難となります。

軽度の発作では苦しくても横になれますが、中等度の発作になると苦しくて横になることができません。また歩行も困難となります。重度の発作となると、苦しくて動くことができず、会話も困難となります。さらに悪化すると、まったく会話ができなくなり、意識障害、失禁、呼吸も弱くなり、最終的には呼吸が停止して死に至ります。

喘息の治療と注意点

治療としては、重症度の段階に合わせた種類と量の薬が処方されます。基本となる薬は、発作を予防する長期管理薬と、急性の発作を鎮める発作治療薬の2つに分けられます。

長期管理薬としてはステロイドの吸入薬を基本に、長時間効果のある気管支拡張薬(代表例: 抗ロイコトリエン薬)が併用されます。発作を完全に予防するには症状の無い時も毎日継続することが大切です。発作が起きた時には即効性のある気管支拡張薬の吸入やステロイドの飲み薬を服用します。

普段から吸入ステロイド薬を使用せずに、発作時だけに頼ると逆に喘息は悪化していきます。症状が改善していくとにつれ、薬の量を減らすことが出来ます。 

喘息と診断されたら気をつけるべきこと

症状がないときにも薬剤の服用を遵守し、喘息の原因への曝露を回避することが重要です。良い生活環境にはフローリング、週3回以上の掃除、寝具の衛生管理が重要とされています。タバコも発作の原因となるので、禁煙も効果的です。

まとめ

  • 喘息とは気管支に慢性の炎症が起こることで、呼吸困難を来す疾患である。
  • 治療としては発作を予防する長期管理薬と急性の発作を鎮める発作治療薬が重要である。
  • 喘息の原因への曝露を回避することも重要である。

医師コメント

私もかつて、喘息で悩まされました。

喘息の症状は特に寒い日や夜、また運動後などに悪化することがあります。
原因を避けることも大切ですが、発作が出ないように吸入ステロイド薬をしっかりと使うことがまず重要です。

発作を繰り返すことでダメージが肺に蓄積され、呼吸機能にも影響が出てくるとされています。思い当たる症状がある場合には早めの受診をお勧めします。

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