インフルエンザ

内容監修

駒井 翼 

KOMAI TSUBASA

駒井 翼 

KOMAI TSUBASA

医師/日本内科学会 認定内科医 /日本心血管インターベンション治療学会 認定医 /心電図検定1級

循環器救急医療の最前線で若手医師として奮闘して参りました。救急車で運ばれてきた患者さんが無事に社会復帰できた瞬間に「猛烈なやりがい」を感じる一方、助けられなかった「生活習慣病の成れの果て」も多く経験しました。 「そうなる前になんとかしたい」と、「友達のように気軽に相談できる」かかりつけ医を目指します。日本人の医療リテラシー向上のため医学教育にも関わっています。

インフルエンザとは

インフルエンザとは、インフルエンザウイルスに感染して起こる感染症です。インフルエンザウイルスは、A型、B型、C型、D型の4種類に分けられます。主にヒトに流行を起こすのは、A型とB型のウイルスです。A型・B型インフルエンザの流行には季節性があり、国内では例年12月~3月に流行し、短期間で多くの人に感染が拡がります。例年の季節性インフルエンザの感染者数は国内で推定約1,000万人とされます。ウイルスは24時間で爆発的に増殖し、約1~3日の潜伏期間の後に、突然様々な症状を引き起こします。


 インフルエンザの症状とその特徴

全身症状としては以下のようなものがあります。
・38度以上の高熱
・全身倦怠感
・頭痛
…etc

上記の全身症状に続いて以下のような呼吸器症状が出現します。
・咳
・喉の痛み
・鼻水
…etc
通常、症状は約1週間でよくなりますが、気管支炎、肺炎、脳炎、中耳炎などを合併する場合もあるので注意が必要です。

インフルエンザと風邪の違いとして、まずインフルエンザは多くの場合38度を超える発熱がみられることがあげられます。また、風邪が何日もかけてゆっくりと悪化していくのに対し、インフルエンザは短期間で一気に症状が現れるのも特徴的です。これらに加えて身近でインフルエンザが流行しているなど、「いつもの風邪と何か違うな」と感じたら、インフルエンザを疑いましょう。

インフルエンザの治療とその注意点

インフルエンザの主な治療法は、特効薬となる抗インフルエンザウイルス薬の使用です。抗インフルエンザウイルス薬は、インフルエンザ発症から48時間以内に使用すると、熱が下がるのを早めるなどの効果があります。抗インフルエンザ薬としてはタミフルやゾフルーザなどの飲み薬や、リレンザやイナビルといった吸入薬などがあります。

また症状を和らげる治療(対症療法)として解熱剤、せきを抑える鎮咳薬、たんを切れやすくする去痰薬などが使われることがあります。

しかし、インフルエンザと風邪は全く別の疾患であるため、風邪の市販薬の使用はやめておきましょう。

インフルエンザが疑われる症状が出た場合は一度病院へ受診しましょう。クリニックTENでは発熱については原則オンライン診療での対応となります。

インフルエンザの予防接種は受けるべきですか?

インフルエンザについては、予防接種が対策として有効であることはわかっているものの、副作用などの心配から接種をためらう人は少なくありません。インフルエンザ

軽い副作用としては注射箇所が赤く腫れる場合がありますが、2、3日で治る場合が殆どです。他にも副作用は色々懸念されるのも事実ですが、必要以上に心配をして予防接種を受けないのは望ましいとは言えません。副作用について正しく理解した上で予防接種を受けましょう。

インフルエンザワクチンの有効期間は約5ヶ月です。その為、流行シーズンである12月から3月には効果を発揮してもらう為に早くて10月下旬、遅くても12月上旬にはインフルエンザワクチンを接種しておくことが推奨されます。

まとめ

  • インフルエンザは約1~3日の潜伏期間の後、突然熱や呼吸器症状を引き起こします。
  • 薬としてはタミフルやリレンザ、イナビルなどがあります。
  • インフルエンザが疑われたら一度病院へ受診しましょう。
  • 正しく副作用を理解した上できちんと予防接種を受けましょう。

医師コメント

インフルエンザとは、ウイルス感染症の中で特にインフルエンザウイルスによるものを指します。インフルエンザウイルスは種類が多く、毎年流行する種類が違います。そのため、毎年かかる可能性があるウイルスです。

インフルエンザワクチンは、WHOによって発表される、次に流行りそうなインフルエンザウイルスの予測をもとに作られ、厚生労働省が承認しているものです。

そのため、ワクチンが必ず効く(ワクチンを打ったら100%感染しない)というわけではありません。しかし、毎年種類の変わるインフルエンザウイルスを予防するためには、現状予防接種が最も有効とされています。ワクチンを打っていても感染対策をしっかりとすることは必要ですが、持病のある方や高齢者に感染を広げないためにも、ワクチンで感染を防ぐことは有効です。

もし症状が出た場合は医療機関を受診し(オンライン推奨)、5日間の休養をとることが、ご自身にとっても周囲の方々にとっても最もふさわしい行動です。

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