全身性エリテマトーデス

全身性エリテマトーデスとはなにか

全身性エリテマトーデスは、自己免疫の異常が原因で起こると考えられています。自己免疫の中でも、抗体が重要な原因の1つになっています。抗体は、本来は身体に入ってきた異物(例えば細菌やウイルスなど)に対して作られて、異物を排除するのに役立っています。しかし、本来は異物でないはずの自分の身体の中にある物質に対する抗体ができてしまい、その抗体によって免疫複合体というものが全身の至るところに作られてしまう結果、全身の組織で炎症が起こります。

 日本には約6万人の患者さんがいるといわれています。また、男性よりも女性のほうが約8倍多く、特に15~40歳の妊娠が可能な年齢の女性に多いという特徴があります。

全身性エリテマトーデスの症状とその特徴

全身性エリテマトーデスでは、様々な症状が出ます。そのうち、皮膚や粘膜の症状と関節の症状(変形のない炎症や痛み)は、ほとんどの患者さんでみられます。皮膚の症状の中でも、顔に現れる「蝶形紅斑」という症状が特徴的です。これは、鼻から両方のほっぺたにかけて、蝶は羽を広げたように赤みやできものがみられる状態を指します。この蝶形紅斑がみられた場合は、全身性エリテマトーデスである可能性が高くなるため、とても重要な症状です。

他によくみられる症状としては、腎臓の症状や精神・神経症状(うつっぽくなる、頭痛、けいれん等)があります。これらの症状は治りにくく、また患者さんへの影響も大きいため、問題となることが多いです。

全身性エリテマトーデスの治療と注意点

 全身性エリテマトーデスの治療は、症状がほぼない状態(寛解)にもっていくこと、そしてその寛解の状態を維持することです。

 まず、安静にすることや、症状を悪くする行動(睡眠不足や日光に当たる等)をしないことが大切です。

 その上で、薬による治療を行います。主にステロイドという薬が使われますが、患者さんがどれくらい重症なのかに合わせて量を調整します。ステロイドがあまり効かなかった場合には、ステロイドよりも免疫を抑える力が強い薬を使います。

 免疫を抑える薬を使う関係で、細菌やウイルスに感染しやすくなるという問題があります。そのため、手洗いやうがいをこまめに行うなど、感染対策も重要といえるでしょう。

全身性エリテマトーデスは進行するとどうなりますか?

 全身性エリテマトーデスは、進行すると亡くなってしまうこともあります。

 現在は、感染症が原因で亡くなる方が最も多いです。これは、全身性エリテマトーデス自体が感染を起こしやすくなる病気であることに加えて、治療で使う薬が免疫を抑えるはたらきがあり、二重に感染しやすくなってしまう結果です。

 他には、脳の血管が破けるなどの脳の血管の症状や、腎臓の症状が原因になることも多いです。以前は、腎臓の症状が悪くなり、腎臓が弱ってしまう腎不全によって亡くなる患者さんが最も多かったです。しかし、現在では、治療法が進化したことや早期に発見され治療も早くスタートできるようになり、腎不全が原因で亡くなることは少なくなりました。

まとめ

  • 自己免疫の異常によって、全身の組織で炎症が起こる病気です。
  • 15~40歳の妊娠が可能な年齢の女性に多いという特徴があります。
  • 皮膚や粘膜の症状と関節の症状はほとんどの患者さんに起こります。
  • 顔の皮膚に現れる蝶形紅斑という症状が特徴的です。
  • 腎臓の症状や精神・神経症状もよくみられます。
  • 寛解とその維持が治療の目標です。
  • 安静と、症状を悪くする行動(睡眠不足や日光に当たる等)をしないことが大切です。
  • 患者さんの重症度に合わせて、薬を調節して治療します。
  • 亡くなる原因は感染症が最も多いので、感染対策も重要です。

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