アナボリックステロイドを用いた筋肉増強相談

※本写真は当院で上級コースをモニターとして受けた患者さまのサイクル中の写真を加工したものです。
治療以外に適切なトレーニングと食事指導を行った結果で、効果を保証するものではありません。

①アナボリックステロイドを用いた筋肉増強治療とは何か

クリニック TEN 渋谷では Anabolic Androgenic Steroid (通称 AAS, アナボリックステロイド) を含むテストステロン製剤を用いた筋肉増強治療を専門医*1の診察のもとおこない、また院内で倫理委員会を設置のもと治療効果並びに副作用対策に関する新しいエビデンスの創出を目指した治療を行っております。

アナボリックステロイドを用いた筋肉増強治療は特殊な治療ではなく、あくまで男性更年期障害の方に対するテストステロン補充療法の延長線上にあります。使用する薬剤やそれによって生じうる副作用のプロファイルはほぼ同一である一方、薬剤の投与量や投与頻度が多くなるにつれ、より厳密な副作用対策を要します。

当院では1996年に世界で最も権威のある医療雑誌のひとつである New England Journal of Medicine に掲載された、「健康な成人男性に生理量を超えるテストステロン製剤の投与することで筋肉量が増加した」という前向き無作為比較試験*2の結果を下書きに、当時の報告では不十分だった副作用対策を補強し、患者さまお一人お一人の状況に応じた適切な治療を提案しております。

②アナボリックステロイドとは何か

近年、日本では個人輸入や十分な知識のない医療機関から提供されたアナボリックステロイドによる有害事象を経験されている方が増えてきており、それにより、アナボリックステロイドは危険な薬物であるという誤った認識が一般の方だけでなく、医療者の中にも散見されるようになりました。

アナボリックステロイドは正式名称を Anabolic Androgenic Steroid と呼び、これは単に「筋肉増強作用があり、男性ホルモン作用を要する、ステロイド骨格を有したホルモン」のことを指します。

例えば、男性の性腺機能低下症 (いわゆる男性更年期障害) に対する保険適応を有するテスチノンⓇ (テストステロン・エナント酸) は、前述の定義上、広義の「アナボリックステロイド」ではありますが、通常の保険診療の一環として使用される薬剤となります。また、現在は主に筋肉増強を目的に使用されているデカ・デュラボリン (ナンドロロン・デカン酸) も、元々は再生不良性貧血やるいそう (過度の痩せ) の治療薬として開発された薬剤です。

このように、保険診療で使用する薬剤も含め、テストステロン製剤とはそもそも定義上全て「アナボリックステロイド」であり、きちんと知識を持った医療者が対象の方に適切に使用すれば特別な薬剤ではありません。

③筋肉増強治療はどのように行われるか

筋肉増強治療は、一般的に「バルキング・サイクル (bulking cycle)」「インターバル」「ポストサイクルセラピー (PCT)」の3つの期間からなります。

バルキング・サイクルは体内に通常存在する生理量を遙かに超えるテストステロン製剤を投与することで、期間中の十分なトレーニングと食事摂取が効率的に筋肉になるのを促進します。その後、2週間のインターバルを挟んだのち、ポストサイクルセラピー (通称 PCT) を行います。PCT はバルキング・サイクルにより低下した元々のホルモン分泌能を元に戻し、またバルキング・サイクルによる副作用を抑制するための治療で、合計6週間にわたって行います。

筋肉増強を目的にしたアナボリックステロイドの投与は、きちんと対策をしていれば副作用はほぼ確実に予防することが可能ですが、逆に何もしないと必ず副作用が起こってしまいます。

従って、クリニック TEN 渋谷ではバルキング・サイクルだけをやりっぱなしにするのではなく、その間の副作用対策のための血液検査や薬剤投与、その後 PCT までも含め、治療を開始して筋肉を増やし、それ以外を元の状態に戻すまでをひとつのパッケージとして提供し、治療期間中の追加の血液検査や早期の副作用対策薬剤の開始で追加の料金を頂いておりません。

④ 治療で起こりうる副作用とその対策

アナボリックステロイドを使用することにより起こる副作用は、そのほとんどが男性更年期障害の方に対してテストステロン補充療法を行う際に起こりうるものと同じです。違いとして、使用するテストステロン製剤のが使用量が多くなることにより、その程度と頻度が上昇するため、それらの副作用に精通した医療者による適切な治療が必要となります。

副作用は大きく3つのカテゴリーに分類されます。

副作用1:テストステロン製剤による直接の副作用

  • 前立腺への副作用
    アナボリックステロイドを始めとしたテストステロン製剤は前立腺肥大症を悪化させ、尿の勢いの低下や頻尿症状を起こす可能性があります。これを予防するために治療中は予防薬である 5α レダクダーゼ阻害薬を内服する必要があります。
    また、前立腺に万が一「がん」がある場合、テストステロン製剤の投与で前立腺がんが悪化する可能性があるため、治療を開始するまえに血液検査で前立腺がんの腫瘍マーカーを測定する必要があります。
  • 多血症
    テストステロンがエリスロポエチンというホルモンを刺激してしまうことで赤血球の数が増えてしまう多血症を起こすことがあります。多血症が起こっていないか定期的な血液検査が必要となります。
  • 尋常性ざそうの悪化
    尋常性ざそう、いわゆるニキビが悪化する可能性があります。特に、もともとニキビができやすい方の場合はアナボリックステロイドの使用で身体全体のニキビが極めて悪化する可能性があるため、治療前から予防薬の内服を行ったり、発症時に外用薬などでの治療を行います。

副作用2:他の性ホルモン分泌への影響

高濃度のテストステロンを体外から投与すると、もともとの性ホルモンの分泌経路に影響を与えてしまうため、それらによる副作用を予防するための薬剤使用が必要となります。

  • LH の低下によるテストステロン低値
    体外から高容量のテストステロン製剤を投与することで、ネガティブフィードバックという現象が起こり、視床下部からの GnRH (ゴナドトロピン放出ホルモン) の低下が起こり、LH (黄体ホルモン) が低下し、自分自身でのテストステロン生成能力が一時的に低下します。
    長期間のテストステロン製剤使用後に突然投与を中止すると、LH がまだ上昇していないため血中テストステロン濃度が著しく低下し、強い倦怠感や筋肉の低下を来す可能性があります。
    従って、PCT 期間中には元のテストステロン分泌能を回復するまで hCG という薬剤の定期的な注射が必要となります。
  • FSH の低下による精巣萎縮・妊孕性低下
    ネガティブフィードバックによる GnRH の低下から、FSH (卵胞刺激ホルモン) が低下し、精巣が萎縮したり精子の質が低下して超長期的に無対策の場合は無精子症を来す可能性があります。これを予防するために治療期間中にはクロミフェンの内服が必要となります。

副作用3:投与したテストステロン製剤の変換による副作用

血中でテストステロン濃度が高値となると、一部のテストステロンが他のホルモンに変換されてしまうことにより、副作用が起こりえます。

  • 脱毛症
    テストステロンが高濃度となると、一部のテストステロンが酵素である 5α レダクダーゼと反応し、より男性ホルモン作用の高いジヒドロテストステロン (DHT) に転換されます。DHT は通常のテストステロンのおよそ 20 倍の活性がある一方で、前額部並びに頭頂部の発毛を著しく阻害してしまい AGA (androgenic alopecia, 男性壮年性脱毛症) を起こす可能性があります。従って、治療期間中は脱毛を予防するための 5α レダクダーゼ阻害薬を内服をする必要があります。
  • 女性化乳房
    テストステロンが高濃度となると、一部のテストステロンが酵素であるアロマターゼと反応し、女性ホルモンであるエストラジオールに転換されます。エストラジオールの作用によりテストステロンの男性ホルモン作用が低下したり、乳首のチリチリとした違和感や乳腺組織の肥大 (gynecomastia, 通称ガイノ) を来す可能性があります。従って、予防のために治療期間中にアロマターゼ阻害薬の内服をする必要があります。

それ以外の副作用として、副作用予防の内服薬での副作用としての肝機能障害や、バルキング・サイクル中の過度な有酸素運動による長期的な心筋肥大などの可能性が報告されており*3、それらを予防するための指導並びに検査を定期的におこなっております。

一部の研究で AAS 使用と肝芽腫の関係を示唆する報告があり、メタアナリシスでは因果関係が確立されていないものの、肝芽腫の既往がある場合は当院では治療をお承りしておりません。

また、当院では副作用リスクが高い経口アナボリックステロイド製剤並びにジヒドロテストステロン製剤は使用していません。前者の経口アナボリックステロイド製剤は肝臓での分解を抑制する「17-α アルキル化」により、構造上肝機能障害が不可避であり、後者のジヒドロテストステロン製剤では脱毛が不可避で発生するためです。

上記の治療に伴う副作用対策に加えて、当院では自己輸入や他院で処方されたアナボリックステロイドを使用したことによって起こってしまった副作用の治療のみもお承りしております。副作用のご相談のみのご希望の方もお気軽にご予約くださいませ (健康保険の適応とならず、自費診療となります)

その他、院内で倫理委員会を設置のもと、治療による効果並びに副作用に関するデータの収集・解析を行っており、最新のエビデンスの創出を目指した治療を行っております。

当院で提供している筋肉増強治療プログラム

入門コース

料金:165,000円 (税込み)
(月額換算 およそ33,000円)

使用薬剤
サスタノン


これからトレーニングを始めたい方を対象とした、サスタノン 250mg の筋肉注射を7週間行うコースです。


筋肉トレーニングとの組み合わせで筋肉量の増強を図ることが出来ます。

料金には定期的な血液検査、副作用予防のためのデュタステリドの内服、尋常性ざそうになりやすい方へのイソトレチノイン 内服、そして PCT としての hCG 皮下注射とアナストロゾールクロミフェン内服が全て含まれています。

バルキング・サイクル7週間、2週間のインターバル、PCT 6週間の合計およそ4ヶ月のプログラムになります。

中級コース

料金:275,000円 (税込み)
(月額換算 およそ55,000円)

使用薬剤
サスタノン
ナンドロロン (デカ・デュラボリン)

すでにトレーニング習慣がある方を対象とした、サスタノン 500 mg に加え、長期間、強力に作用する合成テストステロンであるナンドロロン・デカン酸 (商品名:デカ・デュラボリン) 100 mg の筋肉注射を毎週1回10週間行うコースです。

料金には初級コースと同様、定期的な血液検査、副作用予防の薬剤、PCT が含まれています。

バルキング・サイクル10週間、2週間のインターバル、PCT 6週間の合計およそ4ヶ月半のプログラムになります。

上級コース

料金:440,000円 (税込み)
(月額換算 およそ93,000円)

使用薬剤
サスタノン
ナンドロロン (デカ・デュラボリン)

すでにかなりの負荷でのトレーニングを積んでいる、さらなる筋肉増強を目指したい方に、サスタノン 750 mg と中級コースより増量したナンドロロン・デカン酸 (デカ・デュラボリン) 200 mg の筋肉注射を毎週1回10週間行う上級コースをご用意しています。

バルキング・サイクル10週間、2週間のインターバル、PCT 6週間の合計およそ4ヶ月半のプログラムになります。

その他、まだ筋肉増強治療を開始するほどのトレーニング習慣や食事習慣がない方には、上記治療ではなく当院のメンズヘルス外来で男性更年期障害の方向けに投与する通常量のテストステロン製剤での治療をお勧めさせていただくことがございます。詳細は初診外来時に担当医師にご相談くださいませ。

費用

初回外来カウンセリング料5,500 円 (税込)
治療開始前血液検査16,500 円 (税込)
初級コース165,000 円 (税込)
血液検査や再診料など一切追加料金はかかりません
中級コース275,000 円 (税込)
血液検査や再診料など一切追加料金はかかりません
上級コース440,000 円 (税込)
血液検査や再診料など一切追加料金はかかりません
※初診相談のみオンライン診療も対応しています。ただし治療には定期的なご来院が必須となります。

FLOW

クリニックTENでの治療の流れ

予約・WEB 問診回答

予約・WEB 問診回答

予約・WEB 問診回答

当院は完全 WEB 予約制となっています。 面倒な会員登録はなく、LINE と連携、友達登録することでたった1分で予約が完了します。

(ブラウザがプライベートモードになっていると登録に失敗することがありますのでプライベートモードは OFF にしてご利用ください)

診療科目を選択し、予約可能な枠からご希望の時間帯をお選びください。予約後はそのまま問診にお答えいただきます。これによって、診察開始前から医師があなたの状態を把握することができるようになり、クリニック到着後すぐに診察をすることが可能になります。

カウンセリング

カウンセリング

カウンセリング

・医師の丁寧なカウンセリング ・各国の信頼性の高い研究データに基づいて、 患者様一人一人に医学的根拠に基づいた治療をご提案させていただきます

筋肉増強治療

筋肉増強治療

筋肉増強治療

毎週1回の筋肉注射を 10週間行います。 各コースの目的に合わせて、それぞれ適切な薬剤を使用いたします。 筋肉トレーニングとの組み合わせでさらなる筋肉量の増強を図ることが出来ます

副作用予防治療

副作用予防治療

副作用予防治療

筋肉増強治療後に現れる副作用を予防する治療です。 クリニック TEN では 副作用予防費用も全て各メニューに含まれています。

クリニック TEN は競技におけるアナボリックステロイドの使用に強く反対しています

クリニック TEN は競技におけるアナボリックステロイドの使用に強く反対しています。例えばボディビルディング、フィジーク競技を行っている方や、その他、プロ競技者の皆さまへの筋肉増強治療はお承りしておらず、治療開始前に誓約書への記載が必要となります。


また、クリニック TEN 渋谷で使用している薬剤は、ドーピング検査を意図したものではないため、一般的な大会における薬物検査で必ず検出されものとなっております。競技者の方はご留意いただきますようお願いいたします。

まとめ

クリニック TEN では確かなエビデンスと徹底的な副作用対策のもと、効果的で安全な筋肉増強治療の提供を目指しています。

院内に倫理委員会を設置のもと、治療による効果並びに副作用に関するデータの収集・解析を行い、最新のエビデンス創出を目指しております。

トレーニングによる筋肉増強効果をより高めたい方だけでなく、他院での副作用でお困りの方も含め、ご相談がありましたらお気軽にご予約くださいませ。


当診療科では
オンライン診療を受け付けています

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参考文献一覧

*1 泌尿器科専門医、テストステロン治療認定医

*2 Bhasin S, Storer TW, Berman N, et al. The Effects of Supraphysiologic Doses of Testosterone on Muscle Size and Strength in Normal Men. New England Journal of Medicine 1996; 335(1): 1-7.

*3 Malkin CJ, Jones TH, Channer KS. The effect of testosterone on insulin sensitivity in men with heart failure. Eur J Heart Fail 2007; 9(1): 44-50.

なお、治療に使用しているナンドロロン・デカン酸 (Deca-Durabolin ®) 並びにサスタノンを始めとする各種薬剤は日本の添付文書における適応外使用となりますので、医薬品副作用被害救済制度の対象外となることを予めご了承ください。

未承認医薬品等の明示

標準的な治療期間と金額目安について

標準的な治療期間

4ヶ月〜5ヶ月程度 (うち、15回程度の受診が必要となります) ※1

治療金額の目安

185,000円〜475,000円(税込)程度 ※1※2※3

※1 治療期間には個人差があります。
※2 自由診療・保険適用外
※3 治療金額の中には上記プランの購入前に必要となる初診料・血液検査料を含みます。

施術に関する注意点

未承認医薬品等

本治療では、サスタノン、ナンドロロン・デカン酸 (デカ・デュラボリン) などを使用する場合があります。これらの薬剤は、日本国内では未承認の医薬品です。また、本治療は自由診療であり、健康保険の適用はありません。

入手経路等

当院で使用している薬剤は、輸入代行業者を介して仕入れを行っております。

国内の承認医薬品等の有無

国内において承認されている同効の医薬品はありません。

諸外国における安全性等に係る情報

海外では承認されている国もありますが、日本国内の審査基準とは異なります。後述する「リスク・副作用」を併せてご確認ください。

医薬品副作用被害救済制度について

万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。