HIV感染症

HIV感染症とはなにか 

HIV感染症とはエイズウイルスの感染により免疫力が低下してしまう感染症です。感染経路は性行為や血液、母子間での感染が主になります。

免疫力とは、私たちの身体が持っている力で、外部から入ってきた微生物などと戦うために必要なものです。身の回りには感染の原因となる細菌やウイルスなどがあふれていますが、私たちがほとんどの時間を健康に過ごせるのは、免疫力が絶えずこれらと戦ってくれているからです。

免疫のなかでも、一度侵入した病原体に対する免疫を獲得免疫といいます。身体が一度入ってきた敵のことを覚えていて、二回目の侵入時にはすぐに対応できるようになっているのです。HIV感染症になると、この獲得免疫の力が大きく低下します。

HIV感染症の症状とその特徴 

感染から2~4週間の潜伏期間を経て発熱やのどの痛み、筋肉痛などのインフルエンザのような症状が出ることがあります。その後、数年から10年ほど症状がない期間が続きます。そしてエイズを発症すると、免疫機能が低下し、下痢や寝汗、体重減少などの症状に加え、日和見感染症や悪性腫瘍、神経障害などの様々な病気を引き起こします。

HIV感染症の検査と治療 

HIV感染の検査は、保健所やクリニックで行うことができます。血液検査によってHIV抗体スクリーニング検査を行いますが、感染してから4週間程度経たないと検査で反応が出ません。この検査をしても反応が出ない時期をウィンドウピリオドといいます。治療としてはHIVの増殖を抑える抗HIV薬を使用します。

HIVへの性感染を防ぐために 

HIV感染症は1990年代までは不治の病といわれていました。特に海外では多くの著名人も感染し、HIVやそれにともなう免疫力の低下が原因で命を落としてきました。現在では医療の進歩により、HIVをうまくコントロールし、他人に感染させるリスクも最小限にしながら生きていくことができるようになりましたし、生存率もかなり上がっています。

そんな中で、日本はHIVの感染者が増えている国の一つです。HIVというと遠い世界の話だと思われる方も多いかもしれませんが、全くそんなことはありません。どんな性感染症も、一回でも性交渉をしたことがあれば、自分は関係ないとは言い切れないものです。

性感染症について議論すること、触れることがタブーとされがちな日本ですが、HIVは命を守るためにしっかりと向き合うことが重要な疾患です。自分だけでなく、周囲の大切な方のためにも、適切な避妊具の使用に加えて、一度検査を受けてみられることもおすすめします。

まとめ 

  • HIV感染症とはエイズウイルス感染によって免疫力が低下してしまう感染症である。
  • 保健所やクリニックで検査ができ、感染していた場合は抗HIV薬で治療を行う。
  • 日本ではHIV感染者の数が増えており、適切な避妊具の着用に加え、少しでも不安があれば検査を行うことが重要である。

閲覧した文献

  • 書‌籍‌:‌岡‌庭‌豊.‌ ‌『イ‌ヤー‌ノー‌ト‌ ‌2021:‌内‌科・‌外‌科‌編』‌メ‌ディッ‌ク‌メ‌ディ‌ア.‌
  • ウェブサイト:STD研究所. 『HIV感染症/エイズの解説』https://www.std-lab.jp/stddatabase/hiv-aids.php#:~:text=%E6%97%A5%E5%92%8C%E8%A6%8B%EF%BC%88%E3%81%B2%E3%82%88%E3%82%8A%E3%81%BF%EF%BC%89%E6%84%9F%E6%9F%93%E7%97%87,%E7%97%87%E5%80%99%E7%BE%A4%EF%BC%89%E3%81%A8%E8%A8%BA%E6%96%AD%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

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