アレルギー性鼻炎・花粉症

内容監修

石黒 剛

GO ISHIGURO

石黒 剛

GO ISHIGURO

医師

大学在学時から現在の病院中心の医療システムに疑問を持ち、 日常生活に医療を提供するシステム作りをミッションに掲げる。 2019年、訪問診療専門の「いしぐろ在宅診療所」を兄と二人で開業。 クリニックTENでは、働く世代に焦点を当て、生活に溶け込む医療機関の実現を目指す。

アレルギー性鼻炎・花粉症とはなにか

アレルギー性鼻炎とは、特定の物質(アレルゲン)に対するアレルギー反応により、くしゃみや鼻水、鼻づまりを起こす病気です。原因となる物質として、通年性ではハウスダスト・ダニ、季節性では花粉が挙げられます。花粉が原因の場合を、特に花粉症といいます。日本人の約40%の人がアレルギー性鼻炎であると言われており、特に花粉症は急増しています。また、花粉症を発症する年齢が低くなってきていることも問題となっています。


アレルギー性鼻炎・花粉症の症状とその特徴

突然起きて何度も繰り返すようなくしゃみや、水のような鼻水、鼻づまりなどの風邪のような症状が主になります。風邪との見分け方としては、朝方に症状の強いことや、特定の季節に症状の強い場合が、アレルギー性の物を疑うものとなります。 鼻以外の症状では、目のかゆみ、からだのだるさがみられることもあります。朝方に鼻水やくしゃみなどの鼻炎症状が現れることをモーニングアタックといい、朝目覚めてすぐひどい症状に悩まされる人もいます。合併症として副鼻腔炎やアレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎などのアトピー性疾患を合併することもあります。


アレルギー性鼻炎・花粉症の治療と注意点

治療としてはアレルギーの原因となるアレルゲンを避けることが最も重要になります。加えて抗ヒスタミン薬やステロイドなどの、アレルギー反応を抑えるアレルギー薬で治療します。抗ヒスタミン薬などのアレルギー薬には眠気の副作用があるので注意が必要です。

また、アレルゲンのエキスを少量から投与し、次第に増量してからだを適応させていくアレルゲン免疫療法も行われています。症状が強い場合には手術をし、症状のでにくい粘膜の状態に変えるといった治療が行われることもあります。


アレルギー性鼻炎・花粉症で気をつけるべきこと

アレルゲンの除去や回避を意識した生活習慣が重要になります。ハウスダストが原因となる場合には、ハウスダストの原因となる室内ダニの増殖を防ぐため、室内を清潔にしたり、部屋の湿度や温度を調整したりすることが効果的です。

花粉が原因の場合は、天気予報などで発表される花粉情報に注意し、飛散の多い時期はできるだけ外出を控えましょう。家の窓や戸をなるべく閉めたり、外出する際は花粉防御用のマスクや眼鏡を使ったりすると効果的です。

食生活では、シソ、シジュウム、甜茶、凍頂(とうちょう)ウーロン茶、ベニフウキ茶、スギ茶などがアレルギーによる鼻や目のトラブルによいと言われています。


まとめ

  • アレルギー性鼻炎はハウスダストや花粉を原因として発症し、くしゃみや鼻水、鼻づまりが主な症状となる。
  • 治療はアレルゲンの回避が主で加えてアレルギー薬やアレルゲン免疫療法などが行われる。

医師コメント

多くのかたが悩まされるいわゆる「鼻炎」です、実際私も長年鼻炎と付き合っています。
アレルギーの原則はアレルゲンの除去、つまり原因を避けることですが、とは言っても完璧に避けることはなかなか難しいので、症状を抑えるために抗アレルギー薬を用います。アレルギーの薬は種類が多く、症状の強さやお困りごと、生活スタイルに合わせて使い分けます。飲み薬だけでなく貼り薬などもありますので気軽にご相談ください


参考文献一覧

Ng ML, Warlow RS, Chrishanthan N, Ellis C, Walls RS. Preliminary criteria for the definition of allergic rhinitis: a systematic evaluation of clinical parameters in a disease cohort (II). Clin Exp Allergy. 2000;30(10):1417-1422. doi:10.1046/j.1365-2222.2000.00913.x

Wallace DV, Dykewicz MS, Oppenheimer J, Portnoy JM, Lang DM. Pharmacologic Treatment of Seasonal Allergic Rhinitis: Synopsis of Guidance From the 2017 Joint Task Force on Practice Parameters [published correction appears in Ann Intern Med. 2018 May 15;168(10):756]. Ann Intern Med. 2017;167(12):876-881. doi:10.7326/M17-2203

アレルギー性鼻炎 | 国立成育医療研究センター

石黒 剛

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大学在学時から現在の病院中心の医療システムに疑問を持ち、 日常生活に医療を提供するシステム作りをミッションに掲げる。 2019年、訪問診療専門の「いしぐろ在宅診療所」を兄と二人で開業。 クリニックTENでは、働く世代に焦点を当て、生活に溶け込む医療機関の実現を目指す。