ピル服用中の生理が終わらないのはなぜ?不正出血の原因と対処法を解説

「ピルを服用し始めたら生理が終わらない!」「不正出血が続いているけれど大丈夫なの?」

そう悩んでいませんか?

ピルを飲み始めたばかりの方は、特に不安に思うことでしょう。ピル服用中に生理が終わらないと感じるのは、さまざまな原因で不正出血が起こっているからです。

本記事では、ピル服用中に不正出血が起こる原因と対処法について解説します。

ピル服用中の生理に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

ピルの服用中に生理が終わらないのはなぜ?

「ピルの服用中に生理が終わらない」と感じるのは、不正出血が起きているからです。

ピルの服用中に起こる出血には「消退出血」と「不正出血」の2種類がありますが、不正出血は生理以外の理由で起こる出血のことを指しています。

消退出血ピルの休薬期間中の起こる出血で、生理と同様に扱われます。

休薬してから2~3日後に起こる場合が多く、出血は5日程度続きます。

不正出血生理以外の理由で起こる出血で、原因がある場合がほとんどです。

長いときは1か月以上続くケースもあります。

ピルの服用による不正出血は1~2か月程度で落ち着く場合がほとんどですが、それ以上続く場合は病気や妊娠のケースもあるので注意が必要です。

次項では、ピル服用中に起こる不正出血の原因について詳しくご紹介します。

ピルの服用中に起こる不正出血の原因

ピル服用中の不正出血には、以下のような原因が考えられます。

  • ピル服用の副作用による不正出血
  • 下剤や薬の飲み合わせによる不正出血
  • 子宮筋腫や子宮内膜症などの病気
  • 妊娠の可能性

ひとつずつ解説しましょう。

ピル服用の副作用による不正出血

ピル服用中の不正出血で最も多い原因が、ピルの服用による副作用です。実際、ピルの服用を始めた方の約30%が不正出血を経験するといわれています。

参考:星光クリニック|低用量ピル使用中の不正出血

副作用による不正出血は、ピル服用によりホルモンバランスが変化したことが原因です。1~2か月程度で自然に落ち着いてくるため、心配する必要はありません。

ただし、2週間以上出血が続いているときや出血量が多い場合は注意が必要です。ピルの種類が体質に合っていないか、他の原因が隠れている可能性があります。

不安なときは、早めに産婦人科やクリニックを受診して医師に相談しましょう。

ピルの飲み忘れによる不正出血

ピルの飲み忘れは、消退出血を起こす場合があります。これは、ピルの飲み忘れにより体内の女性ホルモンが低下することが原因です。

消退出血はピル服用中に起こる必要な出血(生理のようなもの)ですが、本来起こるはずの休薬期間とは異なるタイミングで出血が起こってしまうため不正出血として扱われます。

また、消退出血ではなく生理自体がきてしまうケースもあります。消退出血であれば避妊効果が持続していますが、生理の場合は避妊効果も失われているので注意しましょう。

下剤・便秘薬の服用による一時的な不正出血

下剤の服用で一時的に不正出血が起こる場合もあります。ピルと便秘薬は併用しても問題ないため、不正出血が起こっても心配ありません。

ただし、ピルを服用してすぐに下痢をしてしまうと、成分が体内に吸収されないうちに排出されてしまいピルの効果が下がる可能性があります。

下剤を服用する場合は、ピル服用後4時間以上経過してから摂取するようにしましょう。

子宮筋腫や子宮内膜症などの病気

不正出血には、子宮筋腫や子宮内膜症などの病気が隠れているかもしれません。不正出血を伴う病気は以下のようなものがあります。

  • 子宮筋腫
  • 子宮内膜症
  • 子宮頸がん
  • 子宮内膜がん
  • 子宮体がん
  • 膣炎

子宮頸がんや子宮内膜がんの場合は、ピルの服用を中止する必要があります。早期発見・早期治療が大切な病気なので、すぐに病院を受診しましょう。

痒みを伴う場合やおりものの色の変化が見受けられる場合は、膣炎の可能性があります。また、ストレスや環境・更年期によるホルモンバランスの乱れも不正出血を招く原因のひとつです。

妊娠の可能性

妊娠による不正出血や着床出血の可能性も考えられます。なぜなら、ピルを服用していても100%避妊できるわけではないからです。なかでも、飲み忘れがある方の妊娠確率は9%に及ぶともいわれています。

参考:クリニックフォア|ピルの服用中に妊娠する可能性はある?

着床出血の疑いがあるケースは以下の通りです。

  • 1~3日程度の短い出血
  • 嘔気や疲れやすさを感じる
  • チクチクとした腹痛を感じる
  • 基礎体温が高いまま

妊娠の疑いがある場合は、妊娠検査薬を用いて妊娠の有無を確認します。陽性結果がでたらピルの服用を中止し、速やかに産婦人科を受診しましょう。

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ピルの服用中に生理が終わらないとき(不正出血)の対処法は?

ピル服用中に生理が終わらない(不正出血)ときはどうしたらよいのでしょうか。不正出血は、出血の程度と身体の調子に合わせた対処をおこなうことが大切です。

詳しく解説していきましょう。

正しい用法を守り服用を続ける

ピルを服用し始めたばかりの方や、出血が少量・短期間の場合は、ピルの副作用による不正出血が考えられます。

したがって、処方された通りの用法を守っていれば服用を続けて問題ありません。ただし、腹痛を伴う場合や出血量が多いときは速やかに医療機関を受診しましょう。

一定の休薬期間を設ける

飲み忘れによる不正出血の場合は、7日間の休薬期間を改めて設けましょう。その後、新しいシートの服用を始めます。

もちろん、休薬期間中はピルによる避妊効果はありません。性交渉をする場合は、ほかの避妊方法をきちんとおこなうことが大切です。

医師・産婦人科に相談する

出血が長く続いているときや出血量が多い場合は、医師・産婦人科に相談しましょう。子宮筋腫や子宮頸がんなどの病気が潜んでいるかもしれません。

病気は早期発見・治療が大切です。ピルの服用ができない病気もあるため、不安を感じたら早めに病院を受診するのがおすすめです。

ピルの服用に関わる生理についての疑問

続いて、ピルの服用と生理の関係についてのよくある疑問にお答えします。

ピルの知識をより深めたい方は、ぜひチェックしてみてください。

ピル服用中の生理は何日続くの?

ピルを服用している間は、生理の代わりに消退出血が起こります。消退出血は、ピルの休薬期間が始まってから2〜3日で始まることが多く、約5日ほど続きます。

基本的には、生理よりも期間が短く出血量が少ないのが特徴です。

不正出血の色が鮮血だと危険というのは本当?

不正出血の色は、おりものに薄く血が混じる程度から、鮮血、茶褐色、やや黒っぽい色のものまでさまざまです。したがって「不正出血が鮮血だから危険」と決まっているわけではありません

血の色は時間が経つほど茶褐色に変化するため、鮮血の不正出血は出血したばかりの状態や子宮や膣の出口に近い部分で出血していると考えられます。色だけにとらわれず、出血の量や期間、頻度に注目して病院受診の目安にしましょう。

ピル服用中の生理が終わらない…子宮頸がんの可能性はある?

ピルの服用中に生理が終わらないと感じるのは、不正出血が起きているからです。不正出血が長引く場合は「子宮頸がんの可能性がある」といえます。

以下の状態が当てはまる場合は、医療機関を受診しましょう。

  • 不正出血が3か月以上続いている
  • 出血が2週間以上続いている
  • 腹部に痛みを伴う
  • おりものの異常
  • 性行為の際の出血

参考:公益社団法人 日本産婦人科学会|子宮頸がんとは

ただし、不正出血が起きているからといって必ず病気というわけではありません。思い詰めすぎず、早めに医師に相談することをおすすめします。

生理が終わらないのはヤーズフレックスを服用しているのも原因?

ヤーズフレックスは、120日連続で服用できるよう改良された新しいピルです。120日飲み続けると生理を年3回にまで減らせるメリットがありますが、避妊効果はあまり期待できません。

ヤーズフレックスは、飲み始めの2シート目あたりで不正出血が起こる場合があります。これは、ほかのピルと同じくホルモンバランスが変化することによるものです。

その後も経過もほかのピルと同様、飲み続けていくうちに不正出血は緩和されていきます。

不正出血は薬の飲み合わせも関係している?

薬の飲み合わせが不正出血に関係している可能性もあります。

基本的には、風邪薬・解熱鎮痛薬・胃薬・抗アレルギー剤・漢方などはピルと併用しても問題ありません。ただし、以下の薬品や成分は薬の効果に影響を及ぼしたり不正出血の原因になったりする可能性があるので注意が必要です。

  • 副腎皮質ホルモン(ステロイド)
  • アセトアミノフェン(解熱鎮痛剤)
  • ぜんそくの薬(テオフィリン)
  • セイヨウオトギリソウを有するもの
  • うつ病の薬
  • 免疫抑制剤
  • 高血圧の薬
  • 胃酸を止める薬
  • 真菌症の薬
  • 糖尿病の薬
  • 炎症鎮痛剤
    など

参考:的野ウィメンズクリニック|ピルと一緒に飲んではいけない薬はありますか?

以上の薬を服用している・服用する可能性がある場合は、医師や薬剤師と相談しながらピルの併用を検討しましょう。

ピル服用中は生理が終わらないことも|出血が止まらない場合は病院を受診して

ピルの服用中は、不正出血により生理が終わらないと感じることがあります。特に、飲み始めのころはホルモンバランスが変化するため不正出血が起こりやすい傾向にあるようです。

一時的な出血や量が少ない場合は、そのままピルの服用を続けて問題ありません。一方、出血が2週間以上続くときや服用してから3か月以上経っても改善傾向にない場合は、病院を受診した方がよいでしょう。

生理が終わらないと不安に感じますが、まずは落ち着いて自分の症状を分析することが大切です。そのうえで、自身に合った対策をとってみてください。

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