近年、若者の3人に1人がなるというAGA(男性型脱毛症)。AGAは若ければ若いほど進行が早いといわれています。ではAGAになった際の傾向・治療法・対策はあるのでしょうか。本記事で具体的に解説していきます。
目次
若者AGAになった際の傾向は?
若者がAGAになった際、傾向は3つあるといわれています。
- 毛が大量に抜ける
- つむじが広がった
- 毛が細くなった
一般的に人間の毛は1日に100本から150本抜けるのが通常です。しかし、150本以上抜ける日が多いと、AGAの可能性があります。また、つむじが広がる・毛が細くなるという事例もAGAに該当します。
いずれの上記3つに該当した場合、医療機関に相談したほうがよいでしょう。
若者のAGAの割合は?
AGAにかかる若者の割合はどのくらいなのでしょうか。一般的に下記の通りです。
年代 | AGA発症率 |
20代 | 約10% |
30代 | 約20% |
40代以降〜 | 約70% |
参考:男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版
基本的に頭髪が後退していくのは40代以降といわれています。しかし、AGAは20代から進行する場合もあります。さらに、若ければ若いほど進行は早いとされています。
逆にいうとAGAの治療は、早ければ早いほどよいということです。
なぜ若者がAGAにかかるのか
一般的に頭髪が後退するのは歳を重ねた人といわれますが、若者のAGAが増えている理由として、下記の3つがあげられます。
- 遺伝
- ストレス
- 生活習慣
具体的に解説します。
遺伝
AGAは親から遺伝する可能性が高いです。特に、父親ではなく母方の祖父が薄毛の際に遺伝することがあります。これには、性染色体が関係しています。
- 男性の性染色体:XY
- 女性の性染色体:XX
性染色体にはXとYの2種類があります。薄毛に関する遺伝子情報は、X染色体に含まれていることが分かっています。
男性は、母親からはX染色体を、父親からはY染色体を受け取ります。そのため、父親からX染色体は遺伝しません。
つまり、母親から受け取るX染色体によって薄毛のなりやすさは変わります。母親の父親が薄毛の場合、孫にあたる息子が薄毛やAGAになる確率は高くなるでしょう。
ストレス
ストレスが原因でAGAになる可能性もあります。「ストレスって心の問題だから、頭髪に関係ないのでは?」と思うかもしれないですが、実はストレスも頭髪に多大な影響を与えます。
- ストレスによって自律神経が乱れる
- 自律神経が乱れると、頭皮に栄養がいかなくなる
- 結果、頭髪に影響が出て抜け毛が増える
ストレスがたまると自律神経が乱れ、頭皮に必要な栄養素がいかなくなり、最終的に頭髪に影響が出て抜け毛が増えてしまう可能性があります。
現代社会でストレスを感じない人はいないのではないでしょうか。特に若者はSNS等で「見なくてもよい情報」も見てしまい、自分自身気づかずにストレスを抱えてしまった結果、AGAにつながる可能性もあります。
生活習慣
生活習慣もAGAの原因の一つとされています。「自分は若いから不摂生な生活をしても大丈夫だろう」「若者は体力があるから多少、生活バランスが崩れても大丈夫だろう」と思う人もいますが、実は生活習慣の悪化がAGAにつながる時もあります。
- 睡眠時間
- 食生活
- 運動不足
睡眠時間は一般的に7時間以上が理想といわれています。7時間の睡眠は人間にとって体力の回復・免疫力の維持のために必要だからです。睡眠時間が短いと体力や免疫力が下がり、体調を崩してしまいます。
一般的に頭髪は睡眠時に形成されるといわれています。睡眠時に成長ホルモンが分泌され、この成長ホルモンにより髪が形成されます。睡眠時間が短いと成長ホルモンが分泌されないので、頭髪が形成されなくなるのです。
食生活もAGAの原因の一つです。食生活は生活習慣の基本で食生活により人間の体調が変わります。バランスの良い食生活を送らないと、頭皮に栄養が行かず、抜け毛が増える可能性があります。
運動不足がAGAの原因となるのは、3つの要素があります。
- ストレスが発散できない
- 血流が悪くなる
- テストステロンの排出
運動をすることで、ストレスを発散できるといわれています。血流も良くなり、テストステロンの排出にもつながります。テストステロンとは、筋肉を形成する上で重要な男性ホルモンです。しかし、テストステロンの影響により、AGAになる可能性もあります。
運動をすることで、テストステロンを排出すればAGA予防になるといわれています。
AGAの治療法
AGAの治療法は一般的に4つあります。
- 投薬治療
- 植毛治療
- HARG(ハーグ)治療
- 自毛植毛治療
具体的に解説していきます。
投薬治療
AGAは投薬の治療が可能です。ただし、投薬は原則「20歳以上」と決められています。20歳未満の人の服用は成長ホルモンを乱す可能性があるので、禁止とされています。
一般的にAGA治療で使用されている薬は3つです。
- フィナステリド
- デュタステリド
- ミノキシジル
いずれもAGAの原因とされる男性ホルモンを抑制させる薬の種類です。ただ、20歳以上でも病気などが原因で服用できない可能性もあるので、医師とよく相談したほうがよいでしょう。
植毛治療
植毛治療は一般的に植毛専門の医療機関で行う治療法の一つです。AGAの植毛治療は基本的に「自分の身体をよくし、自分の力で髪の毛を生やす」治療法です。
植毛治療は長期的な時間を要します。少なくとも1〜2年はかかるといわれているので「医療機関に通ったらすぐになんとかなる」と思っている人は、長期間かかると認識をしたほうがよいでしょう。
HARG(ハーグ)治療
基本的に、AGA治療は20歳未満の人は受けることができません。しかし、HARG治療は20歳未満でも受けることが可能です(ただし、親の許可が必要なので注意が必要です)。
HARG治療とは頭皮に直接薬剤を注入する治療法です。抜けた毛を再生する治療法で、近年では多くの医療機関においてHARG治療がおこなわれているといわれています。
特徴は医療機関でのみ治療をおこなうことができ、育毛・発毛・脱毛防止が期待されます。頭皮に直接薬剤を投入するやり方です。
しかし、植毛治療同様に時間がかかり、頭皮に直接投薬をおこなうので痛みを伴う可能性があるでしょう。いずれにしても担当医とよく話し、自分に適した治療をしてもらうのがよいです。
自毛植毛治療
自毛植毛治療とは「自分の身体の毛を頭に移植する」治療法です。治療は手術となり1番早い治療法ですが、金額も高額で広範囲の移植となると100万円以上の治療費になるといわれています。
いずれも自分の身体の毛を使うことになるので、医療機関の医師と相談が必要でしょう。
AGAクリニック選びのポイント
クリニック選びのポイント
- 医師や受付スタッフの対応が親身
- 疑問に感じたことにも答えてくれる
- 必要ない治療を勧めてこない
- 副作用についての説明がある
AGA治療の基礎知識
AGA治療の効果が出始めるまでの期間
治療の効果を感じられるのは、3~6ヶ月かかります。3ヶ月で確実に効果が出る保証はありません。約1年間の継続が求められます。
AGAの主な治療方法は以下の通りです。
治療法 | 概要 |
内服薬 | プロペシアなどで脱毛シグナルを弱める |
外用薬 | ミノキシジルなどを使い。発毛を促進させる |
自毛植毛 | 後頭部の髪の毛を頭皮ごと移植する |
AGA治療では人によっては副作用が起こる可能性があります。
副作用を感じる患者は全体の0.1%〜0.2%と低く珍しいケースです。
医師と相談しながら治療を進めていきましょう。
【起こり得る7つの副作用】 |
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AGA治療にかかる費用
予防(月額の最費用平均) | 4,800円(税込) |
発毛(月額の最低費用平均) | 33,000円(税込) |
※20クリニックから6ヶ月にかかる費用を月額に割り戻し計算しています。
※ご自身の症状によって費用は変動します。
AGAの対策
AGAの対策は一般的に3つあります。
- 傾向が出たら早く医療機関に行く
- ストレスを出来るだけ無くす
- 生活習慣を変える
具体的に解説します。
AGAの傾向が出たら早く医療機関に行く
AGAの傾向が出たらすぐに医療機関に行くことをおすすめします。AGAの治療は早ければ早いほどよいといわれています。逆にAGAは進行が早いためそのままにしておくと治療に時間を要してしまうでしょう。
「毛がいつもより多く抜ける」「つむじが広がりつつある」と分かったら一度医療機関に相談するのがよいでしょう。
ストレスを出来るだけ無くす
ストレスはAGAの原因の一つといわれているので、出来るだけストレスのない環境に自分を置きましょう。現代社会でストレスのない環境に身を置くことは困難ですが、少しでも身体に負担をかけさせないことが重要です。
たとえば、ストレス発散方法を自分で見つけていくのもよいでしょう。ストレスを自分の中に溜め込まないことが大切です。
生活習慣を変える
生活習慣はAGAに大きく関わります。喫煙や過度な飲酒により健康が損なわれて頭皮に栄養が行き届かなくなると、抜け毛が増えるとされています。
生活習慣は自分自身で変えることが可能です。まず、思い当たるところがあれば自分自身で変えていきましょう。
若者のAGAでよくある注意点
AGAでよくある注意点は2つあります。
- 円形脱毛症の可能性がある
- 他の病気の可能性がある
具体的に解説します。
円形脱毛症の可能性がある
円形脱毛症はAGAと違いますが、ストレスが原因で一時的に毛が抜け落ちてしまう症状です。特に、若い人で初めての環境に慣れなかったり、社会人に成り立ての人がストレスを抱えたりして円形脱毛症になりやすいです。
ストレスが無くなると、毛髪が抜け落ちた部分が再生します。個人での判断で特定するのは難しいので、医療機関に行き症状の確認をしたほうがよいでしょう。
円形脱毛症も皮膚科が専門医となるので、まずは皮膚科がある医療機関に通院することをおすすめします。
他の病気の可能性がある
抜け毛は毛だけでなく、皮膚の劣化によって起きる可能性もあります。AGAや円形脱毛症ではなく他の病気の可能性もあるということです。
皮膚の病気の際はそのままにしておくとひどくなる可能性があります。
AGAでよくある質問
AGAについてよくある質問をご紹介します。
何歳から治療を受けられるのか?
基本的にはAGAの治療は「20歳以上」とされています。「20歳未満」の人はAGAの治療は受けることができません。
しかし、HARG療法は「20歳未満」でも受診することが可能です。注意点として保護者の了承が必要なので、親には必ず許可をもらいましょう。
AGAの費用相場は?
AGA治療の費用相場は「どのくらいAGAが進行しているのか」によりますが、下記の通りです。
- 投薬治療:3,000円〜15,000円/月
- 植毛治療・HARG治療:20,000円〜60,000円/月
- 自主植毛治療:300,000円〜2,000,000円/月
参考:あすか製薬
1番安い方法は「投薬」で、1番高い治療方法は「自毛植毛」です。投薬治療が1番安いですが、時間がかかります。自毛植毛治療は、投薬よりも時間はかからないといわれていますが、その分治療費がかかります。
それぞれにメリット、デメリットがあるので、どの治療が自分にとってよいのかは医療機関のお医者さんと相談して決めていきましょう。
10代はAGAになる可能性はあるのか?
10代でもAGAになる可能性はあります。学校や将来に悩む多感な時期なので、男性ホルモンのバランスが乱れてAGAになる人もいると言われています。
10代でもできる治療としてHARG治療がありますが、AGAではなく別の病気の可能性もあるのでまずは医療機関に相談するのがよいでしょう。
まとめ
若者のAGAの進行は早いです。若ければ若いほど進行が早いので、抜け毛や少しでも傾向が出たら、すぐに医療機関に行きましょう。
治療は早ければ早いほどよいとされています。違う病気の可能性もありますが、まずは医療機関に一度相談してみてはいかがでしょうか。