AGAによるM字ハゲの基準は?薄毛の原因と対策も徹底解説

AGAによる薄毛のパターンの一つであるM字ハゲ。「生え際がM字になっている気がするけど、自分はAGAなのだろうか?」と気になっている方もいるかもしれません。

本記事では、M字ハゲの見分け方や対策について解説しています。

  • 自分はM字ハゲなのかどうか知りたい
  • M字ハゲが気になった場合に何をすればよいのか知りたい

上記に当てはまる方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

M字ハゲと生まれつきの生え際を見分ける2つの方法

M字ハゲと生まれつき生え際がM字型になっている方との違いを見分ける方法を2つ紹介します。なおM字ハゲに明確な定義はないため、あくまで目安としての基準です。

  1. 目を見開いて眉を上げたときにおでこにできる一番上のシワに指を2本添える
  2. 耳の上部から頭頂部に線を引き、生え際のラインとの距離を測る

1の方法では、おでこにできる一番上のシワと生え際との間に指2本分以上の隙間があれば、M字ハゲの可能性があると判断します。2の方法は、耳の上部から頭頂部に引いた線と、生え際のラインとの距離が2cm以上の場合にM字ハゲの可能性があると判断されます。M字ハゲの可能性がある場合は、一度専門の医療機関に相談すると安心です。

AGAによるM字ハゲを放置するとU字ハゲに進行する可能性がある

M字ハゲの原因がAGAの場合、何も対策しないまま放置しておくとU字ハゲに進行する可能性があります。U字ハゲとは、生え際がU字状に薄くなっている状態です。

AGAの薄毛は、頭頂部(つむじ周辺)と側頭部(生え際)が薄くなる特徴があります。M字ハゲを放っておくとつむじ周辺も薄くなり始め、最終的に生え際とつむじ周辺の薄毛がつながってU字になってしまいます。

AGAによるM字ハゲは20代から発症リスクがある

AGAによるM字ハゲは、20代でも発症する可能性があります。「まだ若いからAGAではないだろう」と考えていると、徐々に薄毛が進行してしまうかもしれません。AGAは日本人男性の約30%が発症すると報告されていて、患者さんの約10%は20代の方なのです。(参考:男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版

AGAの治療は、早期に始めることでより高い効果が得られると報告されています。髪の状態について少しでも気になることがあれば、自己判断で行動せずに一度専門の医療機関へ相談しましょう。

M字ハゲを引き起こす代表的な2つの疾患

M字ハゲを引き起こす代表的な疾患として、AGAと牽引性脱毛症(けんいんせいだつもうしょう)が挙げられます。それぞれの疾患について詳しく解説します。

AGA

AGAは「男性型脱毛症」と呼ばれていて、日本人の約30%に発症する疾患です。薄毛や抜け毛の傾向として、頭頂部(つむじ周辺)と側頭部(生え際)の髪の毛が薄くなるという特徴があります。

AGAの発症には男性ホルモンが関与していて、遺伝による影響も受けることが分かっています。ジヒドロテストステロンという男性ホルモンの影響で髪の毛の成長期が短縮されることにより、髪の毛が十分に成長しないまま抜けてしまうのです。治療にはジヒドロテストステロンの産生を抑える飲み薬や、発毛を促す塗り薬などを用います。

牽引性脱毛症

牽引性脱毛症とは、髪の毛を長時間引っ張ることにより発症する疾患です。髪の毛が引っ張られることで頭皮がダメージを受け、髪が細くなったり抜けたりしてしまいます。ヘアアレンジをする女性に多い疾患ではありますが、男性でも発症することがあります。

たとえば、長髪の男性でカチューシャやヘアゴムを使っているようなケースです。普段から頭皮に負荷がかかるようなヘアスタイルをする習慣があると、牽引性脱毛症を発症しやすくなるので注意しましょう。牽引性脱毛症は、ヘアスタイルを変えれば改善することが多くあります。

M字ハゲが気になった際の対処法4つ

M字ハゲが気になった場合にできる対処法を4つ紹介します。

  • 専門の医療機関でAGA治療を受ける
  • 生活習慣を見直す
  • 頭皮マッサージで血行を促進させる
  • ヘアスタイルを変える

それぞれの項目について詳しく見ていきましょう。

1.専門の医療機関でAGA治療を受ける

AGA治療専門の医療機関に相談することで、現状に合った治療が受けられます。医療機関で受けられる治療は大きく4種類です。

  • 飲み薬
  • 塗り薬
  • 自毛植毛
  • 注入薬

各治療について詳しく解説します。

飲み薬

AGA治療に使用される飲み薬には、脱毛の原因であるジヒドロテストステロンを作り出す酵素の働きを抑える効果があります。国内で承認されている飲み薬は、プロペシア(フィナステリド)とザガーロ(デュタステリド)の2種類です。

どちらも作用のメカニズムは同じですが、作用する酵素の種類が異なります。ジヒドロテストステロンを産生するのに関与する酵素は5αリダクターゼとよばれ、Ⅰ型とⅡ型に分かれています。プロペシアはⅡ型のみ、ザガーロはⅠ型とⅡ型の両方に有効です。基本的にはプロペシアから治療を始め、効果不十分な場合にザガーロへ切り替えます。

塗り薬

AGA治療に使用する塗り薬は、毛根を保護している毛包を大きくして、髪の毛の成長期を刺激することで発毛を促します。専門のクリニックで使用されている塗り薬は「ミノキシジル」という成分です。

一般的には飲み薬と組み合わせて治療します。プロペシアやザガーロといった抜け毛を抑える飲み薬だけでは効果不十分なケースや、飲み薬だけでは対処しきれない程度まで症状が進行したケースで使用します。継続していて抜け毛や薄毛の症状が改善されると、塗り薬の量を減らしたり飲み薬だけでの治療に切り替えることも可能です。

自毛植毛

自毛植毛は、AGAで抜けにくい部分の髪の毛を頭皮ごと移植する手術です。自毛植毛の生着率は82.5%と高く、ガイドラインでもAGAに対する自毛植毛は推奨されています。(参考:男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版)ただし、自毛植毛が推奨されるのは飲み薬や塗り薬で効果不十分の場合のみです。

植毛術に関して、現状では自毛植毛のみ推奨されており、人工毛植毛は推奨されていません。人工毛植毛術は安全性に関する根拠が乏しく、自毛植毛と比較して有効性が得られていないためです。

注入薬

注入薬は、発毛促進効果のある成分を直接頭皮に注入する方法です。注入薬による治療法は先進医療の段階で、現在有効性や安全性に関する研究が進められています。十分なデータがそろっていないことから推奨はされていませんが、今後の発展が期待されている治療法の一つです。

2.生活習慣を見直す

生活習慣の乱れに心当たりがある方は、見直すことで抜け毛や薄毛が改善されることもあります。食生活や睡眠リズムなどは、ヘアサイクルにも大きく関与しているためです。

たとえば睡眠リズムが乱れると、髪の毛が伸びる上で必要な成長ホルモンが十分に分泌されなくなってしまいます。一定の睡眠時間を確保するとともに、寝る時間と起きる時間をできるだけ一定にするよう心がけましょう

食生活については、髪の毛の材料になるタンパク質を摂取するよう意識してみてください。髪の毛に十分な栄養が行き渡ることで、太くしっかりとした健康な髪の毛が作られやすくなります。

3.頭皮マッサージで血行を促進させる

頭皮マッサージで頭皮の血行を促進させることも、抜け毛や薄毛予防に役立つでしょう。髪の毛の成長に必要な栄養や酸素は、血流に乗って運ばれます。頭皮の血流が滞っていると、食事から摂取した栄養が髪の毛に行き渡りにくくなってしまいます。

頭皮マッサージは、お風呂でシャンプーをしたタイミングでするのがおすすめです。ツメを立てず、指の腹でやさしくもみほぐしてあげましょう。

4.ヘアスタイルを変える

牽引性脱毛症の場合、ヘアスタイルを変えることも抜け毛や薄毛対策に有効です。髪の毛が長時間引っ張られることで頭皮がダメージを受けている状態なので、カチューシャやヘアゴムを使わないヘアスタイルにすることで改善される可能性が十分にあります。

すでに髪の毛が抜けていたり薄くなっていたりして気になる場合は、美容院で薄毛が目立たないヘアスタイルの提案を受けるのもよいでしょう。髪の毛が再び生えるまでには少し時間がかかるので、今すぐ対策したい方は一度プロに相談してみてはいかがでしょうか。

まとめ

M字ハゲに明確な定義はありません。生まれつき生え際がM字型になっている方もいるので判断しづらいかもしれませんが、以前より生え際が後退しているように感じたり、抜け毛が増えたように感じたりした場合は注意が必要です。

セルフケアでできることとしては、生活習慣の見直しや頭皮マッサージ、頭皮に負担をかけないヘアスタイルにすることなどが挙げられます。日常生活でできることを取り入れながら、少しでも抜け毛や薄毛に関して気になった場合は早めに専門の医療機関へ相談することをおすすめします。

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