薄毛が気になり始めた方の中には、「自分はAGAかもしれない...」「もう薄毛は治らないのでは?」と不安に思っている方もいらっしゃることでしょう。枕元の抜け毛が増えたり、生え際やつむじの髪が薄くなってきたように感じたりすると、衝撃も大きいですよね。
本記事では、AGAを含めた薄毛治療との向き合い方を解説します。
- これから薄毛が進行していくのではないかと心配な方
- 今から始められるAGA対策について知りたい方
上記に当てはまる方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
AGAは完全には治らない|治療の継続がカギ
結論からお伝えすると、現時点でAGAを完全に治すことはできません。専門のクリニックでAGAの治療は受けられますが、薬物治療でできるのはAGAの進行を緩やかにすることだけです。
ただし、AGAの治療を受けることで治療前よりも髪の毛を増やすことは可能です。治療に使用する薬には、脱毛シグナルをブロックする薬と、発毛を促進する薬の2種類が使用されています。疾患自体が完治するわけではありませんが、治療を継続することで薄毛が気にならない状態にまで改善する可能性は十分に考えられます。
AGAだから治らないと諦めないで|生活習慣の見直しで改善の可能性も
薄毛や抜け毛の要因は大きく2つあります。そのため、髪のお悩みを抱えている方全員がAGAを発症しているとは限りません。
- 生活習慣が原因の薄毛
- AGAをはじめとする疾患が原因の薄毛
薄毛や抜け毛の要因を正しく見極めることで、より効果的な改善策を選択できるようになります。2つの要因について、以下で詳しく解説します。
生活習慣が原因の薄毛
薄毛や抜け毛を引き起こしやすい生活習慣には、以下のようなものが挙げられます。
- 栄養バランスの乱れ:髪の材料であるタンパク質(ケラチン)の不足
- 睡眠不足:髪の発育を促す成長ホルモンの分泌低下
- 喫煙や過度な飲酒:血行不良や栄養不足
- 過度なストレス:ホルモンバランスの乱れ
- 自分に合わないヘアケア用品:頭皮のかゆみやフケ
- 帽子やヘルメット:長時間の着用によるムレ
一つでも思い当たる項目がある方は、まず該当する項目を見直すのがおすすめです。生活習慣を改善することで、薄毛が気にならなくなるケースも多くあります。
薄毛の原因がAGAかどうかを確認し、適切に対処してきましょう。
AGAかどうかの確認方法はAGAの抜け毛や薄毛を見分ける方法は?治療法についても解説にまとめていますのでご参考ください。
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AGAをはじめとする疾患が原因の薄毛
AGAをはじめとして、薄毛を引き起こす疾患は複数知られています。薄毛の要因になるような疾患を発症している場合は、専門の医療機関で疾患に適した治療を受けることが大切です。
たとえば、AGA以外で薄毛や抜け毛を引き起こす疾患として円形脱毛症が挙げられます。円形脱毛症は、自分の細胞を異物と認識することで免疫系が働き、髪の毛を作る細胞が攻撃されてしまう疾患と考えられています。自然治癒は困難なので、適切な治療を受けることが大切です。
もしAGAといった疾患であったとしても、まずはセルフケアから試してみるのがおすすめ。
根本的な解決方法ではないものの頭皮の血行を促進させるといったアプローチが可能です。
セルフケアのやり方は【すぐできる】AGAのセルフケア3選!根本的に改善するならクリニックの受診も検討をでまとめているのでご確認ください。
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AGAは30代後半から前頭部(生え際)や頭頂部(つむじ)の薄毛が気になることが多い
AGAは日本人男性の約1/3が発症するとされていて、発症しやすい時期は20代後半以降です。AGAの特徴は、生え際の後退やつむじの薄毛から症状が始まることです。
20代後半より若い年代で薄毛が気になり始めた場合や、生え際やつむじ以外の薄毛が気になっている場合は、AGA以外の要因も考えられます。髪の発育に悪影響を与える生活習慣に当てはまるものがないか、今一度振り返ってみましょう。
AGAが治らない理由はメカニズムにあり|男性ホルモンによる影響
AGAが完治しない要因は、薄毛を引き起こすメカニズムにあります。AGAによる薄毛の原因は、変化した男性ホルモンが必要以上に脱毛シグナルを送ってしまうことです。
具体的には、テストステロンという男性ホルモンが、5αリダクターゼという酵素によりジヒドロテストステロン(DHT)という物質に変換されます。DHTが髪の毛を作る細胞に結合すると、脱毛シグナルが送られてしまいます。
通常髪の毛の成長期は2〜6年ですが、DHTによる影響を受けると成長期が数か月〜1年程度に短縮してしまうのです。通常髪の毛の成長期は2〜6年ですが、DHTによる影響を受けると成長期が数か月〜1年程度に短縮してしまうのです。生える髪の毛は細く短くなり、毛の本数も減少するため薄毛に見えてしまいます。
AGAは完全に治らないからこそ治療に対する明確な目標設定が大切
AGAは完全に治る疾患ではありません。ただ、治療を継続することで髪の毛の復活を目指せる疾患でもあるのです。だからこそ、治療でどんな状態まで髪の毛を回復させたいかをあらかじめ思い描くことが大切です。
AGA治療を始めてから効果を実感するまでにかかる期間は早くて3か月、一般的には6か月から1年といわれています。根気よく治療に取り組むためには、最終的な目標を自分で決め、医師と共有して続けていくことが大切です。
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AGA治療は飲み薬と塗り薬が基本
AGAの治療は、一般的に飲み薬と塗り薬を使用します。処方せんが必要な医薬品なので、市販で手に入れることは基本的にできません。飲み薬と塗り薬がそれぞれどのような役割をはたすのかを見ていきましょう。
飲み薬
飲み薬の役割は、脱毛シグナルの要因になるジヒドロテストステロン(DHT)の産生にかかわる酵素をブロックすることです。酵素の働きが阻害されることで、DHTの産生が減って脱毛シグナルの強度が弱まります。
AGAの治療に使われる代表的な飲み薬は2つです。
- プロペシア(成分名:フィナステリド)
- ザガーロ(成分名:デュタステリド)
5αリダクターゼという酵素にはⅠとⅡの2種類があり、2つの薬は阻害する酵素の種類が異なります。プロペシアはⅡのみを阻害しますが、ザガーロはⅠとⅡの両方を阻害します。まずはプロペシアを試し、効果不十分の場合はザガーロに切り替えるのが基本です。
塗り薬
塗り薬の役割は、発毛を促進させることです。具体的には、毛根の細胞分裂を促したり、毛包を大きくしたりすることで成長期を長く維持する効果があります。
AGA治療に使われる塗り薬は、「ミノキシジル」という成分です。一般的にAGAの治療は、飲み薬と塗り薬の併用から始まります。一定の発毛効果が得られた後は、ミノキシジルを減量したり中止したりすることも可能です。
その他
多くの方でまず上記の2つの治療が行われますが、それ以外にもAGAの治療法があります。薬による治療効果が不十分な方や、薬で対応できない程度まで症状が進行している方に用いられるのが一般的です。
たとえば以下にあげる2つの方法があります。
- メソセラピー
- 自毛植毛
メソセラピーとは、栄養分を頭皮に直接注入して発毛促進を狙う方法です。自毛植毛は、脱毛シグナルの影響を受けないとされている後頭部の髪の毛を頭皮ごと移植する方法です。いずれも薬による治療より高額で、感染などのリスクもあります。慎重に決断する必要がありますが、選択肢の一つとして頭に入れておきましょう。
AGA治療にかかる費用はクリニックや進行度によって異なる
AGA治療は健康保険の対象にならないため、クリニックによって料金が異なります。また、AGAの進行度によっても治療方法の選択肢は変わります。参考までに、AGA治療でよく使われる医薬品の価格相場を見てみましょう。
- プロペシア(28日分):約8,000円
- ザガーロ(30日分):約10,000円
- ミノキシジル(塗り薬30日分):約7,000円
薬代に加えて、診察代や検査代も考慮する必要があるでしょう。ちなみに飲み薬や塗り薬は、ジェネリック医薬品を選ぶことで少し費用を抑えられます。相場を調べた上で、「1か月いくらまでならお金をかけられそうか」を考えておくとよいですね。
AGAクリニック選びのポイント
クリニック選びのポイント
- 医師や受付スタッフの対応が親身
- 疑問に感じたことにも答えてくれる
- 必要ない治療を勧めてこない
- 副作用についての説明がある
AGA治療の基礎知識
AGA治療の効果が出始めるまでの期間
治療の効果を感じられるのは、3~6ヶ月かかります。3ヶ月で確実に効果が出る保証はありません。約1年間の継続が求められます。
AGAの主な治療方法は以下の通りです。
治療法 | 概要 |
内服薬 | プロペシアなどで脱毛シグナルを弱める |
外用薬 | ミノキシジルなどを使い。発毛を促進させる |
自毛植毛 | 後頭部の髪の毛を頭皮ごと移植する |
AGA治療では人によっては副作用が起こる可能性があります。
副作用を感じる患者は全体の0.1%〜0.2%と低く珍しいケースです。
医師と相談しながら治療を進めていきましょう。
【起こり得る7つの副作用】 |
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AGA治療にかかる費用
予防(月額の最費用平均) | 4,800円(税込) |
発毛(月額の最低費用平均) | 33,000円(税込) |
※20クリニックから6ヶ月にかかる費用を月額に割り戻し計算しています。
※ご自身の症状によって費用は変動します。
セルフケアでできる薄毛対策2つ
病院での治療以外に、自宅でできる薄毛対策を2つ紹介します。
- 生活習慣の見直し
- 育毛剤や育毛シャンプーの活用
それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。
生活習慣の見直し
薄毛を引き起こしやすい生活習慣がある方は、できるところから少しずつ見直すことをおすすめします。生活習慣を見直すだけで、薄毛が改善されることも十分考えられるのです。生活習慣改善の具体的なポイントをいくつか紹介します。
- 食事:魚や肉などのタンパク質をとるよう心がける
- 睡眠:就寝時間と起床時間を一定にして、十分な睡眠時間を確保する
- 喫煙:禁煙グッズや禁煙外来を活用して禁煙に挑戦する
- 飲酒:1日あたりの適正量を守って楽しむ
- ストレス:自分なりのストレス解消法をもっておく
- 帽子やヘルメット:定期的に脱ぐ時間を作り、汗をかいたらこまめに拭く
まずは髪の発育にとって悪い習慣を一つやめてみて、よい習慣を取り入れてみてください。
育毛剤や育毛シャンプーの活用
普段使っているシャンプーを育毛シャンプーに変えたり、日ごろのヘアケアに育毛剤をプラスするのもおすすめです。育毛剤や育毛シャンプーは市販で購入できるので、病院に行くより手軽に始められるセルフケアの一つです。
育毛剤や育毛シャンプーには、髪の発育に大切な頭皮環境を整える成分が配合されています。新しく髪を生やす効果はありませんが、今ある髪を育てやすくする役割があります。
薄毛を目立ちにくくする3つの工夫
AGA治療の効果を実感する前段階から実践できる、薄毛が目立ちにくくなる工夫を3つ紹介します。
- ヘアスタイルを工夫する
- エクステやウィッグでボリュームアップする
- 帽子をかぶる
一つひとつ解説していきます。
ヘアスタイルを工夫する
ヘアスタイルを工夫して、薄毛が目立ちにくくなる髪型を研究してみましょう。普段通っている美容院がある方は、美容師の方に適切な髪型を聞いてみるのもいいですね。参考までに、薄毛でもオシャレな髪型にするポイントをいくつか挙げてみます。
- 短髪にする
- サイドや襟足をスッキリさせる
- ワックスなどのスタイリング剤を使う
髪が長いと重みでトップの部分がつぶれてしまい、薄毛が目立ってしまいます。短髪にしてスタイリング剤をつけることで、ボリューム感が出て薄毛が目立ちにくくなるのです。
またAGAの場合、サイドの髪は薄くなりにくいという特徴があります。サイドの髪を短くカットすることで、薄毛が気になる部分とのギャップを減らせます。髪型によって見た目の印象は大きく変わるので、ぜひチャレンジしてみてください。
薄毛が目立ちにくい髪型はもしかしてAGA?40代から薄毛が進行してきたと感じたときの対策でも解説しているのでご参考ください。
もしかしてAGA?40代から薄毛が進行してきたと感じたときの対策
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エクステやウィッグでボリュームアップする
AGA治療の効果が出ていないうちは、エクステやウィッグの助けを借りる方法もあります。エクステは一般的に美容室で施術してもらう「つけ毛」、ウィッグは自分で取り外し可能な「かつら」のことです。
エクステの場合は美容室でつけてもらうため、髪のプロとヘアスタイルを相談しながら決められるのがポイント。ウィッグは自分で取り外しができるので、手軽に始められるのが利点です。頭の上からすっぽりかぶるフルウィッグだけでなく、部分的に髪を足すタイプのウィッグもあります。
挑戦したい髪型を手軽に試せるので、お財布と相談しながら試してみてはいかがでしょうか。
帽子をかぶる
ヘアセットするのが大変だと感じる方は帽子をかぶるのも一つの方法です。ヘアセットの手間や時間が省けて、エクステなどの施術も不要なので手軽に感じられるでしょう。
とくにファッションに興味がある方なら、服装に合う帽子を見つけるのも楽しめるのではないでしょうか。お気に入りの帽子をかぶって出かけることで気分が上がるかもしれません。ぜひ試してみてください。
まとめ
現時点でAGAを完治させることは残念ながらできませんが、薄毛が気にならなくなる程度まで髪を復活させられる可能性は十分にあります。効果を実感するまでにはある程度時間がかかるので、待っている期間もヘアスタイルなどを工夫して楽しみながら過ごせるといいですね。
病院での治療と合わせて、日ごろの生活習慣を見直すことも大切です。栄養バランスのとれた食事や規則正しい生活など、よい習慣は積極的に取り入れていくことをおすすめします。
できるだけ費用を抑えて早く効果を実感するために、薄毛や抜け毛が気になり始めた段階で早めにクリニックを受診しましょう。