AGAの抜け毛や薄毛を見分ける方法は?治療法についても解説

抜け毛や薄毛が気になっている方の中には、「AGAかどうかを見分ける方法はないのかな?」と疑問に思う方もいることでしょう。病院を受診する前に、ある程度セルフチェックできると安心です。

本記事では、AGAの抜け毛や薄毛を見分ける方法について解説しています。

  • 自分の抜け毛や薄毛がAGAによるものなのかどうか知りたい
  • AGAの可能性がある場合、病院ではどのような治療ができるのか知りたい

上記に当てはまる方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

AGAと正常な抜け毛の見分け方|5つのポイントをチェック

AGAによる抜け毛と正常な抜け毛の見分け方を5つ解説します。

  1. 抜け毛の本数
  2. 抜け毛の状態
  3. 髪のボリューム
  4. 頭皮の状態
  5. 生え際とつむじの形

それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。

1.抜け毛の本数

抜け毛の本数は、1日50〜100本程度であれば正常です。髪の毛にはヘアサイクルがあり、成長期を終えた髪の毛は自然に抜けるようになっています。成長期を終えた髪の毛が抜けると、新たな髪の毛が作られるのです。

AGAを発症すると、成長期が極端に短くなり抜け毛が増えてしまいます。通常1周するのに2〜6年かかるヘアサイクルが、100日前後まで短縮されてしまうといわれています。抜け毛の本数を正確に把握するのは難しいものの、明らかに抜け毛が増えたと感じます。シャンプーやブラッシング、起床したタイミングなどに観察してみてください。

2.抜け毛の状態

通常の抜け毛とAGA発症後の抜け毛は、髪の毛の状態も異なります。AGAの抜け毛は、髪が十分に成長する前の段階で抜けてしまうためです。抜け毛が弱々しく細かったり、毛根に丸みを帯びた膨らみがなかったりする場合は、髪が十分に成長していない可能性も考えられます。

抜け毛の量だけでなく毛の状態もよく観察し、もし髪の毛の質が変わってきたと感じた場合は早めに専門の医療機関へ相談しましょう。

3.髪のボリューム

抜け毛を観察するのと合わせて、生えている髪のボリュームも見ておくことをおすすめします。AGAを発症するとヘアサイクルの成長期が短くなるので、抜け毛だけでなく生えている髪の質も変化するためです。

成長期の短くなった髪は、ハリやコシがなく細い毛質へと変化します。抜け毛が細くなるのはもちろんのこと、残った髪もボリュームがなくヘアセットが決まりにくくなったと感じる方もいるようです。

4.頭皮の状態

頭皮の状態も、髪の健康に大きく影響します。頭皮は髪を育てる土壌のような役割であるためです。AGAの発症に関与する男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロン(DHT)は、頭皮の状態も変化させる可能性があります。

ジヒドロテストステロンは、AGAの発症だけでなく皮脂分泌にもかかわっているホルモンです。ジヒドロテストステロンの分泌量が増えると皮脂分泌が活発になり、毛穴のつまりや頭皮のベタつきなどのトラブルが起こりやすくなってしまいます。

皮脂分泌が活発になる要因はホルモンによる影響だけではないものの、頭皮のかゆみやベタつきなどが気になり始めた場合は注意が必要です。

5.生え際とつむじの形

生え際やつむじの形にも着目しましょう。AGAによる抜け毛は、生え際やつむじが薄くなるという特徴があります。薄毛のパターンによりM字型、O字型、U字型の3種類があるので具体的に解説します。

M字型

M字型は、左右の生え際が後退して生え際がM字型に見える薄毛です。もともと生え際がM字になっている方やおでこが広い方もおり、薄毛かどうかを判断する明確な基準はありません。目安として以下に挙げる3つのポイントにあてはまるかどうかをチェックしてみてください。

  • 目を見開くとおでこにできる一番上のしわに2本指を添えた際、生え際としわとの間隔が指2本分以上空いている
  • 以前と比較して生え際のM字が目立っている
  • 生え際に細く弱々しい髪の毛が生えている

AGAは放置すると進行する病気なので、いずれかに当てはまる場合は早めに専門の医療機関を受診しましょう。

O字型

O字型は、つむじ部分から広がっていくタイプの薄毛です。O字型の場合、生え際の後退が少し進んだ後につむじの周りも薄くなってくるパターンが多く見られます。頭のてっぺんなので、初期段階では自分でも気づかないかもしれません。

O字型の薄毛は、7段階に分けられているAGAの進行度のうち2段階目以降にあたります。AGA治療は早期に始めることが鍵なので、少しでも違和感がある場合は一度専門の医療機関で相談することをおすすめします。

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U字型

U字型は、左右だけでなく生え際が全体的に後退していくタイプです。おでこが徐々に広くなっていき、最終的には頭のてっぺんまで薄毛が進行してしまいます。初期段階では左右の生え際が少し後退し、その後生え際の中心部も後退する点がM字型とは異なります。

AGAによる薄毛は、こめかみから後頭部にかけての髪の毛は残るのが特徴です。薄毛が気になり始めた方は、AGAに特徴的な薄毛のパターンに当てはまるかどうかもチェックしておくとよいでしょう。

抜け毛や薄毛を生じる他の病気とAGAの見分け方

抜け毛や薄毛が症状として現れる病気は、AGA以外にもいくつか存在します。

  • 脂漏性皮膚炎
  • 円形脱毛症

上記2つの病気について解説します。

脂漏性皮膚炎

脂漏性皮膚炎は、皮脂の分泌が盛んな部位にできる湿疹のことです。頭皮だけでなく顔面やワキなどにできることもあります。原因は明らかになっていませんが、皮膚に常在している「マラセチア」というカビの一種が異常増殖することと考えられています。

脂漏性皮膚炎が頭皮に起こった場合の代表的な症状は以下の通りです。

  • 患部の赤み
  • 黄色味を帯びた湿り気があるフケ、または乾燥したうろこ状のフケ
  • 軽いかゆみ(かゆみはまったく出ないことも多い)

脂漏性皮膚炎により頭皮の環境が悪化すると、抜け毛や薄毛が現れることもあります。頭皮ではつむじの周りに発症しやすいので、つむじ周辺が赤くなっていたりフケが出たりしている場合は皮膚科を受診しましょう。

円形脱毛症

円形脱毛症は、髪の毛を作る「毛包」という部分が破壊されることで起きる脱毛症です。免疫細胞が自分の毛包を誤って異物と判断してしまい、攻撃してしまうことが原因と考えられています。

円形脱毛症の場合、脱毛はまだらに起こるのが特徴です。10円玉程度の大きさで複数箇所の脱毛が生じることもあれば、帯状に脱毛することもあります。髪が生える部分と生えない部分の境界線がはっきりしている点はAGAと異なります。塗り薬や飲み薬などの治療法があるので、発症した場合は専門の医療機関に相談してください。

AGAの発症には男性ホルモンと酵素がかかわっている

AGAの発症には、「ジヒドロテストステロン」という男性ホルモンと「5αリダクターゼ」という酵素がかかわっていると考えられています。ジヒドロテストステロンは、「テストステロン」という男性ホルモンが5αリダクターゼにより還元されることで作られるホルモンです。

ジヒドロテストステロンは、生え際やつむじ周辺に作用して毛根に脱毛シグナルを発生させます。正常なヘアサイクルでも毛の生え変わりは起こりますが、AGAの場合は脱毛シグナルが過剰に発生してしまうのです。

AGAに関与するⅠ型・Ⅱ型5αリダクターゼの見分け方

AGAの発症にかかわる5αリダクターゼにはⅠ型とⅡ型という2つの型があり、それぞれ体内での働きが異なります。各酵素の特徴について詳しく見ていきましょう。

Ⅰ型

Ⅰ型の5αリダクターゼはほとんど全身の皮脂腺に分布していて、皮脂の分泌量が多いという特徴があります。皮脂の分泌が多い方は、Ⅰ型の活性が高い可能性があるといえるでしょう。

Ⅱ型

Ⅱ型の5αリダクターゼはⅠ型と異なり、分布する場所が限定されています。

  • 前頭部(生え際)
  • 頭頂部(つむじ)
  • ワキ
  • ヒゲ
  • 陰部

上記のような場所に存在しており、頭部では脱毛、頭部以外では発毛を促す働きがあります。髪の毛が薄くなるのに対してワキ毛やヒゲが濃くなる場合、Ⅱ型の活性が高いと考えられます。AGAの発症には、Ⅰ型よりもⅡ型の方が大きく関与するといえるでしょう。

医療機関のAGA治療では酵素を阻害して進行を抑える

医療機関では、飲み薬や塗り薬を用いてAGAを治療します。基本の治療となる飲み薬は、AGAに関与する5αリダクターゼを阻害することで効果を発揮します。一般的にAGA治療で使用される薬は、プロペシア(フィナステリド)とザガーロ(デュタステリド)の2種類です。

いずれの薬も5αリダクターゼの働きを抑える作用をもちますが、働きを抑えられる酵素の種類が異なります。プロペシアはⅡ型の酵素のみを抑えるのに対し、ザガーロはⅠ型とⅡ型の酵素を両方抑えることが可能です。基本的には、プロペシアを使用して効果不十分の場合はザガーロに切り替えます。

飲み薬で効果が出ない場合の治療法3つ

飲み薬を飲んでも効果が不十分な場合、他に3つの選択肢があります。

  • 塗り薬
  • 注射
  • 自毛植毛

塗り薬

塗り薬は、飲み薬と併用して用いられることが多くあります。AGAの初期段階であれば飲み薬だけで治療することもありますが、塗り薬も同時に使用するのが一般的です。塗り薬の成分は「ミノキシジル」というもので、発毛を促す効果があります。

注射

注射は、発毛を促す働きのある成分を頭皮に直接注入する方法です。現在は先進医療として扱われており、有効性や安全性について研究が進められています。現状では一般的に実施できる治療法ではないものの、今後の発展が期待されています。

自毛植毛

自毛植毛は、AGAによる影響を受けにくい後頭部の髪の毛を、生え際やつむじに移植する手術です。飲み薬や塗り薬での効果が不十分で他に治療手段がない場合に適応となります。自毛植毛で移植した髪の毛がうまく生着する確率は、82.5%以上という高い結果が出ています。

まとめ

AGAと正常な抜け毛を見分けるには、抜け毛の量や毛の状態、生えている髪のボリュームなどを観察してみてください。抜け毛が増えたり髪のボリュームが減ったりしたと感じた場合は、早めに専門の医療機関で相談することをおすすめします。

AGAの発症には酵素がかかわっており、人によって酵素の活性度合いが異なります。専門の医療機関を受診した上で、自分の状態に適した治療を受けることが大切です。

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