この記事を書いた医師
安斉 基之
MOTOYUKI ANZAI
安斉 基之
MOTOYUKI ANZAI
医師 / 泌尿器科医専門医 / ボトックスビスタ認定医 / オンライン診療研修終了 / 緩和ケア研修終了
2015年 東邦大学医学部卒業 クリニックTENでは美容皮膚科、泌尿器科、内科、皮膚科など全般を担当。
ED(勃起不全)は、非常にデリケートな問題であるため、誰にも相談できずに一人で思い悩んでいる方も少なくないのではないでしょうか。「最近、自信が持てない」「パートナーを満足させられているか不安だ」と感じても、年齢のせいだと諦めてしまったり、どうすれば良いか分からず不安な日々を過ごされたりしているかもしれません。
この記事では、EDの症状や原因、そしてクリニックで行われる治療法について、専門家の視点から分かりやすく解説します。まずは正しい知識を得て、悩みを解消するための第一歩を踏み出しましょう。
ED(勃起不全)は決して珍しい悩みではありません

EDは、決して特別な人だけに起こる症状ではありません。ある調査では、日本の成人男性の4人に1人以上が中等度以上のEDを有するという報告もあります。つまり、多くの男性が経験する可能性のある身近な悩みの一つなのです。
大切なのは、「自分だけがおかしいのではないか」と一人で抱え込まないことです。EDは生活習慣やストレス、他の病気など、様々な要因が絡み合って起こります。原因を正しく理解し、適切な対処法を知ることで、症状が改善する可能性は十分にあります。この記事を通して、まずはご自身の状態を客観的に見つめ直すことから始めてみましょう。
ED(勃起不全)とは?医学的な定義について

ED(Erectile Dysfunction)は、日本語で「勃起不全」または「勃起障害」と訳されます。
日本泌尿器科学会のガイドラインによると、「満足のいく性行為を行うのに十分な勃起を得られないか、または維持できない状態が、持続的または再発性に認められること」と定義されています。
「ED」と聞くと、「全く勃起しない」状態をイメージする方が多いかもしれません。しかし、医学的にはそれだけを指すわけではありません。
具体的には、以下のような状態もEDに含まれます。
- 勃起はするものの、硬さが不十分で性行為が難しい(硬さの問題)
- 性行為の途中で萎えてしまい、最後まで維持できない(維持の問題)
- 勃起するまでに時間がかかる、または勃起しない時がある(頻度の問題)
このように、自分では「時々調子が悪いだけ」と感じているケースも、医学的にはEDのサインである可能性があります。
「時々できない」と感じるのもEDのサイン?
EDの症状は、常に一定ではありません。「できる時とできない時がある」「以前に比べて硬さが足りない気がする」といったように、症状の現れ方には個人差があり、その程度によって段階が分かれています。
具体的には、全く勃起しない「重度」のものから、時々勃起しないことがある「軽度」のものまで様々です。
パートナーとの性行為に満足感を得られていない、あるいは、勃起に関して何らかの不安を感じているのであれば、それはEDのサインかもしれません。症状の程度にかかわらず、気になることがあれば専門医に相談することが重要です。
もしかしてEDかも?自分でできる症状セルフチェック

ご自身の勃起の状態を客観的に評価するために、国際的に広く用いられているセルフチェックシートがあります。これらはあくまで簡易的な目安ですが、受診を考えるきっかけとして活用できます。
EHS(勃起の硬さスケール)
EHS(Erection Hardness Score)は、勃起時の硬さを4段階で評価するシンプルな指標です。
- グレード0: 陰茎は大きくならない。
- グレード1: 陰茎は大きくなるが、硬くはない。
- グレード2: 陰茎は硬いが、挿入に十分なほどではない。
- グレード3: 陰茎は挿入には十分硬いが、完全には硬くはない。
- グレード4: 陰茎は完全に硬く、硬直している。
性行為の際に、グレード3以下の状態が頻繁に見られる場合は、EDの可能性があります。
IIEF-5(国際勃起機能スコア-5)
IIEF-5(International Index of Erectile Function-5)は、過去6ヶ月間の勃起機能に関する5つの質問に答えることで、EDの重症度を評価するものです。合計スコアが21点以下の場合、EDが疑われます。以下の質問事項を確認し、ご自身でもチェックしてみてください。
IIEF-5質問票
| 最近6ヶ月で | ||
| 1.勃起を維持する自身の程度は どれくらいありましたか? | 非常に低い | 1 |
| 低い | 2 | |
| 普通 | 3 | |
| 高い | 4 | |
| 非常に高い | 5 | |
| 2.性的刺激による勃起の場合、 何回挿入可能な勃起の硬さに なりましたか? | 全くなし、またはほとんどなし | 1 |
| たまに | 2 | |
| 時々(半分くらい) | 3 | |
| おおかた毎回 | 4 | |
| 毎回またはほぼ毎回 | 5 | |
| 3.性交中、挿入後何回勃起を維持 することができましたか? | 全くなし、またはほとんどなし | 1 |
| たまに | 2 | |
| 時々(半分くらい) | 3 | |
| おおかた毎回 | 4 | |
| 毎回またはほぼ毎回 | 5 | |
| 4.性交中、性交を終了するまで 勃起を維持するのはどれくらい 困難でしたか? | ほとんど困難 | 1 |
| かなり困難 | 2 | |
| 困難 | 3 | |
| やや困難 | 4 | |
| 困難でない | 5 | |
| 5. 性交を試みたとき、何回満足に 性交ができましたか? | 全くなし、またはほとんどなし | 1 |
| たまに | 2 | |
| 時々(半分くらい) | 3 | |
| おおかた毎回 | 4 | |
| 毎回またはほぼ毎回 | 5 | |
重症度判定
| 22点以上 | 勃起不全の疑いは極めて低い |
| 17~21点 | 軽度の勃起不全が疑われます |
| 12~16点 | 軽度~中等度の勃起不全が疑われます |
| 8~11点 | 中等度の勃起不全が疑われます |
| 5~7点 | 重度の勃起不全が疑われます |
これらのセルフチェックは、あくまで診断の補助となるものです。正確な診断のためには、専門医による問診や診察が必要不可欠です。
EDを引き起こす4つの主な原因

EDは、単一の原因で起こることは少なく、様々な要因が複雑に絡み合って発症します。原因は大きく分けて4つのタイプに分類されます。ご自身の生活習慣や精神状態を振り返り、どのタイプに当てはまる可能性があるか考えてみましょう。
【原因1】加齢や生活習慣病による「器質性ED」
高血圧や糖尿病などの生活習慣病を指摘されている、あるいは最近メタボリックシンドロームが気になる、といったことはありませんか? 器質性EDは、身体的な問題、特に血管や神経の障害によって引き起こされるタイプです。
勃起は、陰茎の海綿体という組織に血液が十分に流れ込むことで起こります。そのため、動脈硬化などによって血管が硬くなったり狭くなったりすると、血流が悪化し、勃起しにくくなります。
加齢とともに血管の弾力性は失われやすくなりますが、それだけでなく、糖尿病、高血圧、脂質異常症といった生活習慣病も動脈硬化を進行させる大きな要因です。また、糖尿病は神経障害を合併することも多く、性的刺激を脳に伝えたり、脳からの指令を陰茎に伝えたりする神経の働きが鈍くなることもEDの原因となります。
【原因2】ストレスや不安からくる「心因性ED」
仕事や人間関係で強いストレスを感じている、あるいは性行為の際に「またダメだったらどうしよう」というプレッシャーを感じてしまう、といったことはありませんか? 心因性EDは、精神的なストレスや不安、うつ状態などが原因で引き起こされるタイプです。
過去の性行為での失敗経験がトラウマになっていたり、「また失敗するのではないか」という不安(予期不安)が強かったりすると、脳が性的興奮にブレーキをかけてしまい、勃起が起こりにくくなります。
仕事や家庭でのストレス、パートナーとの関係性の悩みなども、心因性EDの引き金となります。特に20代〜40代の比較的若い世代に見られるEDは、この心因性の要因が大きいことが多いと言われています。
【原因3】身体と心の要因が重なる「混合性ED」
EDの原因として最も多いのが、器質性EDと心因性EDの両方の要因が重なっている「混合性ED」です。
例えば、加齢や生活習慣病によって少し勃起しにくくなった(器質性ED)ことをきっかけに、「次もダメかもしれない」という不安(心因性ED)が生まれ、さらに症状が悪化してしまう、というケースが典型例です。
身体的な要因と精神的な要因が互いに影響し合うことで、EDの症状が固定化してしまうことがあります。
【原因4】服用している薬が影響する「薬剤性ED」
現在服用している薬の副作用として、EDの症状が現れることがあります。これを「薬剤性ED」と呼びます。
原因となる可能性がある薬としては、以下のようなものが挙げられます。
- 一部の降圧薬(高血圧の治療薬)
- 精神安定薬、抗うつ薬
- 前立腺がんや前立腺肥大症の治療薬
- 一部の胃薬
これらの薬が必ずEDを引き起こすわけではありませんが、可能性の一つとして考えられます。もし薬を飲み始めてからEDの症状が気になりだした場合は、自己判断で服薬を中止せず、必ず処方した医師に相談してください。
クリニックではどのような治療を行う?ED治療の選択肢

EDの治療は、原因や症状の程度、そして患者様のご希望に合わせて様々な選択肢の中から最適な方法を選んでいきます。まずは基本的な生活習慣の見直しから始め、必要に応じて薬物療法などを検討します。
まずは生活習慣の見直しから
EDの大きな原因となる動脈硬化は、日々の生活習慣と密接に関わっています。そのため、治療の第一歩として、またEDの予防のためにも、生活習慣の改善は非常に重要です。
- 食生活の改善: バランスの取れた食事を心がけ、脂っこいものや塩分の多い食事は控えめにしましょう。
- 適度な運動: ウォーキングなどの有酸素運動は、血流を改善し、生活習慣病の予防にも繋がります。
- 十分な睡眠: 睡眠不足は自律神経の乱れを引き起こし、勃起機能にも影響を与えます。
- 禁煙: 喫煙は血管を収縮させ、動脈硬化を促進する最大の危険因子の一つです。
- 節酒: 過度なアルコール摂取は、神経の働きを鈍らせ、一時的にEDを引き起こすことがあります。
これらの見直しは、EDの改善だけでなく、全身の健康を維持するためにも不可欠です。
ED治療薬(PDE5阻害薬)による薬物療法
生活習慣の改善と並行して行われることが多いのが、ED治療薬(PDE5阻害薬)による薬物療法です。PDE5阻害薬は、陰茎の血管を拡張させ、海綿体への血流を増加させることで勃起をサポートする薬です。
日本で承認されている代表的なED治療薬には、以下の3種類があります。
- バイアグラ(シルデナフィル): 世界で最初のED治療薬。服用後30分〜1時間ほどで効果が現れ、約4時間持続します。食事の影響を受けやすいのが特徴です。
- レビトラ(バルデナフィル): バイアグラよりも早く、服用後15分〜30分ほどで効果が現れる即効性が特徴です。食事の影響はバイアグラより少ないとされています。
- シアリス(タダラフィル): 効果の持続時間が最大36時間と非常に長いのが特徴です。食事の影響も受けにくく、週末に服用するなど、ライフスタイルに合わせた使い方が可能です。
これらの薬は、医師の診察と処方が必要です。個人の判断でインターネットなどを通じて購入する「個人輸入品」には、偽造薬や不純物が含まれている危険性があり、深刻な健康被害を引き起こすケースも報告されています。安全な治療のためにも、必ず医療機関を受診してください。
その他の治療法について
一般的なED治療薬で十分な効果が得られない場合や、気力・活力そのものの低下を感じている場合、当院では、EDの背景に「男性ホルモン(テストステロン)」の低下が関わっている可能性も探り、必要に応じてテストステロン補充療法を行うことがあります。
テストステロンは、性欲や勃起機能だけでなく、活力や気分、筋力などにも影響する大切なホルモンです。加齢や強いストレス、生活習慣の乱れによって分泌が減ると、EDの原因のひとつになることがあります。
血液検査でホルモン値を確認し、テストステロンの低下が認められ、補充が必要と判断された方には、注射や外用薬でホルモンを補充する治療をご提案します。この治療により、性機能の改善だけでなく、気力や体力の回復といった効果も期待できます。
ただし、すべての方に効果があるわけではなく、前立腺の疾患など、体の状態によっては適さない場合もあるため、必ず医師と相談しながら治療を進めていきます。
このように、一つの治療法に固執せず、患者様一人ひとりの根本原因にアプローチできる点が当院の強みです。
EDについて相談したいとき、何科を受診すればいい?

EDの症状で悩んだ時、どの診療科を受診すれば良いのか迷う方も多いでしょう。
一般的には、EDを専門的に診療しているのは泌尿器科です。泌尿器科では、問診や必要な検査を通じて原因を特定し、適切な治療法を提案してくれます。
また、最近ではED治療を専門に行うメンズヘルス専門のクリニックも増えています。プライバシーに配慮した環境で相談しやすいのが特徴です。
もし、高血圧や糖尿病などでかかりつけの内科医がいる場合は、まずはそこで相談してみるのも一つの方法です。服用中の薬との兼ね合いなども含めて、アドバイスをもらえる可能性があります。
EDの悩みは一人で抱えずに、専門医へご相談ください

EDは、男性の自信やパートナーとの関係にも影響を与えかねない、深刻な悩みです。しかし、適切な治療を受けることで、症状が改善する可能性は十分にあります。
大切なのは、一人で抱え込まずに、勇気を出して医師に相談することです。
クリニックTENでは、患者様一人ひとりのプライバシーに最大限配慮し、安心してご相談いただける環境を整えています。丁寧なカウンセリングを通じて原因を探り、あなたに合った最適な治療法を一緒に見つけていきます。
少しでも気になることがあれば、ぜひ一度、当院までお気軽にご相談ください。
CLINIC TENのED治療
診察について
・対面診察
問診や診察に加え、ご希望の場合には男性ホルモン検査を行います。
ED治療薬の中から、患者様の状態やご希望にあわせた処方を行います。
・オンライン診察
ご自宅などからオンラインで診察を行い、
ED治療薬の中から、患者様の状態やご希望にあわせた処方を行います。
フォローアップ
ED治療薬は、体質等により効き目がことなります。したがって、ひとつの薬が効かなかったとしても、薬の種類を変えることで効果が表れる場合があります。
CLINIC TENではLINEを活用したフォローアップを実施し、状況に応じて薬の変更をご提案します。お薬を飲み始めてからの体調不良や薬の副作用など、何か気になることがあれば、些細なことでも医師にご相談ください。
費用 (税込)
対面
| 初診カウンセリング | 5,500円 |
| 再診料 (2回目以降) | 1,100円 |
オンライン
| オンライン自費初診料 | 2,750円 |
| オンライン再診料 | 1,100円 (2回目以降) |
| オンライン診療手数料(配送料込み) | 440円 |
処方薬

EDにお困りなら当院をご受診ください
FLOW
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予約・WEB 問診回答
予約・WEB 問診回答
当院は完全 WEB 予約制となっています。
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(ブラウザがプライベートモードになっていると登録に失敗することがありますのでプライベートモードは OFF にしてご利用ください)
診療科目を選択し、予約可能な枠からご希望の時間帯をお選びください。予約後はそのまま問診にお答えいただきます。これによって、診察開始前から医師があなたの状態を把握することができるようになり、クリニック到着後すぐに診察をすることが可能になります。
来院 / 受診
来院 / 受診
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事後決済
事後決済
事後決済 診察終了後にお会計を待つ必要はありません。決済については、来院時に登録したクレジットカードから引き落としをおこないます。初回来院時に登録したカード情報をその後も利用可能です。
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