【医師監修】性病かも？と思ったら。渋谷で受けられる性感染症（STD）の検査と症状

「もしかして、性病（性感染症）かもしれない…」
パートナーの様子がおかしい、自分の体にいつもと違う変化を感じるなど、不安な気持ちを抱えていませんか？

性感染症（STD）は、決して特別な人だけがかかる病気ではありません。性的な経験があれば、誰にでも感染する可能性があります。しかし、デリケートな問題だからこそ、なかなか人に相談できず、一人で悩みを抱え込んでしまう方も少なくありません。

大切なのは、正しい知識を持って、適切なタイミングで検査を受けることです。この記事では、主な性感染症の症状や特徴、そして検査の重要性について詳しく解説します。

性感染症（STD）とは？

性感染症は、英語の「Sexually Transmitted Diseases」を略して「STD」とも呼ばれます。その名の通り、性的な接触を介して感染する病気の総称です。

主な感染経路は、性交（膣性交、口内性交、肛門性交）ですが、血液や皮膚、粘膜の直接的な接触によって感染することもあります。

性感染症の難しい点は、感染しても症状がはっきりと現れない、あるいは全く症状が出ない「無症状」のケースが多いことです。そのため、知らず知らずのうちに感染を広げてしまったり、治療が遅れて症状が進行してしまったりする危険性があります。自分とパートナーの健康を守るためにも、早期発見・早期治療が何よりも重要です。

もしかして…？症状から考える主な性感染症の種類

性感染症には様々な種類があり、それぞれ症状の現れ方が異なります。ここでは、代表的な性感染症の症状について解説します。「おかしいな」と感じたら、まずはセルフチェックをしてみてください。

かゆみ・おりものの異常・軽い排尿時痛：クラミジア感染症

クラミジア感染症は、日本で最も報告数が多い性感染症の一つです。特に10代〜20代の若い世代に多く見られます。

女性の場合、症状が非常に軽いか、ほとんど感じられないことが多く、気づかないまま感染しているケースが少なくありません。おりものが少し増える、軽い下腹部痛や排尿時痛、不正出血といった症状が見られることがあります。

一方、男性の場合は、排尿時に軽い痛みや違和感があったり、尿道からサラサラとした透明または乳白色の膿が出たりすることがあります。

症状が軽いからと放置してしまうと、女性は子宮頸管炎から卵管炎、骨盤腹膜炎へと進行し、不妊症や子宮外妊娠の原因となることがあります。男性も精巣上体炎を引き起こし、男性不妊の原因になる可能性があります。

強い排尿時痛・黄色い膿：淋菌感染症（淋病）

淋菌感染症（淋病）は、クラミジアと並んでよく見られる性感染症です。クラミジアと同時に感染していることも珍しくありません。

男性の場合、感染後数日で症状が現れることが多く、尿道に焼けるような強い痛みを感じたり、黄色くドロっとした膿が出たりするのが特徴です。症状が比較的はっきりしているため、異変に気づきやすいと言えます。

しかし、女性の場合はクラミジアと同様に症状が乏しいことが多く、おりものが少し黄色っぽくなる、量が増える程度の変化しか見られないこともあります。

淋菌は喉（咽頭）にも感染しやすく、オーラルセックスによって咽頭炎を引き起こします。喉の痛みや腫れといった症状が出ますが、風邪と間違えてしまい発見が遅れることも多いです。放置すると、男女ともに不妊の原因になるほか、まれに関節や心臓にまで菌が広がり重症化することもあります。

性器のブツブツ・しこり・ただれ：梅毒・性器ヘルペス

性器やその周辺にできものやしこりができた場合、梅毒や性器ヘルペスの可能性があります。

梅毒

近年、若い女性を中心に感染者が急増しており、社会的な問題にもなっています。梅毒は症状が出たり消えたりを繰り返しながら、時間経過（病期）とともに全身に広がっていくのが特徴です。

• 第1期（感染後約3週間）：感染した場所（性器、口、肛門など）に、痛みのない小さなしこりやただれができます。この症状は数週間で自然に消えてしまいますが、治ったわけではありません。

• 第2期（感染後約3ヶ月）：治療をしないと、病原体が血液に乗って全身に広がり、「バラ疹」と呼ばれるピンク色のアザのような発疹が手のひらや足の裏、体中に現れます。

この時期を過ぎても治療しないでいると、数年〜数十年後に心臓や血管、脳に深刻な障害をきたすことがあります。また、妊娠中の方が感染すると、胎盤を通じて赤ちゃんにも感染し、「先天梅毒」を引き起こす危険性があります。

性器ヘルペス

単純ヘルペスウイルスの感染によって、性器やその周りに痛みを伴う水ぶくれやただれができます。特に初めて感染した場合は、強い痛みや発熱、足の付け根のリンパ節の腫れなど、全身に症状が出ることがあります。

一度感染すると、症状が治まってもウイルスは体内の神経節に潜伏し続けます。そして、疲労やストレス、風邪などで免疫力が低下した際に、再び症状をぶり返す（再発する）のが特徴です。

その他の性感染症（HIV・尖圭コンジローマなど）

上記以外にも、注意すべき性感染症はあります。

1.HIV感染症・エイズ

HIVとは、免疫機能の中心である細胞を破壊するウイルスのことです。HIVに感染すると、体の免疫力が徐々に低下していき、健康な状態ではかからないような様々な病気を発症しやすくなります。この状態をエイズ（後天性免疫不全症候群）と呼びます。

感染初期には、発熱や喉の痛み、だるさといったインフルエンザに似た症状が出ることがありますが、数週間で自然に治まり、その後は数年〜10年以上も無症状の期間が続きます。そのため、感染に気づくためには検査を受けるしかありません。

現在は治療法が飛躍的に進歩しており、早期に発見し治療を継続すれば、エイズの発症を防ぎ、健康な人とほとんど変わらない生活を送ることが期待できます。

2.尖圭コンジローマ

ヒトパピローマウイルス（HPV）の感染が原因で、性器や肛門の周りにイボができる病気です。イボの形は、ニワトリのトサカやカリフラワー状と表現されることが多く、色はピンクや褐色、黒色など様々です。

痛みやかゆみなどの自覚症状はほとんどありませんが、見た目の問題で悩む方が多く、自然に治ることは稀です。治療には塗り薬や、液体窒素でイボを凍らせて取り除く方法などがありますが、再発しやすい傾向があります。

症状がなくても検査は必要？

「特に症状はないから、自分は大丈夫」と思っていませんか？

これまで解説してきたように、多くの性感染症は症状が出ない、あるいは非常に軽いために気づかれないことが少なくありません。 

症状がないからといって、感染していないとは断言できないのです。むしろ、自覚症状がないままパートナーに感染させてしまう「サイレント・キャリア」になっている可能性も考えられます。

• パートナーが性感染症と診断された
• 不特定多数の人と性的な接触があった
• コンドームを使用しない性交渉があった

上記のような心当たりがある場合は、症状がなくても一度検査を受けることを強くお勧めします。検査を受けることは、あなた自身の健康はもちろん、大切なパートナーの健康を守るためにも非常に重要です。

クリニックTENでの性病検査の流れ

クリニックTEN渋谷では、患者様のプライバシーに最大限配慮しながら、安心して検査・治療を受けていただける体制を整えています。受診を検討されている方のために、大まかな流れをご説明します。

受付から問診、検査、結果報告まで

１．受付

まずは受付にお越しください。Webからのご予約も可能です。症状がある場合は保険証をご提示ください。症状がない場合や、特定の病気だけを調べたい場合は自費診療となります。どの検査を受ければよいか分からない場合も、お気軽にご相談ください。

２．問診

医師が症状や経緯、ご不安な点などを詳しくお伺いします。診察室は個室ですので、他人に話を聞かれる心配はありません。どんな些細なことでも、心配な点は遠慮なくお話しください。

３．検査

疑われる病気やご希望に応じて、必要な検査を行います。

• 尿検査：クラミジア、淋菌など
• 血液検査：梅毒、HIV、B型肝炎、C型肝炎、ヘルペス抗体など
• 分泌物・おりものの採取：クラミジア、淋菌、トリコモナス、カンジダなど
• 視診：性器ヘルペス、尖圭コンジローマなど

検査に伴う痛みなどにも配慮しながら、丁寧に行います。

４．結果報告・治療

検査結果は、検査項目にもよりますが、数日〜1週間程度で判明します。結果は再度ご来院いただき、医師から直接ご説明します。
また、PCR検査については当院公式LINEより結果を送付しており、検査結果を受け取るためのご来院をいただく必要がないため、お忙しい方にもご活用いただいております。

万が一、陽性という結果が出た場合もご安心ください。当院にて、それぞれの疾患に合った治療を速やかに開始します。お薬の処方や、その後の経過観察まで、責任を持ってサポートさせていただきます。

まとめ：正しい知識と検査で、あなたとパートナーの安心を

性感染症は、早期に発見し、適切な治療を受ければ、多くの場合で症状の改善が期待できる病気です。しかし、放置すると不妊や深刻な合併症につながるリスクもはらんでいます。

「もしかして？」という不安を抱えたまま過ごすのは、精神的にも大きな負担です。その不安を解消する最も確実な方法は、検査を受けて、ご自身の状態を正確に知ることです。

クリニックTEN渋谷は、渋谷駅からアクセスしやすく、平日は夜19時半まで、土日も診療を行っています。私たちは、あなたが抱えるデリケートな悩みに真摯に寄り添い、安心して相談できる場所でありたいと考えています。一人で悩まず、まずは専門家である私たちにご相談ください。