LOH症候群（男性更年期障害）かも？今すぐできるセルフチェックリスト

なんだか最近、疲れやすい、やる気が出ない…。その原因不明の不調、もしかしたら「男性更年期障害（LOH症候群）」かもしれません。

「気合が足りないだけ」「年のせいだ」と見過ごされがちな、男性特有の健康問題について、その原因からセルフチェック、そして最新の治療法までを詳しく解説します。あなたの心と体のサインを見逃さず、いつまでも活力ある毎日を送るための一歩を踏み出しましょう。

その不調、男性更年期かも｜LOH症候群の正体

「最近、調子が悪い…」その原因不明の不調は、「LOH症候群（男性更年期障害）」のサインかもしれません。これは男性ホルモン（テストステロン）が加齢などにより減少することで、心と体に様々な変化が現れる状態です。

早い方では40代からその兆候が顕著になることもあり、決して珍しいことではありません。まずは、その正体から詳しく見ていきましょう。

原因は「テストステロン」の減少にあった

LOH症候群、いわゆる男性更年期障害は、男性ホルモンの一種である「テストステロン」の減少が主な原因です。テストステロンは、筋肉や骨の形成、性機能の維持といった身体的な役割に加え、意欲や決断力といった精神的な健康にも深く関わっています。

「社会性のホルモン」とも呼ばれ、リーダーシップや競争心、チャレンジ精神の源にもなるため、このホルモンが減少すると、身体的な不調だけでなく、精神的な活力も失われがちになります。

男性更年期は「誰にでも起こりうるもの」

テストステロンの分泌は20代をピークに、年齢とともに緩やかに減少していきます。特に30代や40代以降になると、その減少幅が大きくなり、LOH症候群の症状が現れやすくなります。

加齢だけでなく、ストレス、肥満、睡眠不足などもテストステロンの減少を加速させる要因となるため、40代だけでなく、幅広い年齢の方にも起こりうる症状です。

あなたの心と体のサインを見逃さないで｜LOH症候群セルフチェック

ご自身の心と体の変化に、早期に気づくことが大切です。
以下のチェックリストで、当てはまる項目がないか確認してみましょう。

精神面のサイン【やる気・気分の落ち込み】

• 何事にも興味がわかず、やる気が出ない
• 気分が落ち込みやすく、不安やイライラを感じることが増えた
• 集中力や記憶力が低下したと感じる

身体面のサイン【疲れ・ほてり・筋力低下】

• 十分な睡眠をとっても、疲れがとれない
• 急に顔がほてったり、汗をかきやすくなった
• 筋力が低下し、以前より疲れやすくなった
• 関節や筋肉に痛みを感じる

性機能面のサイン【性欲減退・ED】

• 性欲が以前よりも低下した
• 勃起不全（ED）の症状がある
• 早朝の勃起がなくなった

専門医に相談する勇気｜LOH症候群の検査と治療

セルフチェックで気になる点があったとしても、「病院に行くほどではない」と感じてしまうかもしれません。しかし、専門医に相談することは、活力を取り戻すための最も確実な近道です。ここでは、実際にどのような検査や治療が行われるのかを見ていきましょう。

迷ったら泌尿器科専門医へ相談

上記のセルフチェックで当てはまる項目が複数ある場合は、専門医への相談をおすすめします。LOH症候群の診療は、主に泌尿器科で行われています。最近では、男性更年期専門の外来を設けている医療機関も増えています。

血液検査で身体の状態をチェック

医療機関では、問診に加えて血液検査を行い、テストステロンの値を測定します。この検査により、不調の原因がテストステロンの減少によるものかを正確に診断することができます。

希望の光となるホルモン補充療法

診断の結果、テストステロンの値が基準よりも低い場合は、ホルモン補充療法が選択肢となります。注射や塗り薬でテストステロンを補充することで、症状の改善が期待できます。

この治療法は活力の回復やうつ症状の改善など多くのメリットが報告されている一方で、定期的な通院が必要であることや、副作用のリスクもゼロではありません。治療を始める前には、医師と十分に相談し、理解を深めることが重要です。

生活習慣を見直して活力を取り戻す

専門的な治療に加えて、日々の生活習慣を見直すことは、テストステロンの分泌を自然に高め、心身の活力を取り戻す上で非常に重要です。医療の力だけに頼るのではなく、自分自身でできることにも積極的に取り組んでいきましょう。ここでは「食事」「運動」「睡眠・ストレスケア」の３つの観点から、具体的な改善策をご紹介します。

食事改善で内側からサポート

テストステロンの生成には、亜鉛やビタミンDなどの栄養素が欠かせません。牡蠣や赤身肉、卵、きのこなどを積極的に摂取しましょう。また、良質なたんぱく質や健康的な脂質も重要です。

運動習慣でテストステロンを増やす

筋力トレーニングや有酸素運動は、テストステロンの分泌を促す効果があります。特に、スクワットなどの大きな筋肉を鍛えるトレーニングがおすすめです。無理のない範囲で、継続的に運動する習慣をつけましょう。

質の高い睡眠とストレスケア

睡眠中にテストステロンは多く分泌されるため、質の高い睡眠を確保することが大切です。また、過度なストレスはテストステロンの減少につながります。趣味の時間やリラックスできる環境を意識的につくり、ストレスを上手に発散させましょう。

まとめ：『気合で乗り切る』はもう古い。賢く医療を頼るという選択肢

もしあなたが今、原因のわからない不調に悩み、「自分の頑張りが足りないのだろうか」と感じているなら、決してそんなことはありません。その悩みには「LOH症候群」という名前があり、適切な対処法が存在することを、この記事を通して知っていただけたなら幸いです。

かつては「気合」や「我慢」で乗り切るしかなかったかもしれません。しかし時代は変わり、今では科学的な根拠に基づいた検査や治療によって、症状を改善できるようになりました。一人で暗いトンネルを歩む必要はないのです。

専門医への相談は、決して特別なことではありません。それは、あなたが自分自身の体を大切にし、これからの人生をより自分らしく、活力に満ちたものにするための、最も賢明な選択です。小さな勇気が、明日からの大きな変化につながります。ぜひその一歩を踏み出してみてください。