【医師監修】おしっこに血が混じる「血尿」の原因とは?症状や検査について解説

【医師監修】おしっこに血が混じる「血尿」の原因とは?症状や検査について解説

【医師監修】おしっこに血が混じる「血尿」の原因とは?症状や検査について解説

この記事を書いた医師

安斉 基之

MOTOYUKI ANZAI

安斉 基之

MOTOYUKI ANZAI

医師 / 泌尿器科医専門医 / ボトックスビスタ認定医 / オンライン診療研修終了 / 緩和ケア研修終了

2015年 東邦大学医学部卒業 クリニックTENでは美容皮膚科、泌尿器科、内科、皮膚科など全般を担当。

「おしっこが赤い…」もしあなたがこのような経験をしたら、驚きと不安でいっぱいになるかもしれません。
おしっこに血が混じる「血尿」は、体が発している何らかのサインです。

痛みを伴わない場合もあり、「一度だけだったから」「気のせいかもしれない」と放置してしまう方も少なくありません。
しかし、その背後には、すぐに対応が必要な病気が隠れている可能性もあります。

この記事では、血尿の基本的な知識から、考えられる原因、そしてクリニックでどのような検査を行うのかまで、専門家の視点から分かりやすく解説します。 ご自身の不安を解消し、適切な一歩を踏み出すために、ぜひ最後までお読みください。

「血尿」とは?まず知っておきたい基本

血尿とは、その名の通り尿に血液(赤血球)が混じった状態を指します。
健康な人の尿にも、ごくわずかな赤血球が含まれることはありますが、一定量以上になると「血尿」と判断されます。

尿は、腎臓で血液がろ過されて作られ、尿管、膀胱、尿道を通って体外へ排出されます。この尿の通り道のどこかで出血が起こると、血尿として現れるのです。

出血の原因は様々で、感染症のような比較的治りやすいものから、結石や悪性腫瘍(がん)のように、すぐに対応が必要な病気まで多岐にわたります。
そのため、血尿は体の中の異常を知らせる重要なサインと言えます。

肉眼的血尿と顕微鏡的血尿の違い

血尿は、見た目で判断できるかどうかによって、大きく2つの種類に分けられます。

一つは「肉眼的血尿」です。これは、目で見て明らかに「尿が赤い」「茶色っぽい」「血の塊が混じっている」と分かる状態の血尿です。
尿の色は、出血量や出血してからの時間によって、ピンク色から濃い赤色、コーラのような色まで変化します。

もう一つは「顕微鏡的血尿」です。こちらは、見た目ではほとんど分かりませんが、健康診断などの尿検査で、顕微鏡を使って初めて発見される血尿です。
「健診で血尿を指摘されたけれど、自覚症状は全くない」というケースがこれにあたります。

肉眼的血尿はもちろん、自覚症状のない顕微鏡的血尿であっても、その原因を特定するためには専門的な検査が必要です。

おしっこに血が混じる場合に考えられる主な病気

血尿が出た場合、尿が作られて排出されるまでの通り道である「尿路(腎臓、尿管、膀胱、尿道)」や、男性の場合は「前立腺」の病気が疑われます。

ここでは、血尿の原因として考えられる主な病気を5つご紹介します。

1.膀胱炎や尿道炎などの「尿路感染症」

尿の出口から細菌が侵入し、膀胱や尿道で炎症を起こす病気です。体の構造上、男性に比べて尿道が短い女性に特に多く見られます。

炎症によって粘膜が傷つき、出血することで血尿が起こります。

血尿のほかに、排尿時の痛み、頻尿、残尿感、尿の白いにごりといった症状を伴うことが多いのが特徴です。

多くの場合、抗菌薬の服用によって症状は改善します。しかし、放置すると細菌が腎臓にまで達し、腎盂腎炎(じんうじんえん)という高熱を伴う病気に進行する可能性もあるため、早めの受診が大切です。

2.激しい痛みを伴う「尿路結石(腎結石・尿管結石)」

尿の中に含まれるカルシウムやシュウ酸などが結晶化し、石のようになったものが「尿路結石」です。

この結石が腎臓や尿管にできると、尿路の粘膜を傷つけて出血し、血尿の原因となります。

特に、結石が尿管に詰まると、突然、脇腹や背中に激しい痛みが生じることがあります。この痛みは「疝痛(せんつう)発作」と呼ばれ、冷や汗や吐き気を伴うほどの強さです。

血尿と激しい痛みが同時に現れた場合は、尿路結石の可能性が考えられます。

3.腎臓そのものの病気(腎炎など)

腎臓は、血液をろ過して尿を作るフィルターの役割を担っています。このフィルター機能に異常が生じる病気(総称して腎炎など)でも、血尿が見られることがあります。

代表的なものに「IgA腎症」などがあります。

腎臓の病気による血尿は、多くの場合、見た目では分からない顕微鏡的血尿です。また、尿にタンパク質が混じって尿が泡立ったり、高血圧やむくみといった症状が現れたりすることもあります。

健康診断で血尿や尿タンパクを指摘された場合は、症状がなくても腎臓内科や泌尿器科の受診が必要です。

4.前立腺の病気(前立腺肥大症・前立腺がん)

前立腺は男性特有の臓器で、膀胱のすぐ下に位置しています。

加齢とともに前立腺が大きくなる「前立腺肥大症」では、大きくなった前立腺の血管が切れやすくなり、血尿が出ることがあります。血尿のほか、尿の勢いが弱い、排尿に時間がかかる、夜間に何度もトイレに起きるといった症状が見られます。

また、「前立腺がん」が原因で血尿が起こることもあります。初期には自覚症状がほとんどないため、血尿をきっかけに発見されるケースも少なくありません。

5.最も見逃してはいけない「膀胱がん・腎臓がん」などの悪性腫瘍

血尿の原因として、最も注意しなければならないのが「がん」です。特に、膀胱がんや腎臓がん、腎盂・尿管がんなどが挙げられます。

これらの悪性腫瘍による血尿の最も大きな特徴は、痛みを伴わない「無症候性肉眼的血尿」であることが多い点です。

排尿時の痛みや腹痛などの症状がないため、「一度赤い尿が出たけれど、すぐに治まったから大丈夫だろう」と自己判断してしまいがちです。

しかし、この「症状のない血尿」こそ、がんの重要なサインである可能性があります。一度でも痛みのない血尿に気づいたら、決して放置せず、必ず泌尿器科を受診してください。

クリニックTENの泌尿器科で採用している検査

血尿を指摘されたり、自覚したりしてクリニックを受診した場合、どのような検査が行われるのでしょうか。

クリニックTENでは、患者さんの負担を考慮しながら、原因を特定するために必要な検査を適切に選択していきます。

基本的な検査(尿検査・血液検査)

まず基本となるのが尿検査です。尿の中に赤血球がどのくらい含まれているか、細菌や白血球(炎症のサイン)、がん細胞などが混じっていないかを詳しく調べます。

尿検査は、血尿の程度や感染症の有無などを知るための重要な情報源となります。

また、血液検査も行い、腎機能が正常に働いているか、炎症反応がないかなどを確認します。これにより、全身の状態を把握することができます。

超音波(エコー)検査

超音波検査は、体への負担が少なく、リアルタイムで体内の様子を確認できる非常に有用な検査です。

腎臓や膀胱、男性の場合は前立腺に、結石や腫瘍などの異常がないかを観察します。

痛みもなく、ベッドに横になっているだけで検査は終わります。

クリニックTENでは、これらの基本的な検査を迅速に行い、血尿の原因を丁寧に探っていきます。検査の結果は、分かりやすい言葉で丁寧にご説明しますので、ご不明な点があれば何でもお尋ねください。もし、さらに詳しい検査が必要だと判断された場合は、CTやMRI、膀胱鏡検査などが可能な高次の医療機関と連携し、最適な治療へと繋げていきますのでご安心ください。

まとめ:血尿は体が発する重要なサイン。一度でも見たら泌尿器科へ

ここまで、血尿の原因となる様々な病気や検査について解説してきました。

お伝えしたい最も大切なことは、「血尿は、決して軽く考えてはいけない体からのサインである」ということです。

特に、痛みを伴わない血尿は、膀胱がんや腎臓がんといった重大な病気の初期症状である可能性があります。

「一度きりだったから」「疲れているだけかもしれない」といった自己判断は非常に危険です。

一度でもおしっこに血が混じることに気づいたら、あるいは健康診断で血尿を指摘されたら、症状の有無にかかわらず、できるだけ早く泌尿器科を受診してください。

早期に原因を特定し、適切な治療を始めることが、あなた自身の健康を守るために何よりも重要です。血尿というサインを見逃さず、まずは専門家と一緒に原因を確認することから始めましょう。

クリニックTENでは、泌尿器科の専門医が、患者さん一人ひとりの不安に寄り添いながら、丁寧な診察と的確な検査を心がけています。どうぞ、安心してご相談ください。

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